あの約束を、もう一度

夕凪

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第一章

焼きそばパン

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智也の席に集まり3人で昼食を食べる。



智也は弁当、雄大は俺と同じでコンビニで買った総菜パンを頬張っている。



「宿泊訓練ガチでめんどくせーよな」



急に雄大が言い出す。



「宿泊訓練?」



普通宿泊訓練は1年生の時にあるものだと思っていた。



現に、俺は前の学校で1年生の時に行っている。



「先生から聞いてないのか?うちの学校は2年に宿泊訓練があるんだ」



智也が言う。



「昔は他の学校と同じように1年生が対象だったらしいが、10年くらい前から2年生に引き上げられたんだとよ」



焼きそばパンをもぐもぐしながら雄大が補足する。



「俺、前の学校で1年の時に行ったから行きたくないんだけど・・・」



「それはそれ、これはこれだ。お前も絶対来いよ」



「ほーい」



まあ、当日腹が痛いとか頭が痛いとか言って適当にドタキャンぶっこいてやろう。



「ちなみに」



智也だ。



「入院レベルじゃないと休むことはできない。もし休んだ場合は・・・」



「・・・休んだ場合は?」



唾を飲み込む。



「作文用紙5枚の反省文と、毎日放課後返上で2時間の補講を1ヶ月受けないといけない」



いやいや、学校側も気合い入れすぎだろ!



「それっていつあんの?」



「2週間後だ」



もうそんなに時間ないじゃねぇか!



今日の放課後栗林のところに行って聞いてみよう。



「あ、この際連絡先交換しとこうぜ!」



雄大がそう言い、スマホのアプリを起動する。



俺もスマホを手に取り、連絡先を交換した。



「・・・俺にも教えてくれ」



智也が目を反らしながら言う。



「お前から連絡先を聞くなんて珍しいな」



雄大がからかう。



「う、うるせーんだよ!」



真っ赤になって食いつく智也。



「と、とりあえず交換しようか」



その場を収める。



連絡先を交換したその時、昼食が終わったであろう諒太が教室に入ってくる。



「あ、諒太おかえり」



「・・・ただいま」



智也を睨む諒太。



智也も睨み返す。



・・・この2人、もしかして仲悪いのか?



雄大はどうかとちらりと見てみると、紙パックのジュースを飲みながらスマホを触っていた。



恐らく2人だけの問題のようだ。



そうこうしているうちに諒太は自分の席に行ってしまった。



「・・・智也?」



声をかける。



「なんだ?」



諒太となにかあったのか聞いてみようと思ったが、恐らく今の状況では適当にあしらわれるだけだろう。



「・・・いや、なんでもない」



今はやめておこう。



黒板の上にある時計を見ると、昼休みはあと10分だ。



トイレに行っとこう。



連絡先ありがとう、と軽く2人に声をかけ、トイレに向かう。



用を足し、手を洗っていると諒太が入ってきた。



「今日は学食でなに食べた?」



手を洗いながら視線を送ることなく声をかける。



「・・・・・・」



返事がない。



なんとなく返事をしないであろうことは想像できていた。



キュッと水道の蛇口を締める。



「あのさあ、無視すんのやめ───」



そう言いながら振り返る。



「ろ・・・よ・・・?」



すぐ真後ろに諒太がいた。



諒太の怒った顔は見たことがないが、恐らく怒っているのだろう。



少しずつ間合いを詰めてくる諒太。



「・・・な、なんだよ」



ドンッとタイルでできた壁に押さえつけられ、諒太の顔が近付いてくる。



「・・・お、おい、やめろって」



「・・・お前のツレは俺一人だけでいいんだよ」



諒太は俺の耳元で低くそう囁き、俺から離れる。



何が起こったか理解が追い付かずただ目を見つめていると、諒太はいつもの笑顔に戻り、



「もう授業始まるぞ」



そう言って俺の頭を乱暴に一撫でし、トイレから出て行った。


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