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2章~ひさめんとことお隣さん~
その4
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なんやかんやあって、放課後。
「閑柯お姉ちゃん、今日も部活?」
「うん。でも今日は遅くなりそうだから先に帰ってていいよ」
「わかった」
紫園は閑柯の部活が終わるまで校門の前で待っていることがほとんど。でも今回の用に遅くなることがわかっているときは先に帰らせるが。
(疲れた…思ったよりも長くなったな……)
時刻は7時を回っていた。こんな時間の女性の一人歩きはかなり危険だが、彼女はきっと大丈夫だ。
「…何で居るの?」
校門に人影。
「おぉ、やっときたか。この邪王を待たせるとは勇気のある女だな」
たかし…盈虧だ。
「質問に答えてよ。何でいるのって聞いてんの」
「待ちたかったから待っただけだ。何か問題があるか?」
「…別に」
正直に言うと、かなり嬉しかった。こいつには絶対に言いたくないが。
「おい、さっきから何をそんなに怖がっているのだ」
「五月蝿いわね…なんだって良いでしょ?」
ガサッと草が音をたてる。
「ヒッ…」グイッ
「…おい」
「な、何よ…」
「まさかとは思うが…昨日のテレビのホラー特集でも見たか?」
「そ、そんなことどうでも良いでしょ?」
物音は続く。
「うぅ…」
「…」
閑柯は小刻みに震えている。
「…怖いのか」
「何!?怖いものがあったらダメなの!?怖いよ!幽霊すごく怖いよ!」
「…ん」スッ
そっと盈虧は手を差し伸べてきた。
「…え?」
「繋いでやる。感謝しろ」
「……」
「さっさとしろ」
「…」ギュ
なにも言わずに閑柯は手を握った。
「…たかし…?」
「…何だよ」
「…ありがと」
「どーってこと無いって」
二人は手を繋いだまま家路についた。
「閑柯お姉ちゃん、今日も部活?」
「うん。でも今日は遅くなりそうだから先に帰ってていいよ」
「わかった」
紫園は閑柯の部活が終わるまで校門の前で待っていることがほとんど。でも今回の用に遅くなることがわかっているときは先に帰らせるが。
(疲れた…思ったよりも長くなったな……)
時刻は7時を回っていた。こんな時間の女性の一人歩きはかなり危険だが、彼女はきっと大丈夫だ。
「…何で居るの?」
校門に人影。
「おぉ、やっときたか。この邪王を待たせるとは勇気のある女だな」
たかし…盈虧だ。
「質問に答えてよ。何でいるのって聞いてんの」
「待ちたかったから待っただけだ。何か問題があるか?」
「…別に」
正直に言うと、かなり嬉しかった。こいつには絶対に言いたくないが。
「おい、さっきから何をそんなに怖がっているのだ」
「五月蝿いわね…なんだって良いでしょ?」
ガサッと草が音をたてる。
「ヒッ…」グイッ
「…おい」
「な、何よ…」
「まさかとは思うが…昨日のテレビのホラー特集でも見たか?」
「そ、そんなことどうでも良いでしょ?」
物音は続く。
「うぅ…」
「…」
閑柯は小刻みに震えている。
「…怖いのか」
「何!?怖いものがあったらダメなの!?怖いよ!幽霊すごく怖いよ!」
「…ん」スッ
そっと盈虧は手を差し伸べてきた。
「…え?」
「繋いでやる。感謝しろ」
「……」
「さっさとしろ」
「…」ギュ
なにも言わずに閑柯は手を握った。
「…たかし…?」
「…何だよ」
「…ありがと」
「どーってこと無いって」
二人は手を繋いだまま家路についた。
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