ひさめんとこ

zausu

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8章 ~旧友~

その10

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萌のマンションの屋上
「…あの」
林ちゃん(5章)が和馬に尋ねる。
「何?」
「突然呼び出してなんですか?仕事の途中なんですけど…」
「仕事の方は母さんがやってるから大丈夫だよ」
「…はぁ…そうですか…なんか自分の仕事、ほとんど穂香さんがやってる気がする…」
「まぁまぁ気にしないで」
「…で、こんなマンションの屋上で何の用ですか?」
「実はさ…」
説明中…
「…と、いうわけ。わかった?」
「はい…わかりました…でもなんで屋上なんですか?それに弓待ってこいって…」
「えっと…那由多ちゃんの部屋は…あったあった。あそこを狙ってほしい。出来るかな?」
双眼鏡を覗きながら言った。
「え、いや、まさか矢文ですか?。電話すれば良いと思うんですけど…。っていうか俺から見るとなにもわからないんですけど」
「それがさー、電話線切られてるみたいで通じないんだよ。じゃあもうあとは矢文ぐらいしかないでしょ。伝書鳩はいまいち上手く行かなかったし。それに元弓道部でしょ?と、言うわけで、はいこれ。吸盤の矢文」
「試したんですか伝書鳩…この距離はきついですよ…窓、ほぼ豆みたいじゃないですか…」
「大丈夫大丈夫行ける行ける」
「…はぁ…外しても文句は言わないでくださいね…?」

(…眠たい…)
しかし眠れない。眠ってしまった瞬間に襲われてしまうのではないか、と言う不安があるからだ。
ドアの前には相変わらず人の気配がある。時おりドアを叩く。耳を塞いでも聞こえてくるその音に苛立つ。
「…もう…諦めようかな…」
あれほどの人数がいると、助けに来る所か近づくことすら難しいだろう。
もう全てを諦めて…
バンッ
窓から突然音がした。
まさか窓からも?と、一瞬思ったがよく考えたら自分の住んでいるマンションにはベランダがなかった。舞◯術でも使えない限り窓からは侵入できないはず。
(じゃあ何の音?)
窓を確認すると、
(…矢?)
とりあえず回収。
よく見ると手紙がついている。
“少しの間窓を開けといて。よろしく、那由多ちゃん        和馬”
(和馬…さん…?)
知り合いからの手紙に安心感が一気にあふれでた。もしかしたら助けてもらえるかもしれない。そんな期待を胸に、窓を開けた。

「おー、窓、開いた開いた。成功だ」
「そうですか…良かったです…」
「ずいぶん疲れてるねー」
「そりゃあそうですよ…滅茶苦茶神経使うんですから…」
「あはは、まぁありがとう。仕事に戻っても良いよ」
「はい、お疲れ様でした」
「うん、お疲れ」
林ちゃんは去っていった。
「…さてと」
「…ここからが本番…かな」

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