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ひのま

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蓮野 苺 Renno Ichigo 彼氏の家で

第1話

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 私は蓮野苺です。
 今は彼氏の新山周人(にいやましゅうと)くんのお家に来ています。

「ごめん、散らかってるけど」
「ううん、全然だよ!」
「とりあえず適当に座って!」
「うん」

 周人くんのお部屋…
 うう、緊張する。
 男の人の部屋って初めて入るけど、ちゃんと整理整頓されていていいなって思う。
 私はベッドの上ではなく、ベッドを背もたれのようにして床に座った。
 ふわふわとしたラグが気持ちいい。

「ね、苺ちゃん」
「なに?」
「あの、さ」

 周人は私の正面に正座する。
 顔を下げて、膝に拳をつくって、少し声を震わせながら、話し続ける。

「俺ら、今日で付き合って半年だよね」
「うん、そだね」
「だからさ、そのさ」
「ん?」

 周人くんは勢いよく顔を上げて言った。

「セッ………キス、していい?」

 耳まで真っ赤。

「うんっ、いいよ」

 補足しておくと、周人くんはだいぶオクテ。
 だからもっと先を私に求めてくれているのか心配になる。
 私もオクテだからお互い様だけどね。

「苺ちゃん、こっち向いて」
「うん」

 見つめ合うとドキドキする。
 きて早々キス。ってなんか変な感じするけど
 周人くんが感情を抑えられなくなってるのかもと思ったら
 なんだか嬉しかった。
 初めてキスをする、私。
 いつ目をつぶればいいんだろう。
 周人くんも初めてなのかな?

「わたし、その、初めてだから」
「俺もだよ」

 なら、いいかな。
 初めてどうし、不器用な、キスしたい。

「して?」
「うん」

 だんだん周人くんの顔が近づいてきて、

 ちゅっ

 と、微かにリップ音を鳴らしてキスをした。
 柔らかくて、癖になっちゃいそう。

「もう一回したい」
「私も、思ってた」

 周人くんが私の肩に手を乗せる。
 そのときだった。

 ガチャ

「やっほー!」
「うげっ!アニキ!!」

 私はびっくりして、周人くんから距離を置いてしまった。

「ごめ、イイトコロ、邪魔しちゃった?」
「ノックくらいしろよ!俺言ったよね?今日は彼女くるって!」
「ああ、自慢の可愛い彼女がくるって?悪い悪い」
「あ、アニキ!恥ずいからやめろって!」

 2人の会話についていけないけど、なんだかんだいって仲良しなんだろうなって思った。

「あーも!恥ずい!俺、飲み物とお菓子もってくるわ!」

 そう言って周人くんは出て行ってしまった。
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