ひさめんとこ

zausu

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10章 ~ひさめんとこの来客~

その7

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prrrr…prrrr…
「誰のだ?」
「あ、はい。私のです。もしもし?」
『菊地…』
「なんだ、姉御ですか」
『王子の電話番号と住所かいた紙がなくなっとるんやけど…』
「なんで私に聞くんですか?」
『いや、まさかとは思うけどな?盗んだとか…そういうわけやあらへんよな?』
「……………さぁどうでしょうね」 
『…なんや今の間は』
「…………なんでもないですよ」
『まさかお前…』
「…」
『はっきり口に出して言いや!!盗んだのか!?盗んでないのか!?』
「バカですか?姉御はバカなんですか?口に出して言えないから心の中で必死に唱えてるんですよ」
『やっぱりお前か!』
「そう、すべて私がやりました。反省はしてません」
『ふざけんな!』
「…」
『大体お前はいつもマイペースすぎるんや!回りの事も考えて行動して…』
「もしもし?なんか突然渡されたんだが…なんだ?」
『なんでもないです!王子!』
「そ、そうか。じゃあ、切るぞ?」
『はいっ!』
電話を切った。
「これで万事オッケーです」
「どこがじゃ」

「先生ー、何やってんの?」
「おお和馬か。突然バカ息子共が来てのぅ」
「え~、先生の息子さんみてみたい~」
「…あ?」
「オッサン?」
「実さん?」
「を?お前大沢か?」
「はい」
「なんじゃ、二人は知り合いか?」
「塾の講師だった人です」
「おー、そんな時代もあったか」
「えぇ、ずっと昔ですけどね」
「あぁ、お前と確か…拓実とか言うやつもいたよな」
「はい。居ました」
「懐かしいな…講師の立場利用して自習にして遊びにいったり抜き打ちテストして生徒の反応を楽しんだり…」
「もしかしなくても職権乱用こいつらに叩き込んだのお前か」
「あ?勝手にこいつらが覚えたんだよ。俺の姿みてな。先生からものを学ぶのは率先せい。ってな☆」
「………」
気温が下がった。




    
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