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番外編 ハッピーバレンタイン

加藤みるく

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*加藤みるく 本編 を見ていない方はネタバレ注意です*





「おー、なんだか甘い香りがするな」
「あーっ!お兄ちゃんはこないで!」
「なんでたよ」
「だ、だって明日までのお楽しみにしてほしいんだもん」

 今日は2月13日、土曜日。
 今年はバレンタインが日曜日なので、みるくはしかたなーく、お兄ちゃんがいる日に作らなくちゃいけなくなっちゃった。
 去年までは部活に行ってる間に仕込めたんだけどなあ!
 今年はお兄ちゃん、受験生だから。ってことはバレンタインが土曜日とか日曜日とか平日とか関係なかったのかな、ま、まあ、それはおいとこう!

「えー、待てない!」
「待ってください!」
「じゃあ一緒に作るのは?」
「えー・・・」

 でも一緒に作るのも楽しいかもしれない!
 来年からはお兄ちゃん、なかなか家にいないかもしれないもんね、これはいい機会かも!

「いいよーっ」
「やった!みるくは何作ってたの?」
「チョコケーキ、だよ」
「へー、そうなんだ。俺もケーキ作っていい?」
「へっ?お兄ちゃん作れるの?」
「生クリームどこー?」
「泡立ててくださいっ!」

 お兄ちゃんのぎこちない手つきをみていると、わたわたしてしまう。
 ボウルと泡立て器を取り出して中に液体のクリームを入れる。

「頑張って泡立ててね!」
「はーい」

 みるくはその間にチョコケーキ作っちゃうんだもんね!



「みるくー、できた」
「どれどれーっ」

 みるくはボウルに人差し指を入れてぺろっと舐める。
 うんうん、いい感じ!

「お兄ちゃんお上手です!」

 お兄ちゃんの頭をよしよしとする。
 いつもと立場が逆転して、少し嬉しい。

「みーるくっ」

 ちゅっ

「なっなにっ」
「クリームついてるよ」
「ついてないよ!」

 そういうとお兄ちゃんは作りたてのクリームをみるくの顔につけた。
 それをぺろぺろと舐める。

「やっ、お、お兄ちゃんっ」
「なんだよみるく!あ、そっか!これに入れないといけないのか」

 お兄ちゃんはクリームをしぼり袋に入れ始めた。
 そ、そうなんだけど、たしかにそうなんだけど・・・

「クリームだけ絞っても、スポンジないと、だよ?」
「え、スポンジ?スポンジなら、あるよっ」

 そういってお兄ちゃんはみるくを抱きしめた。

「みるくは、スポンジじゃないもんっ!」

 お兄ちゃんはみるくの抵抗を抑えて、するすると手を下げた。みるくは今日ワンピースを着てたんだけど、うしろのファスナーをじじじーって下げられちゃって、ストン、とワンピースが脱げちゃった。

「お兄ちゃんっ」
「うわあ、みるく。裸エプロンみたいだぞ?」
「ちょっと、やめてよっ!」

 そういってお兄ちゃんはクリームをみるくの背中に絞る。
 それをぺろっと舐める。

「はぅっ」
「このケーキおいしいなあ、もっと食べたいんだけど」
「うー、うぅーー、いいよお?」

 もう、お兄ちゃんのばか!
 明日ケーキ渡せなくなっても知らないんだから!
 お兄ちゃんと手をつないでダイニングルームに向かう。
 お兄ちゃんは真っ白なテーブルクロスをしく。

「さあ、おいしく味わいます!」

 そういってお兄ちゃんはみるくをかるがると抱っこして、テーブルの上に座らせた。

「ラッピングから解きたいと思います!」
「うーぅ、もう!」

 エプロンの紐をしゅるしゅると解いて、パンツやブラを脱がせる。

「こんなところにイチゴがあるなあ」
「ひゃあっ」

 みるくのおっぱいをかぷっとくわえる。
 舌をれろれろさせてくる。

「お兄ちゃんっっ、イチゴだけじゃなくてスポンジもっ」
「食べていいの?」
「どうぞっめしあがれぇっ」

 そう言ってお兄ちゃんはクリームを片手に、みるくのからだにいっぱい絞った。

「そこはっあっ、スポンジじゃないっ」
「ここはなに?」
「えっ、えーっと・・・まんごー?」
「ははは、みるく、いいね。まんごーにもクリームつけちゃうね」

 お兄ちゃんはスポンジだけじゃなくて、まんごーにもクリームをつけた。まんごーにはたくさんつけた。まんごーの中にしぼり袋の先を入れて、力強く絞る。
 いっぱい入ってきて、変な感じがする。

「はぅぅっ、やあ、そこにそんなクリームいれたらっ」
「いいだろ?ここにクリームいれなきゃ、バナナ入らないだろ?」
「大きくて、硬くて、真っ赤なバナナだね?」
「こらこら、うるさいぞ」
「ひゃっ」

 お兄ちゃんはまんごーのなかにバナナを入れてきた。
 舌でスポンジのクリームを舐めながらだったから、どこもかしこもめちゃめちゃにされて、おかしくなっちゃいそうだった。

「どう?バナナはいい?」
「あったかくて、いいよおぉ」
「みるくのまんごーも甘くてあったかくていいよ」
「おにいちゃんっ、しあげに、れんにゅうかけて?」
「わかってるよ!」

 お兄ちゃんの動きが激しくなって、甘いにおいでいっぱいのお部屋がピンク色に見えた。

「みるくのまんごーから、はちみつでてる」
「やだあっ」
「いいよ?イッても」
「んっ、んっ、んっ・・・
 はちみつ、でちゃうぅ」

 ぷしゃあ

「いっぱい出ちゃったね?」
「おにいちゃんも、はやく、れんにゅうっ」
「はいはい!とっておきのトッピングかけちゃう、よっと」

 びゅるるる

 お兄ちゃんのれんにゅうが顔にかかる。
 みるくは顔にかかったのを指でとってぺろっと舐めた。

「おにいちゃんの、れんにゅう、あまいね」
「ありがとう、最高のバレンタインプレゼントだよ」
「やだ、あした、ちゃんと、ケーキあげるのっ」
「じゃあ、明日も、する?」
「ケーキがおいしかったら、ご褒美に、してくれる?」
「いいよ。今日はごちそうさまでした」




 ハッピーバレンタイン☆ 
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