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ひのま

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遠藤 長閑 Endou Nodoka 引きこもり隊二号

第2話

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 車はどれくらい走ったのだろうか。
 ある豪邸のようなところで止まった。
 そして、無理くり腕を掴まれてバンから降ろされ、豪邸の玄関前に着く。

 SPがインターフォンのようなものにむかって合図を出す。
 すると、中から誰かがでてきた。

「手荒な真似をして申し訳ないね」

 うわあ、キラそっくり。
 いっつも私と協力してmissionクリアしてるあのキラに!
 でもゲーム内でのキラは紳士な感じで、とてもじゃないけどあんな手荒いことをする人のようには思えない。

「あなた、だれ?」
「僕が、キラだよ」
「え?キラなの?」
「会いたかったよ、神」

 見るからにそっちが神だろってかんじ!
 私はゲーム内でこそ神って呼ばれてるけど、容姿は普通だし、一般人って感じ。
 だけどキラは、いかにも神って感じのオーラを漂わせている。

「もっとキツイ感じの子かと思ってたよ。
 思ったより可愛らしい子でよかった。さあ中へ」

 何簡単に可愛いとかいってんの?おい!
 ってこれお前んちかいっ!でけー、まじやばお!

「おじゃまします・・・」
「「おかえりなさいませ、隼人様」」
「静かにして。父上と母上にはこのことは内密に」
「「失礼いたしました」」

 なんなん?リアル坊々がここにおるんやけどおおおお!

 ガチャ

「ここが僕の部屋だよ」

 えええええーーーーー!!!!
 デスクトップ×5!ゲーム1つでこんな容量くわねぇよ!しかもこないだでたばっかの最新機種だし!オーディオも揃ってるし、ヘッドホンまでええもんやん!冷房はいうまでもなく完備だし、この椅子といい、クッションといい、長丁場になっても節々の痛みに苦しまなくてもいいという、プレイヤーへの配慮抜群な感じ!・・・ここのゲーム設備の整い様ぱねぇーー!!!

「はすはすしゃす!」
「ははは、神に喜んでもらえてよかったよ」
「キラって、金持ちだね」
「そうかな・・・金だけあってもいいことなんてないよ」

 キラは少し寂しそうな顔をしていた。
 嫌味に聞こえてもおかしくない発言のに、不思議とかわいそうだなって思った。

「隼人様って呼ばれてたね」
「紹介が遅れたね、僕は星宮隼人というんだ」

 星→キラキラ→キラ

 た、単純だ!

「差し支えなければ、神の名前も聞いていいかな」
「遠藤、長閑です」
「神はどうして、神という名前にしたの?」
「最初は全然違う名前だったんだけど、周りの人たちにいつの間にか神って呼ばれてて、それで・・・」
「確かに。神のプレイは本当に神だからね」

 なんか、恥ずかしいわ!

「じゃあ、さっそくだけど、ログインしようか」
「ちょ、ちょっと待って」

 この人、いい人っぽいけど、つーか知らない人なのにのこのこと協力プレイオッケーって言っちゃった自分も自分なんだけど、いやまあ、キラは前から知ってたから知らない人じゃないけど、いやまて、のこのこのというか強引、半ば強制的にここに連れてこられたわけだけど、
 本当に信用していいんかな?
 この最先端機器の中だ。必殺技のコピーソフトとか仕組んでるかもしれんぞ!

「本当に、キラなんだよね?」
「うん」
「正直、信用できない」
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