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第二章
賑やかな医務室[智也編]
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4人そろって医務室のドアの前に立つ。
俺はドアノブを回し、ゆっくりとドアを開く。
龍はベッドの上で本を読んでいた。
視線を本から俺達に移す。
「お前ら・・・」
そう言いながら驚いたような顔をする龍。
「見舞いに来たぞ」
三宅はベッドに近づく。
俺達も三宅に倣う。
「・・・諒太、さっきはありがとう。お前らも・・・心配かけてごめん」
そう言って頭を下げた。
「この大バカ野郎!ほんとに心配したんだからな!」
雄大はベッドの上で起き上がっている龍に抱きついた。
「・・・雄大。ほんとにごめんな」
静かにそう言いながら雄大の頭を優しく撫でる龍。
短い髪を撫でる色の白い細くて長い綺麗な指には絆創膏が貼ってあった。
「龍ちゃん、指大丈夫なの?」
潤は龍の指をそっと撫でながら心配した顔を見せる。
「ああ、大丈夫だよ。潤はもう体調は大丈夫か?ボランティアの時はだいぶ参ってたみたいだけど」
今の状況では心配されるのは龍なのに、潤の心配をしている。
「加藤くんが一緒にいてくれたし、僕はもう全然大丈夫だよ!」
「・・・そっか」
微笑みながら潤にそう言い、その笑みのまま俺に顔を向ける。
「智也も・・・。心配かけてごめんな」
「お前が無事に帰って来てくれて良かった。指、怪我してるのに夕食も用意してくれたんだな」
龍の柔らかい髪を撫でる。
「・・・あれはお前らに心配かけたから、とりあえず罪滅ぼししただけ」
「卵焼き・・・うまかった。元気になってからまたなにか作ってくれ。お前のカレーがまた食べたい」
俺は他のやつらがいるのを忘れてつい本音を言ってしまった。
「カレーだけじゃなくて、お前が好きなもん作ってやるよ」
いつもの調子で龍は言う。
「じゃあ俺親子丼が食いたい!あ、でもハンバーグも捨てがたいな・・・」
「なんでお前がリクエストするんだよ。龍は俺に言ったんだろうが!」
雄大につっこむ。
「じゃあ俺は肉じゃがにしてもらおうかな」
三宅もお構いなしに龍にリクエストしていた。
「わかったわかった。いっぺんには無理だけど、順番に作ってやるからケンカするな」
龍はそんな俺達を笑いながらなだめた。
その時、ドアが大きな音を立てて開いた。
「龍ちゃーーーん!!!」
矢野が勢いよく部屋に飛び込んできたのだ。
続いて矢野のグループの女子がぞろぞろと入ってくる。
「龍ちゃんのバカバカバカバカ!アタシ超心配してたんだからぁ!」
龍に抱きついていた雄大を片手で跳ねのけ、今度は矢野が龍に抱きつく。
「美奈子ちゃん・・・く、苦しい・・・」
感情のあまり首に巻き付けた腕に力が入っていたのだろう。
龍は首に青筋を立てていた。
「ちょ、ちょっと美奈子!龍ちゃん死んじゃう!」
女子の声で我に返った矢野は龍の首から腕を解いた。
「ご、ごめん!嬉しさのあまり力が入っちゃってたみたい・・・」
「だ、大丈夫だ・・・。美奈子ちゃん達も心配かけてごめんな」
龍はぜえぜえ言いながら矢野に礼を言う。
「さ、ここからは女子会の時間だからあんた達はご退場だよぉ」
いつもの口調に戻った矢野は急にとんでもないことを言い出した。
一緒に来ていた女子は、誰の許可を取るでもなくテーブルにお菓子とジュースを並べている。
「ふざけんな!俺達も今来たとこなんだよ!」
雄大が矢野に歯向かう。
「じょ、女子会って俺男なんだけど・・・」
龍も呆れたように異論を唱えた。
「龍ちゃんからはオスのニオイを全く感じないから半分女みたいなもんだと思うのぉ。だからアタシ達と無事に帰ってこれたお祝いしようよぉ」
俺は妙に納得してしまった。
「ってことであんた達は汚れた体を温泉で綺麗にしてきなよぉ」
───俺達4人は有無を言わさずケバい女子軍団に医務室から放り出されてしまった。
女はいつの時代も強い。
・・・龍の顔も見れたしことだし、また手料理を作ってくれる約束もしたし良しとしておこう。
俺達は諦めて温泉に行くことにした。
俺はドアノブを回し、ゆっくりとドアを開く。
龍はベッドの上で本を読んでいた。
視線を本から俺達に移す。
「お前ら・・・」
そう言いながら驚いたような顔をする龍。
「見舞いに来たぞ」
三宅はベッドに近づく。
俺達も三宅に倣う。
「・・・諒太、さっきはありがとう。お前らも・・・心配かけてごめん」
そう言って頭を下げた。
「この大バカ野郎!ほんとに心配したんだからな!」
雄大はベッドの上で起き上がっている龍に抱きついた。
「・・・雄大。ほんとにごめんな」
静かにそう言いながら雄大の頭を優しく撫でる龍。
短い髪を撫でる色の白い細くて長い綺麗な指には絆創膏が貼ってあった。
「龍ちゃん、指大丈夫なの?」
潤は龍の指をそっと撫でながら心配した顔を見せる。
「ああ、大丈夫だよ。潤はもう体調は大丈夫か?ボランティアの時はだいぶ参ってたみたいだけど」
今の状況では心配されるのは龍なのに、潤の心配をしている。
「加藤くんが一緒にいてくれたし、僕はもう全然大丈夫だよ!」
「・・・そっか」
微笑みながら潤にそう言い、その笑みのまま俺に顔を向ける。
「智也も・・・。心配かけてごめんな」
「お前が無事に帰って来てくれて良かった。指、怪我してるのに夕食も用意してくれたんだな」
龍の柔らかい髪を撫でる。
「・・・あれはお前らに心配かけたから、とりあえず罪滅ぼししただけ」
「卵焼き・・・うまかった。元気になってからまたなにか作ってくれ。お前のカレーがまた食べたい」
俺は他のやつらがいるのを忘れてつい本音を言ってしまった。
「カレーだけじゃなくて、お前が好きなもん作ってやるよ」
いつもの調子で龍は言う。
「じゃあ俺親子丼が食いたい!あ、でもハンバーグも捨てがたいな・・・」
「なんでお前がリクエストするんだよ。龍は俺に言ったんだろうが!」
雄大につっこむ。
「じゃあ俺は肉じゃがにしてもらおうかな」
三宅もお構いなしに龍にリクエストしていた。
「わかったわかった。いっぺんには無理だけど、順番に作ってやるからケンカするな」
龍はそんな俺達を笑いながらなだめた。
その時、ドアが大きな音を立てて開いた。
「龍ちゃーーーん!!!」
矢野が勢いよく部屋に飛び込んできたのだ。
続いて矢野のグループの女子がぞろぞろと入ってくる。
「龍ちゃんのバカバカバカバカ!アタシ超心配してたんだからぁ!」
龍に抱きついていた雄大を片手で跳ねのけ、今度は矢野が龍に抱きつく。
「美奈子ちゃん・・・く、苦しい・・・」
感情のあまり首に巻き付けた腕に力が入っていたのだろう。
龍は首に青筋を立てていた。
「ちょ、ちょっと美奈子!龍ちゃん死んじゃう!」
女子の声で我に返った矢野は龍の首から腕を解いた。
「ご、ごめん!嬉しさのあまり力が入っちゃってたみたい・・・」
「だ、大丈夫だ・・・。美奈子ちゃん達も心配かけてごめんな」
龍はぜえぜえ言いながら矢野に礼を言う。
「さ、ここからは女子会の時間だからあんた達はご退場だよぉ」
いつもの口調に戻った矢野は急にとんでもないことを言い出した。
一緒に来ていた女子は、誰の許可を取るでもなくテーブルにお菓子とジュースを並べている。
「ふざけんな!俺達も今来たとこなんだよ!」
雄大が矢野に歯向かう。
「じょ、女子会って俺男なんだけど・・・」
龍も呆れたように異論を唱えた。
「龍ちゃんからはオスのニオイを全く感じないから半分女みたいなもんだと思うのぉ。だからアタシ達と無事に帰ってこれたお祝いしようよぉ」
俺は妙に納得してしまった。
「ってことであんた達は汚れた体を温泉で綺麗にしてきなよぉ」
───俺達4人は有無を言わさずケバい女子軍団に医務室から放り出されてしまった。
女はいつの時代も強い。
・・・龍の顔も見れたしことだし、また手料理を作ってくれる約束もしたし良しとしておこう。
俺達は諦めて温泉に行くことにした。
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