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遠藤 長閑 Endou Nodoka 引きこもり隊二号
第1話
しおりを挟む私は遠藤長閑。
学校には久しく行ってない。
今日も真っ暗な部屋でパソコンに向かってひたすらゲーム。
私にはもう1つの名前がある。
それは、『神』。
このゲームの中で、私は神として崇められている。
もともと別の名前でやっていたのだけれど、どこかの誰かが呼び始めたことがきっかけで神と呼ばれるようになった。
そんな私には1人だけ友達、といっていいのかわからないけどいつも協力プレイをしてくれる相棒がいる。
その名は『キラ』。
顔をスキャンしている(キラレベルの美男子だと課金して顔変えてるかもしれないけど)から、こんな顔なんだなあって思いながらプレイしている。
まあ、あんまり3Dには興味ないんだけどね。
ピンポン
親はいない。
私に残されたのはこの家だけ。
おばあちゃんがたまにきてくれるけど、それだけ。
だから、誰も出ない。
もちろん、私に用がある人なんていない。
ピンポンピンポンピンポン
無論、卓球をする相手もいない。
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
うるさいなあ…
こんなにしつこいのは初めてだ。
何かの勧誘だとしてもこれはおかしい。
「はあ…」
残念ながらこの家には来客者の顔を判断するものはない。
しかたがなくドアを開ける。
がちゃ
「神ですね?」
目の前にはSPのようなガタイの良い、サングラスをした男たちがいた。
そのリーダー格のような人物が話しかけてきた。
「は、はい?」
『神』という名はもちろん、公表しているものではない。
知っている人はごく一部しかいないはず。
そう、あのゲームをしている人しか。
「失礼しました、『神』様ですね」
「あ、あの、そういう問題じゃないです」
「失礼しました。それでは用件だけ簡単に申し上げますと……」
淡々としゃべり続けている男の人と、それにしだがう男の人たち。
その後ろには真っ黒なバンがあった。
なんだかこわくなって、用件を聞いては行けない気がして…
「す、すいませんっ、失礼しますっ」
と言ってドアを閉めようとしたその瞬間、
バン!!
男たちが体をドアに挟み込んで無理くり中に入ってきた。
そして、私の体をひょいと持ち上げると、そのまま黒いバンの中に放り込まれてしまった。
こわい、こわい…
これってどういうこと?
そんな、私を助けてくれる人は誰もいない。
そんな不安を抱きながらバンは出発していった。
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