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第一章「異世界転移編」
第4話「魔力切れとポンコツ団長」
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『改造完了ドミネーター」
装甲が変形し身体を覆っていく。ベルトとクラッシャーのマフラーから蒼炎が噴き出し、エンジン音が轟く。
「教えてやる。ヒーローを」
マスクの中で少しこもった声が酒場に響く。
「今変身を解除し、ベルトを渡せば命は取らない」
「それはできない」
「あぁ。そうか。キミとは仲良くなれると思ったのだがな。残念だ」
シャロンは剣を構え、地面を強く蹴る。
次に目に映ったのは剣の切先だった。
速っ!? これが騎士団長のっ!?
右目に衝撃が走り、マスクの右半分にヒビが入る。
『すまない。さっきの最大出力のせいで魔力がほぼ無い。残り魔力は攻撃に回させてもらう。サポートはするけど頑張って避けるか防いで!!』
相手は剣の達人、そしてこちらはフルスペックは出せない。どう戦う?
「さっきの勢いはどうした? 魔力切れか?」
シャロンの姿が一瞬消え、空間を割くような斬撃が四方八方から降り注ぐ。
酒場の床や机、壁までもが切り刻まれる。逃げ場がない。
頭を手で覆い斬撃を耐え忍ぶ。守ってるだけでは勝てないのは分かってる。でも守ることしかできない。
姿さえ捉えられれば……
斬撃さえ見えるようになれば。
『アドバンスド・アクセラレーション』
『これで斬撃は見えるはず。動体視力、聴力、感覚を2倍にするバフをかけたから』
視野が広がり、動体視力が上がる。
魔力のかかった斬撃が見える。これなら避けられそうだ。
シャロンの刃が首に届いた瞬間、後ろへステップを踏み、ギリギリで回避する。
「見切ったか。やるな」
高速で動いていたシャロンはピタリと動きを止める。
シャロンは刀身を撫でるように魔力を纏わせる。銀色に輝く刀身はだんだんと紅く染まっていく。
「これで勝負は終わりだ」
必殺技の予感がする。ならばこちらも撃つしかない。まともに食らえば死ぬ。
キーを回す。右腕に魔力が巡る。右腕に溜まった魔力は暴発してしまう。
右腕の装甲に亀裂が入り、ボロボロと崩れ落ちる。
『エンプティ』
「嘘っ!? 魔力切れ!?」
身体が鉛のように重くなる。魔力残量が底を尽きたようだ。
私は膝から崩れ落ちるようにして跪く。
『エンジンクールダウン』
装甲は溶けるように剥がれ落ちる。
シャロンはその光景を見るや否や剣の魔力を発散させ。納刀する。
「これでわかった。キミはラウンズではないようだ。魔力の使い方がまるでなっていない。無駄だらけだ」
シャロンは続けて
「烈火龍と戦って消耗してるところを狙うとは私も騎士としてまだまだだな。すまなかった。立てるか?」
シャロンは私に手を差し伸べる。
やべー。大口叩いといて負けるとか恥ずかしすぎて死んでしまう。誰か私を埋めてくれ。
シャロンはふと周りを見回し、我に帰る。
「あわわわわわ!!ささささ酒場が!!」
シャロンはあたふたし始める。
まぁ。お察しの通りさっきの戦いで酒場はさら地になってしまった。
シャロンにさっきのとてつもない闘気と威圧感は感じられなくなった。
「まままままぁ。落ち落ち落ち着け。シャロン。わわ私は剣聖だ」
全く落ち着いてない。
「貴っ様ぁ!!芽衣を殺そうとするなんて許さぬぞ!!」
ドラグレッドは尻尾を逆立てている。
シャロンは地面に座り込み、喚き出す。
「わーん!! 国王陛下ぁー!! ごべんなざーい!!」
シャロンは大粒の涙を目に溜めてこちらを見つめている。
さっきの威厳は何処へ?
へ?この人に殺されかけたの?
私の服の裾を引っ張って。泣きつく。
「めいざーん!! ごべんね!! なんでもずるがら!! ゆるじでー!!」
シャロンの凛とした顔は涙でぐちゃぐちゃになっている。
そんなこんなで私のラウンズ容疑は晴れた。てか、そもそもラウンズとは? 大犯罪者かな? 濡れ衣がすごい。
後日、国王陛下と団長が土下座して謝ってきた。
「申し訳ない!! 国を救った英雄に対してご無礼をっ!!」
「え、えぇ(ドン引き」
ドミは若干、いや、かなり引いている。ドラグレッドも唖然としている。
損害賠償的な感じで50万レイもらった。しばらくはお金には困らなそうだ。
あっ。あと剣を教えてくれるらしい。
国外追放ルートかと思いきやポンコツ団長ルートだった。ギャグアニメかなんかの世界なのこれ?
そういえば今思った。ファンタジーといえば冒険、冒険といえば勇者。
「この世界に勇者いるの?」
国王陛下は私のしょーもない呟きに反応する。
「勇者様ですか。かつての話ですが......」
今や昔、この世界には魔族と人族や、えーとなんだっけ。まぁ色々混在していた。100年くらい前はこの星の八割を魔族が支配していた。魔族は人を狩り、生き血を啜った。人類は二割まで減少し、絶滅の危機にあった。
そんな中、人類にも希望の光が。ある村の少年ファイが聖剣「フォトンブレード」を引き抜き、最悪最低の魔王オームを討ち倒した......とさ。
その聖剣「フォトンブレード」は王都レイメールの地下神殿「フォトンサンクチュアリ」に祀られている。
そしてシャロンは勇者ファイの末裔らしい。だからあんなに強かったのか。
装甲が変形し身体を覆っていく。ベルトとクラッシャーのマフラーから蒼炎が噴き出し、エンジン音が轟く。
「教えてやる。ヒーローを」
マスクの中で少しこもった声が酒場に響く。
「今変身を解除し、ベルトを渡せば命は取らない」
「それはできない」
「あぁ。そうか。キミとは仲良くなれると思ったのだがな。残念だ」
シャロンは剣を構え、地面を強く蹴る。
次に目に映ったのは剣の切先だった。
速っ!? これが騎士団長のっ!?
右目に衝撃が走り、マスクの右半分にヒビが入る。
『すまない。さっきの最大出力のせいで魔力がほぼ無い。残り魔力は攻撃に回させてもらう。サポートはするけど頑張って避けるか防いで!!』
相手は剣の達人、そしてこちらはフルスペックは出せない。どう戦う?
「さっきの勢いはどうした? 魔力切れか?」
シャロンの姿が一瞬消え、空間を割くような斬撃が四方八方から降り注ぐ。
酒場の床や机、壁までもが切り刻まれる。逃げ場がない。
頭を手で覆い斬撃を耐え忍ぶ。守ってるだけでは勝てないのは分かってる。でも守ることしかできない。
姿さえ捉えられれば……
斬撃さえ見えるようになれば。
『アドバンスド・アクセラレーション』
『これで斬撃は見えるはず。動体視力、聴力、感覚を2倍にするバフをかけたから』
視野が広がり、動体視力が上がる。
魔力のかかった斬撃が見える。これなら避けられそうだ。
シャロンの刃が首に届いた瞬間、後ろへステップを踏み、ギリギリで回避する。
「見切ったか。やるな」
高速で動いていたシャロンはピタリと動きを止める。
シャロンは刀身を撫でるように魔力を纏わせる。銀色に輝く刀身はだんだんと紅く染まっていく。
「これで勝負は終わりだ」
必殺技の予感がする。ならばこちらも撃つしかない。まともに食らえば死ぬ。
キーを回す。右腕に魔力が巡る。右腕に溜まった魔力は暴発してしまう。
右腕の装甲に亀裂が入り、ボロボロと崩れ落ちる。
『エンプティ』
「嘘っ!? 魔力切れ!?」
身体が鉛のように重くなる。魔力残量が底を尽きたようだ。
私は膝から崩れ落ちるようにして跪く。
『エンジンクールダウン』
装甲は溶けるように剥がれ落ちる。
シャロンはその光景を見るや否や剣の魔力を発散させ。納刀する。
「これでわかった。キミはラウンズではないようだ。魔力の使い方がまるでなっていない。無駄だらけだ」
シャロンは続けて
「烈火龍と戦って消耗してるところを狙うとは私も騎士としてまだまだだな。すまなかった。立てるか?」
シャロンは私に手を差し伸べる。
やべー。大口叩いといて負けるとか恥ずかしすぎて死んでしまう。誰か私を埋めてくれ。
シャロンはふと周りを見回し、我に帰る。
「あわわわわわ!!ささささ酒場が!!」
シャロンはあたふたし始める。
まぁ。お察しの通りさっきの戦いで酒場はさら地になってしまった。
シャロンにさっきのとてつもない闘気と威圧感は感じられなくなった。
「まままままぁ。落ち落ち落ち着け。シャロン。わわ私は剣聖だ」
全く落ち着いてない。
「貴っ様ぁ!!芽衣を殺そうとするなんて許さぬぞ!!」
ドラグレッドは尻尾を逆立てている。
シャロンは地面に座り込み、喚き出す。
「わーん!! 国王陛下ぁー!! ごべんなざーい!!」
シャロンは大粒の涙を目に溜めてこちらを見つめている。
さっきの威厳は何処へ?
へ?この人に殺されかけたの?
私の服の裾を引っ張って。泣きつく。
「めいざーん!! ごべんね!! なんでもずるがら!! ゆるじでー!!」
シャロンの凛とした顔は涙でぐちゃぐちゃになっている。
そんなこんなで私のラウンズ容疑は晴れた。てか、そもそもラウンズとは? 大犯罪者かな? 濡れ衣がすごい。
後日、国王陛下と団長が土下座して謝ってきた。
「申し訳ない!! 国を救った英雄に対してご無礼をっ!!」
「え、えぇ(ドン引き」
ドミは若干、いや、かなり引いている。ドラグレッドも唖然としている。
損害賠償的な感じで50万レイもらった。しばらくはお金には困らなそうだ。
あっ。あと剣を教えてくれるらしい。
国外追放ルートかと思いきやポンコツ団長ルートだった。ギャグアニメかなんかの世界なのこれ?
そういえば今思った。ファンタジーといえば冒険、冒険といえば勇者。
「この世界に勇者いるの?」
国王陛下は私のしょーもない呟きに反応する。
「勇者様ですか。かつての話ですが......」
今や昔、この世界には魔族と人族や、えーとなんだっけ。まぁ色々混在していた。100年くらい前はこの星の八割を魔族が支配していた。魔族は人を狩り、生き血を啜った。人類は二割まで減少し、絶滅の危機にあった。
そんな中、人類にも希望の光が。ある村の少年ファイが聖剣「フォトンブレード」を引き抜き、最悪最低の魔王オームを討ち倒した......とさ。
その聖剣「フォトンブレード」は王都レイメールの地下神殿「フォトンサンクチュアリ」に祀られている。
そしてシャロンは勇者ファイの末裔らしい。だからあんなに強かったのか。
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