ひさめんとこ

zausu

文字の大きさ
上 下
9 / 131
1章~ひさめんとこは大家族~

その8

しおりを挟む
和馬お兄ちゃんです。22歳です。和馬お兄ちゃんは…まぁ、はっきり言っちゃいます。バカです。月に1、2回は警察に逮捕(笑)されますがその理由は大体しょーもないです。例えば… 
「和馬お兄ちゃん、今回は何やったの?」
「パトカーのナンバーを“わ”ナンバーに変えてみただけ」
ほら、毎回こんなんです。レンタカーのパトカーってなんなん?(因みにナンバー偽装は犯罪です。言わずもがな)ただ、バカではありますが頭が悪いわけではありません。小学校から大学まで学校一位の成績を取り続けていました。なんなんだアンタ。
「失礼しますっと」
「あれ?大沢さん?」
大沢さんが入ってきました。
「おー、事情聴取担当だ、よろしくな」
「あ、はい。でもさっきは何も…」
「人の記憶容量には限界があるんだよ」
「…そうですか」
警察ってこんなアバウトでいいのか?(この小説はあくまでフィクションです。実際の警察の事を全然知らないまま書いているので現実とは大きく違います)
「ところでなんで和馬に手錠を?」
「なんかまた変なイタズラされたら困るからな」
「そうですか」
「お前たち、お兄ちゃんが手錠を掛けられてんのに少し冷静すぎないか?」
和馬お兄ちゃんが苦笑しながら言いました。
「はい、それではいくつか質問をさせていただきます」
「おっ、仕事モードっぽいね?」
和馬お兄ちゃんが茶化すように言います。
「紫園君、中間テストの出来はどうでしたか?」
「なんだよそれ…」
「冗談だよ、冗談」
「…まぁまぁです」
言いたくないような点数だったわけではない。無いったら無い。
「ま、冗談はこれぐらいにしておいて…」
そこから先は真面目な質問でした。犯行時の事とか、どんなことをされたのかとか。まぁ色々と聞かれました。閑柯お姉ちゃんだけ。これ僕ら要らなかったんじゃね?
「…で、犯人の様態ですが…意識不明の重体だそうです」
「あれ?ちょっとやり過ぎちゃった?」
どんだけやったんだ貴女は。
「多少過剰防衛気味ですが…まぁ正当防衛ってことでいいです」
「え?いいんですか?」
「閑柯ちゃん、一つ良い言葉を教えてあげよう」
「な、何ですか?」
「職権濫よ…」
「中学生になんて事吹き込もうとしてんだオッサン」
和馬お兄ちゃんが大沢さんの口を塞ぎました。
「オッサン…?オッサンとはなんだ!」
「あー?オッサンはオッサンだろーが」
「お前俺と同い年だろうがぁぁ!」
「え!?嘘っ!?」
叫んだのは綾香お姉ちゃん。
「30歳は越えていると思っていたんだが…」
呟いたのは隼輝お兄ちゃん。
「…」(無表情)
とても驚いているのが僕。
「え、ちょっとヘコむんだけど…」
「ほーら、みんなからオッサン扱いじゃん」
「し、閑柯ちゃん…?」
「…」サッ
無言で目をそらしました。
「……」ショボーン
「知ってる?こいつ高校の頃から顔が老けてて背も高かったからあだ名がオッサンになったんだってww」
「止めろぉ!それを言うなぁ!」
もはや涙目です。
「えっ?高校同じだったの?」
「あれっ?言ってなかったっけ?」
「うん」
「お、お前なんかなぁ…お前なんかなぁ…高校の時から…えっと、成績優秀でスポーツ万能で信頼も人望も厚くてなにやらしても天才的で…」
「……で?」(ニヤニヤ)
「非の打ち所がねぇじゃねぇかぁぁぁ!エーミールつまり君はそんな奴なんだなかオメェーはよぉぉぉ!」(泣)
相変わらず愉快な人だ。
~~~~~数分後~~~~~
「あー、気分が落ち着いてきた」
「ところで、なんで俺たち呼んだんですか?事情聴取だったら閑柯だけで十分だったんじゃ?」
「いやー暫くご無沙汰だったから久しぶりに会いたくて」
そんな理由か。
「それじゃあご協力感謝します!」
ビシッと敬礼しながら大沢さんが言います。とてもさっきまで大号泣していた人とは思えない。
「はい、お勤め、お疲れ様です」
こっちも適当な敬礼で返します。(本来は頭を下げるのが正しいのだけれど)
「…和馬、お前の敬礼が左手なのはわざとか…?」
「いやー、アッハッハ」
和馬お兄ちゃんは適当な笑いでごまかします。何だかんだでこの二人は異常に仲が良いんだと思います。
(繰り返し言いますがこの小説の警察は実際のものとは絶対に違います。信じないでください。信じる人居ないと思うけど)
しおりを挟む

処理中です...