あの約束を、もう一度

夕凪

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第二章

雨と土の匂い

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次の日。



朝飯が終わった俺達はプレイホールに移動した。



観音寺高校2年生全員がそこに集まり、朝礼が始まった。



2日目の今日は、丸1日近くにある森林公園でのボランティア活動に充てられている。



ゴミ拾いをしたり、草むしりなどをして自然と触れ合うというのが狙いらしい。



現地で食べる昼飯は施設から支給されたおむすびだそうだ。



朝礼が終わり、俺達はぞろぞろとエントランスホールを抜け、外に出て公園へと向かう。



俺は外に出るや否や空を見上げた。



───曇り空だ。



「昨日の夜はあんなに月が綺麗に見えたのにな」



いつの間に俺の隣に立ったのか、智也も同じように空を見上げて言う。



「山の天気は変わりやすいってのはほんとだったんだな」



俺は智也にそう言って、前を歩いているやつらについて行くように歩き出した。



まるで森を無理矢理切り開いて出来たようなぬかるんだ道を進む。



もちろんコンクリートなどで舗装はされていないため歩きにくい。



目的地に着くまでに体力を奪われてしまいそうだ。



森林公園には20分ほどで到着した。



想像していたよりもかなり広い公園だ。



施設からここまで来る道のりもそうだったが、森林公園と言うだけあって公園の周りは深い森で覆われている。



「今から13時までグループで活動するように。13時になったら各グループ2時間の休憩を取れ。休憩が終わったら再開して終了予定時間は17時だ。それじゃあ始めてくれ」



栗林が5組全員に聞こえるように大声でスタートの合図を切る。



それ共に集まっていたクラスメイトが四方に散らばる。



ふと潤を見ると、ここに来るまでにかなり体力を消耗したようだ。



かなりぐったりしている。



潤は見た目の通り、あまり体力がある方ではない。



声をかけようと思ったが、俺は潤の元には行かずに智也の元へと足を向けた。



「なあ智也。潤のところに行って面倒見てあげてくれないか?・・・あいつかなりへばってるみたいだからさ。頼んだよ」



「・・・ああ、わかった」



智也は少し間を開けて俺に返事をしてから潤の元に向かった。



一人になった俺はぐるりと辺りを見渡す。



栗林はグループで動くようにと言ってたが、みんなそれぞれ普段からつるんでいるやつと一緒に活動をしているようだ。



雄大はソフトボール部のやつと一緒に草むしりをしていた。



諒太は大勢の女子に囲まれながらゴミ拾いをしている。



俺は誰もまだ手を付けていないところのゴミ拾いをすることにした。



「この辺でいいかな」



みんながいるところから少し離れてしまったが、大丈夫だろう。



周りを見渡す。



意外とゴミが落ちている。



確か、この公園は一般開放もされているらしい。



ゴミの種類や散らかり方から、バーベキューなどをしたやつがゴミをそのまま放って帰っているように見えた。



「・・・ったく、自分が出したゴミくらい持って帰んなよ」



一人でぶつぶつ言いながらゴミを大きいゴミ袋の中に放り込んでいく。



・・・潤は大丈夫だろうか。



ゴミを拾いながらそんなことを考える。



十中八九、潤は智也のことが好きなんだと思う。



昨日の夜、諒太と一緒に俺達を探しに来ていた潤を見たとき、それは確信に変わった。



・・・智也は潤のことをどう思っているのだろうか。



───潤なら智也の心の傷を癒してくれるだろう。



「あれ?いつの間にこんなところに・・・」



気が付くと俺は元居た場所からかなり離れたところまで移動していた。



ゴミ袋には半分以上ゴミが入っていた。



腕時計をみると12時55分だ。



俺はそろそろ戻ろうと思い歩き出す。



ふと首元を触る。



「・・・あれ?」



───ない。



ネックレスが───ない!



俺は持っていたゴミ袋を放り投げてあるはずもないポケットの中を探る。



きっとゴミ拾いしている途中にどこかで外れたんだ!



俺は地面に這いつくばってそこら中を探す。



地面にぽつぽつと、染みが現れてきた。



───雨だ。



俺は構わずにネックレスを探し続けた。


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