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第三章
3つの影踏む帰り道
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───1週間後の金曜日。
今日は宿泊訓練で同じグループだったやつらが俺の家に遊びに来る。
潤は明日の朝から用事があるらしいから泊まらずに帰るが、それ以外のやつらは泊まることになっている。
雄大と智也は部活があるから、終わった後にそのまま直接俺の家に来る。
残りの2人を引き連れて俺は自宅に向かって歩いていた。
「龍ちゃんの家に行くの初めてだから楽しみだなー!」
潤がスキップしながら言う。
「そんな期待されても困るよ。なにもない普通の一軒家だから」
「一軒家だとマンションと違って気を遣わなくていいよね。僕マンションに住んでるから羨ましいよー。三宅くんは龍ちゃんちに行ったことないの?」
そう言ってさっきから黙っている三宅に話を振る。
「俺も今日が初めてだから楽しみだ。親父さんにも挨拶したかったんだけどな」
そう言えば諒太は俺が転校して来た当時、やたらと俺の家に来たがっていたのを思い出した。
どういうわけか最近は全くそんなことを言わなくなっていたが。
「・・・挨拶なんてしなくていいよ。冴えない普通のおっさんだし」
父親の顔を思い浮かべながら淡々と答えた。
「龍ちゃんはお父さんとお母さんどっちに似てるの?」
潤が無邪気に聞いてくる。
「うーん。よくわかんないけど親戚には母親似って言われてたかな」
「そうなんだ!龍ちゃんのお父さんに会えないのは残念だけど、お母さんに会えるのは楽しみだなー!」
そうだった。
智也以外には俺が父子家庭だってこと言ってなかったのだ。
「俺んちには父親しかいないよ。俺が中学生の時に離婚したんだ」
「あ・・・。ご、ごめん。変な事言っちゃって」
潤は申し訳なさそうに言った。
諒太はなぜか納得したような表情を見せていた。
諒太に母親のことを言っていただろうか?
「大丈夫大丈夫。気にすんなって。・・・それに、俺の両親に会いたいって言ってくれて嬉しいよ」
俺はすっかり元気が無くなってしまった潤の肩をぽんっと叩いた。
「・・・龍ちゃん」
「さ、もうすぐ着くよ」
友達と話しながら帰って来ると、いつもより早く家に着いたような気がした。
実際にはかかった時間はそんなに変わらないのだが。
鞄からキーケースを取り出し、鍵穴に差し込む。
「はい、どうぞ」
「ありがとう!お邪魔しまーす!」
「お邪魔します」
2人で声を揃えて俺の家に上がる諒太と潤。
「うわー、広くて綺麗な家だね!」
リビングに入った潤は大きな声で言った。
「龍の匂いがする」
そう言ったのは諒太だ。
「当たり前だろ。俺んちなんだから」
「・・・あ、ああ。そうだな」
俺はクスッと笑い、冷蔵庫の中を確認する。
「今日は肉じゃがと親子丼にしようかと思うんだけどどう?」
「肉じゃが?」
驚いたように言う諒太。
「・・・あれ?違ってた?」
「いや、その通りだけど・・・。1回しか言ってないのに覚えてくれてたんだな」
諒太は嬉しそうに言った。
「俺、こういうことは記憶力がいいんだ。親子丼は雄大のリクエストな」
「どっちも大好きだから楽しみだよ!・・・なにか手伝えることある?」
潤は相変わらず気が利く。
「ううん。大丈夫だ。2人とも俺の部屋で休んでて」
俺はそう言って2人を2階へ案内する。
「・・・あ、そうだ。潤、智也達から連絡が来たら近くまで迎えに行って欲しいんだけど。あいつらも俺んち来るの初めてだからさ、場所わからないと思うんだ」
部屋を出る前に潤に声をかけた。
潤のために、少しでも智也と関われる機会を作ってやりたい。
「わかった!」
笑顔で元気よく返事をする潤が恋する乙女のようで微笑ましくなった。
「頼んだよ。・・・なんかあったらキッチンにいるから声かけて」
そう言って静かにドアを閉めた。
今日は宿泊訓練で同じグループだったやつらが俺の家に遊びに来る。
潤は明日の朝から用事があるらしいから泊まらずに帰るが、それ以外のやつらは泊まることになっている。
雄大と智也は部活があるから、終わった後にそのまま直接俺の家に来る。
残りの2人を引き連れて俺は自宅に向かって歩いていた。
「龍ちゃんの家に行くの初めてだから楽しみだなー!」
潤がスキップしながら言う。
「そんな期待されても困るよ。なにもない普通の一軒家だから」
「一軒家だとマンションと違って気を遣わなくていいよね。僕マンションに住んでるから羨ましいよー。三宅くんは龍ちゃんちに行ったことないの?」
そう言ってさっきから黙っている三宅に話を振る。
「俺も今日が初めてだから楽しみだ。親父さんにも挨拶したかったんだけどな」
そう言えば諒太は俺が転校して来た当時、やたらと俺の家に来たがっていたのを思い出した。
どういうわけか最近は全くそんなことを言わなくなっていたが。
「・・・挨拶なんてしなくていいよ。冴えない普通のおっさんだし」
父親の顔を思い浮かべながら淡々と答えた。
「龍ちゃんはお父さんとお母さんどっちに似てるの?」
潤が無邪気に聞いてくる。
「うーん。よくわかんないけど親戚には母親似って言われてたかな」
「そうなんだ!龍ちゃんのお父さんに会えないのは残念だけど、お母さんに会えるのは楽しみだなー!」
そうだった。
智也以外には俺が父子家庭だってこと言ってなかったのだ。
「俺んちには父親しかいないよ。俺が中学生の時に離婚したんだ」
「あ・・・。ご、ごめん。変な事言っちゃって」
潤は申し訳なさそうに言った。
諒太はなぜか納得したような表情を見せていた。
諒太に母親のことを言っていただろうか?
「大丈夫大丈夫。気にすんなって。・・・それに、俺の両親に会いたいって言ってくれて嬉しいよ」
俺はすっかり元気が無くなってしまった潤の肩をぽんっと叩いた。
「・・・龍ちゃん」
「さ、もうすぐ着くよ」
友達と話しながら帰って来ると、いつもより早く家に着いたような気がした。
実際にはかかった時間はそんなに変わらないのだが。
鞄からキーケースを取り出し、鍵穴に差し込む。
「はい、どうぞ」
「ありがとう!お邪魔しまーす!」
「お邪魔します」
2人で声を揃えて俺の家に上がる諒太と潤。
「うわー、広くて綺麗な家だね!」
リビングに入った潤は大きな声で言った。
「龍の匂いがする」
そう言ったのは諒太だ。
「当たり前だろ。俺んちなんだから」
「・・・あ、ああ。そうだな」
俺はクスッと笑い、冷蔵庫の中を確認する。
「今日は肉じゃがと親子丼にしようかと思うんだけどどう?」
「肉じゃが?」
驚いたように言う諒太。
「・・・あれ?違ってた?」
「いや、その通りだけど・・・。1回しか言ってないのに覚えてくれてたんだな」
諒太は嬉しそうに言った。
「俺、こういうことは記憶力がいいんだ。親子丼は雄大のリクエストな」
「どっちも大好きだから楽しみだよ!・・・なにか手伝えることある?」
潤は相変わらず気が利く。
「ううん。大丈夫だ。2人とも俺の部屋で休んでて」
俺はそう言って2人を2階へ案内する。
「・・・あ、そうだ。潤、智也達から連絡が来たら近くまで迎えに行って欲しいんだけど。あいつらも俺んち来るの初めてだからさ、場所わからないと思うんだ」
部屋を出る前に潤に声をかけた。
潤のために、少しでも智也と関われる機会を作ってやりたい。
「わかった!」
笑顔で元気よく返事をする潤が恋する乙女のようで微笑ましくなった。
「頼んだよ。・・・なんかあったらキッチンにいるから声かけて」
そう言って静かにドアを閉めた。
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