魔導戦士ドミネーター

テトラポット

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第一章「異世界転移編」

第3話「禁忌」

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「それにしても我ながらかっこよかったなぁ。魔導戦士ドミネーターっ!!」

「ドミネーターっ!!」

 ドミはバンザイをしてはしゃぐ。私は1人じゃないんだ。この世界に来たときは正直焦ったけど。なんとかなるもんだね。

「そういえば烈火龍さんは人の姿になれないの?」

「なれるわよ。そっちの方がいいかしら」

 烈火龍はくるりと空中でカラダをひるがえし、人の姿になる。

 赤いロングヘアに宝石のようなピンクの瞳。頭には赤黒いツノが一本生えている。可愛い。

「いいね!! なんて呼べばいい?」

「あたしに名前はないわ」

 烈火龍って確かに名前ないよね。だって烈火龍が名前だもん。ここはヒーローのキャラから取ろう。

「じゃあキミの名前はドラグレッドだ。かっこいいでしょ」

「ふん。悪くないわ」

「ご主人に名前をつけてもらったんだぞ!! もっと喜ぶべきだ!!」

 ドミは頬を膨らませて言う。

「まぁまぁ落ち着いてね」

 ドミの頭を撫でる。

 そういえばバイクのキーってどうなったんだろう。

 ポケットをゴソゴソと漁る。

「ん? こんな形だったっけ?」

 いかにもファンタジーな形になっていろ色は銀色で先にいくにつれ金色のグラデーションがかかっている。
 
 鍵の中心には赤い宝石のようなものがはまっていて何かのエンブレムが刻まれている。




 この鍵からはほのかに魔力を感じられる。

「烈火竜を手懐けるとはなかなかの腕前だ。ぜひ、今度手合わせ願いたい」

 白髪で鎧を身に纏った女性が手を叩きながらこちらへ向かってくる。

「私は当然のことをしたまでです」

 くぅー!! かっこいい!! 私!! 最高にヒーローしてるっ!!

 白髪の女性は腰に装飾された剣を帯刀している。剣士の方か。

「そういえばまだ名乗っていなかったな。私はシャロン。騎士団の団長を務めさせてもらっている。国王陛下が話をしたいとおっしゃっている。ついてきてくれぬか?」

「わかった。その前にご飯が食べたいんだけど」

 シャロンは微笑む

「ちょうど私も腹が減っていたんだ。私が奢ろう」

 一文無しだからありがたい。

 てなわけでシャロンさんと一緒にランチをすることになった。
 
「私はこの竜のもも肉のソテーを一つ頼む。好きなものを頼むといい」

 シャロンさんはメニューをそっと差し出す。

「あっ……ありがとうございます。シャロンさん」

 メニューに目をやると現世では見たことないような料理がたくさんのっている。

 ドラグレッドの前でドラゴン肉を食べるのは気が引けるなぁ。あ!!いいのあるじゃん

「じゃ、じゃあ私はこのヨアケブタのステーキで」

 ドミは横から

「じゃあボクもそれで」

 ドラグレッドの方を見ると案の定、しかめっ面をしている。

「あたしは何も食べない。ふん!!」

 ドラグレッドはそっぽを向いてしまった。

 シャロンはあたふたしながら手をバタバタ動かして

「ももももももも申し訳ない!! やっぱり私もヨアケブタのステーキで!!」

「ふん。わかればいいのよ」

 なんか微笑ましいなぁ。ポンコツ騎士団長と拗ねるドラグレッド。

 そんなことを考えていると注文した料理が届いた。

 ジューという音と共に香ばしい香りがあたりに漂う。こんなまともな食事いつぶりだろうか。

 では手を合わせて

『いただきます』

 ステーキナイフでステーキを切り、口に運ぶ。

 芳醇なヨアケブタの風味が口いっぱいに広がる。肉質はやや柔らかく口の中で解けとろける感じだ。

 横を見るとドミが目をキラキラさせながら口いっぱいにステーキを頬張っている。

 シャロンは口元をハンカチで拭く。

「ところで一つ聞きたいのだが。キミが所有している強力なアーティファクトについて何か教えてくれないか?」

「あぁ。ライズドミネーターのことですか? アレ偶然の産物というかなんというか。私が作ったんですけどね。あはは」

『え!?』

 酒場にいる全員が振り向く。

「自分で作った!?」

「え? なんかやばいこと言いました?」

 シャロンの手からステーキナイフが落ち、甲高い金属音が静まり返った酒場に響く。

 シャロンは腰の剣に手をかけ、ものすごい速度で抜刀する。

 煌めく切先は私の首を捉える。

「やはり、貴様ラウンズか」

「ちょっと落ち着いてください!!」

 シャロンの目つきは獲物を狙う鷹のように鋭くなる。

「ラウンズは殺す」

「ご主人!! 変身だ!!」

『ライズドミネーター』

 ドミは私に飛びつきベルトに姿を変える。

「ラウンズってなんですか!? わけわかんないですよ!!」

 ここで騎士団長と敵対するのは非常にまずい。どう切り抜ける? 選択によってはバッドエンドだ。

「とぼけても無駄だ。貴様の生き残る道はそのベルトを我々に差し出すことだ」

『このベルトは本人しか使えない』

「なら解析して造らせるまでだ。強力なアーティファクトは兵力を強化し、抑止力になる」

 あぁ。ヒーローをなんだと思ってるんだこの人は。ヒーローは兵器じゃない。

「ヒーローは兵器じゃない」

『デュアル。イグニッション』

 私はキーをベルトに刺し、回す。

 私の周りを蒼炎が包み、装甲が形成されていく。

「始動......」

改造完了リモデリングコンプリートドミネーター』

「お前に教えてやるヒーローとは何かを!!」
















 

 




 

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