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番外編 ハッピーバレンタイン

楠まりあ

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*楠まりあ 本編 を見ていない方はネタバレ注意です*




 今日は2月12日!金曜日です。

「黒崎くーん!」
「なんだよ」
「ねえねえ、日曜日って暇?」
「暇、だけど」
「じゃあ遊びに行こう!!」

 黒崎くん、さては、忘れてるな!!
 今週の日曜日は・・・




「黒崎くん!」

 駅前で待ち合わせ。黒崎くんの私服かっこいいなあ!
 私、こんな服で大丈夫かなあ。

「お前・・・・・かっ、かわ、か、かわいいな」
「あ、ありがとうございますっ!」

 そんな顔しないでくださいっ。
 私照れちゃいますっ。黒崎くんまで顔を真っ赤にしないでくださいっ。

「黒崎くん!今日はなんの日か知ってますか?」
「・・・ば、バレンタイン、だろ?」
「ぶっぶー!今日は二石の日です!」
「に、にいしの日?」
「2月14日なので、に、い、しの日です!」
「二石ってなんだよ」

 黒崎くんはちょっとふてくされている。
 さっき間違ったのが恥ずかしかったのかな。

「二石っていうのは一石の2倍です!」
「は?」
「だーかーら、一石二鳥が二石二鳥になるんです!」
「・・・それ、損してないか?」
「してませんよ!でも私1人じゃ、一石にしかなれないから、黒崎くんと2人で、二石!です」

 黒崎くんはポカーンとしている。

「俺とお前で二石になったところで何をするんだよ」
「えーっと・・・うーんと、それは考えてません」
「お、おい・・・」
「あ!そういえば、さっき黒崎くん、バレンティンがどーのこーのって言ってませんでしたっけ」
「バレンタインな」
「バレンタイン・・・?」
「お前、バレンタイン知らねえの?」
「はい!」
「バレンタインっていうのは、女が男にプレゼントする日なんだよ。・・・ち、チョコとかな」

 いつも二石の日になるとやたらチョコをもらったり、女の子と男の子がそわそわしたりしてるなって思ってたけど、それってバレンタインだからってこと?私がいいことしたからチョコをもらったんじゃなくて、そういう日だからチョコをもらえたってこと?

「そうなんですか!じゃあ選びに行きましょう!」
「・・・う、うん」

 うわー、お店の中はカップルでいっぱい!

「これはどうですか?」
「うん、まあいいかな」
「じゃ、じゃあこれは?」
「うまいんじゃね?」
「・・・黒崎くんはチョコ、いらないんですか?」
「チョコよりも、お前の気持ちこもってるものがほしいよ」

 そうなんですか!バレンタインって難しいです!
 チョコだったらいいってわけじゃないのかあ。
 心がこもってるものって何かなあ。
 うーん・・・

 ちゅっ

「////ば、ばか!おま、こんな人がいるところで!」
「私の心がこもってるっていうのは、これだと伝わるかなって・・・」
「十分伝わったわ!」

 顔真っ赤っかなんだから!もう!黒崎くんったらー!
 そうしたら、黒崎くんが手を差し出してきた。

「ん」

 へ?これって、手をつなごうってこと??
 ちょん、と手を乗せる。
 すると握り返してくれた。
 あたたかいなあ。

「えへへへ」

 これで一石一鳥!




「今日は楽しかったです!」
「そうだな、最初はどうなることかと思ったけどな」
「ご、ごめんなさいっ」
「そういえば、今日は二石の日って言ってたっけ?」
「はい!二石の日です」
「まだ、一石しか、ないんだけどな」
「私もまだ一石しかないんですよー」
「もう一石・・・」

 そういって黒崎くんは私の手を引っ張って・・・

 ちゅーーーーーっ

「んっん、んん」

 深い深いちゅー。

「ぷはっ、これで二石二鳥だろ?」
「はいっ!」
「俺、最初お前と会った時はちょっと遊んでやろうかなってぐらいにしか思ってなかった。
 だけど、俺、お前のこと大切に思ってるから、だから、その・・・」

 肩を強く掴まれる。そして目をじーっと見つめられる。

「大好きだから、ま、ま・・・まりあっ」
「は、はいっっっ!樹くんっ!」

 おっかしいな、バレンタインと二石の日が一変にくると三石三鳥になるのかな?
 でも、私今とってもぽかぽかした気持ちでいっぱいだよ!
 恋ってあったかいんだね!
 バレンタインも悪くないかも!




 ハッピーバレンタイン☆
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