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8章 ~旧友~
その12
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の に、 は
小さい頃、よく母親に絵本を読んでもらった。
「…そうしてじめんに落ちてしまったお星さまはがんばってお空の上に帰ることが出来ました。めでたしめでたし」
「わぁ…すごい!なぁなぁ!ウチもお星さまみたいになれる?」
「そうねぇ…わからないわ」
「えー?」
「でもね、一つだけ、教えてあげる」
「なになに?」
「どんなに失敗して回りの人から嫌われちゃっても、頑張ればきっとまた皆と仲良くできるってことよ。お星さまがお空に帰れたみたいにね。さぁ。今日はもう寝なさい」
「はーい!」
小学校一年。
自分で言うのはちょっとアレだが、ウチは天才だった。
「愛美路ちゃん、すごいわ!またクラスで一番よ!」
担任の先生からかけられる言葉。もう何回聞いたかも覚えていない。
「凄いよ愛美路ちゃん!」
「なんでそんなに頭良いの?」
なんで?
答えは決まっている。私がお星さまだから。お星さまはいつも皆の上で輝いていなくてはいけない。
だから、ウチは努力し続けた。
輝き続けるために、
地面に落ちないように。
の に、 は無い
小学二年生になったウチは驕っていた。
多少手を抜いても大丈夫、そんな考えが、ウチをどん底へと…
「すごいわ!小島さん!今回はあなたが一番よ!」
テストの結果で、はじめて負けた。
「すごいよ小島さん!」
「どれくらい勉強したの?」
「えへへ…そんなにすごくないよ…」
「いやいや!遠慮しないで!」
「だって…」
あの愛美路さんに勝ったんだから。
あぁ、イライラする。
目の前にウチがいるのに。
そんなにウチが負けたのが嬉しい?
そんなに楽しい?
ウチの に、 は無い
それから、必死に努力した。負けないように。またあの空に帰るために。
しかし、小島さんに勝てることはなかった。
最初は小島さんが自分以上の努力をしているのだろうと思っていた。
しかし、どんなに努力しても彼女に追い付けることはない。
「…」
イライラする。
ウチは星なのに、なんで?
なんであいつはウチより上にいるの!?
星…?
あぁ、そうだ。思い出した。
「小島さん」
ウチは、星なんだ。
「え?なに?愛美路さん」
帰らなきゃ。
「ちょっと話したいことがあるんやけど、ちょっと中休み、付き合ってくれへん?」
あの空へ、帰らなきゃ。
ウチの空に、 はない
何度めだろうか。もう忘れてしまった。小島はもうウチに逆らう素振りすら見せない。
「…」
ただなにも言わずにウチの攻撃を受けている。
「…」
もうこれで、こいつが一番を取ることはないだろう。
これでようやく、空へ帰れる。
そう思って、
ふと、自分の手を見た。
何時付いたのか、血がついていた。
その血に濡れた手を見て、
唐突に悟った。
『もうあの空へは帰れない』
と。
「…」
もう二度とあのときの輝きを取り返す事はできない。
この血に濡れた、汚れた体では、放つ輝きは濁って醜くなるだろう。
ウチはもう、あの空へは帰れない。
もう二度と、
帰れないを
二度と
二度と…
「………ハハ」
知 っ た こ と か
ウチの空に、星はない
いつの間にか、空に帰るというのはただの口実になっていた。
ただ、気持ちがよかった。
姦しい口が黙るのが、
丸い目が虚ろになるのが。
ただ、それがひたすらに快感で、気持ちがよくて。
止められなくなっていた。
気がつけばウチの標的は見境なしになっていた。
誰も彼もを呼び出しては壊していた。もちろん先生にはばれないように、
そんなことを繰り返している内に、
ウチに逆らうやつは誰一人居なくなった。
あぁ、なんだ。
やっぱり…
ウチが一番じゃないか
ウチの空に、星はない?
違う、ウチが星だ。
小さい頃、よく母親に絵本を読んでもらった。
「…そうしてじめんに落ちてしまったお星さまはがんばってお空の上に帰ることが出来ました。めでたしめでたし」
「わぁ…すごい!なぁなぁ!ウチもお星さまみたいになれる?」
「そうねぇ…わからないわ」
「えー?」
「でもね、一つだけ、教えてあげる」
「なになに?」
「どんなに失敗して回りの人から嫌われちゃっても、頑張ればきっとまた皆と仲良くできるってことよ。お星さまがお空に帰れたみたいにね。さぁ。今日はもう寝なさい」
「はーい!」
小学校一年。
自分で言うのはちょっとアレだが、ウチは天才だった。
「愛美路ちゃん、すごいわ!またクラスで一番よ!」
担任の先生からかけられる言葉。もう何回聞いたかも覚えていない。
「凄いよ愛美路ちゃん!」
「なんでそんなに頭良いの?」
なんで?
答えは決まっている。私がお星さまだから。お星さまはいつも皆の上で輝いていなくてはいけない。
だから、ウチは努力し続けた。
輝き続けるために、
地面に落ちないように。
の に、 は無い
小学二年生になったウチは驕っていた。
多少手を抜いても大丈夫、そんな考えが、ウチをどん底へと…
「すごいわ!小島さん!今回はあなたが一番よ!」
テストの結果で、はじめて負けた。
「すごいよ小島さん!」
「どれくらい勉強したの?」
「えへへ…そんなにすごくないよ…」
「いやいや!遠慮しないで!」
「だって…」
あの愛美路さんに勝ったんだから。
あぁ、イライラする。
目の前にウチがいるのに。
そんなにウチが負けたのが嬉しい?
そんなに楽しい?
ウチの に、 は無い
それから、必死に努力した。負けないように。またあの空に帰るために。
しかし、小島さんに勝てることはなかった。
最初は小島さんが自分以上の努力をしているのだろうと思っていた。
しかし、どんなに努力しても彼女に追い付けることはない。
「…」
イライラする。
ウチは星なのに、なんで?
なんであいつはウチより上にいるの!?
星…?
あぁ、そうだ。思い出した。
「小島さん」
ウチは、星なんだ。
「え?なに?愛美路さん」
帰らなきゃ。
「ちょっと話したいことがあるんやけど、ちょっと中休み、付き合ってくれへん?」
あの空へ、帰らなきゃ。
ウチの空に、 はない
何度めだろうか。もう忘れてしまった。小島はもうウチに逆らう素振りすら見せない。
「…」
ただなにも言わずにウチの攻撃を受けている。
「…」
もうこれで、こいつが一番を取ることはないだろう。
これでようやく、空へ帰れる。
そう思って、
ふと、自分の手を見た。
何時付いたのか、血がついていた。
その血に濡れた手を見て、
唐突に悟った。
『もうあの空へは帰れない』
と。
「…」
もう二度とあのときの輝きを取り返す事はできない。
この血に濡れた、汚れた体では、放つ輝きは濁って醜くなるだろう。
ウチはもう、あの空へは帰れない。
もう二度と、
帰れないを
二度と
二度と…
「………ハハ」
知 っ た こ と か
ウチの空に、星はない
いつの間にか、空に帰るというのはただの口実になっていた。
ただ、気持ちがよかった。
姦しい口が黙るのが、
丸い目が虚ろになるのが。
ただ、それがひたすらに快感で、気持ちがよくて。
止められなくなっていた。
気がつけばウチの標的は見境なしになっていた。
誰も彼もを呼び出しては壊していた。もちろん先生にはばれないように、
そんなことを繰り返している内に、
ウチに逆らうやつは誰一人居なくなった。
あぁ、なんだ。
やっぱり…
ウチが一番じゃないか
ウチの空に、星はない?
違う、ウチが星だ。
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