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建て直すのじゃ
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自由に動けるようになり、改めて集落を歩いて回る。
土地や木々がどす黒くなり、完全に腐っている個所が負の魔力の力を思い知る。
レオンは【精霊】魔法を使う稀なヒトであった。
「この木と土はどうやって取り除くのじゃ?」
「土の精霊ノームに運んでもらって、大穴に投げ込んでやるのさ。精霊の話ではふく様が【浄化】を早い段階で使ったおかげで下の方はまだ生きているみたいだしな」
「負の魔力は恐ろしいものじゃ……。ネズミ族の民たちはこんなものを直に浴びて苦しかったはずじゃ……」
「……魔獣ともいえない奴の中にあった魔石が影響したんだろう?それでもこんなに汚い魔力は誰も持っていないんだがな……」
どす黒い石を破壊する前に靄が出ていたので、レオンの精霊はどこまで知っているのか気になった。
レオンはどす黒い大木を前に一息ついていた。
「切らぬのか?」
「こんなでかい木はそれなりに魔力を込めないときれないな」
「情けないの」
ふくにそう言われ、ムッとし言い返そうと振り向いた瞬間、大木は八分割されて地面に投げ出される。
何が起きたかわからずふくを見ると、人差し指一本で風の刃を飛ばし、蝕まれた大木を切り倒していくのが分かった。
詠唱をしないふくを見て開いた口が塞がらなかった。
「なんじゃ?あほみたいな顔をしおって」
「え、詠唱は……?」
「要らん。頭の中で思い浮かべれば大体できるのじゃ」
「……さ、さすが邪神の守り人……」
「要らぬことは言わんでよい、さっさと運ぶのじゃ」
雑に仕事を投げつけられるが、主と決めてしまった自分とプライドと、逆らっても勝つことができないほどの魔法技術を目の当たりにし、渋々運び出し、お穴へと投げ込む。二人は広場に到着する。
畑はやはり使い物にならないほど浸食されており、ふくの気持ちが落ち込む。
レオンはふくの気持ちを察して口を開く。
「精霊が、いい畑を作っていたのにと言っていたんだが、こんな土地でも畑はできるのか?」
「ネズミ族と共に作り上げていたのじゃ。一年もすればよいものができたはずじゃったが……」
「そうだったのか。土、攫ってもいいか?このままだと使い物にならないからよ」
ふくは少し悩んだが、背を向けて除去するように手合図を送る。
相当心の傷が深いと感じ、迅速に作業を進め、畑は跡形もなく消え去る。
その光景を見て、ふくは涙こそ流さなかったがひどく悲しい顔をする。
これ以上心に負担をかけるわけにはいかないようにレオンは休憩することにした。
「ふく様、少し休憩しましょう。精霊もさすがに疲れてしまうので……」
「うむ。そうしようかの」
隠れ家に戻り、ふくは眠っているヴォルフの傍に座り、鼻の頭を撫でる。
飼い犬のような扱いをしているふくを見てレオンは若干引いていた。
「む。何かここに飛んでくるの」
「もう来ましたか……鳥の姿をした鳥人が来たのかもしれません。数は……多くはないですが、十分な戦力を持っていると思われます。いかがしますか?」
「鳥か……焼いて食べても――」
「なりません」
レオンは食い気味に焼いて食べようとするふくを止める。
それでも鳥と聞いて諦められないふくは再び申し出る。
「鳥じゃよ?焼けば――」
「ダメです!ヒトを食べるのは呪われるので……」
やはり食い気味に制止され、むくれる。
腕を組んでジィっとレオンを睨む。
気の強い女性が多い獅子族出身のレオンですら、ふくの睨みは非常に怖いと感じた。
「なんじゃ、つまらんの。では話が通じる相手ならば穏便にすませようではないか?」
「通じるかわかりませんが、国王の親衛隊の一つがきていると思われます。流石に多勢に無勢ですので、敵対しない方が良いかと思われます……」
「……ならば、良い方法がある」
ふくはレオンにそう告げた。
意外にも軍隊できている事に恐怖していないふくを見て、物事がわかっていないのではないかと思う。
レオンはふくに説得しようとした瞬間、空より翼を持った使者が現れる。
「ホークスが来た……だと……!?」
「久しいなレオン。貴様とここで出会うとは……」
「へへ……邪神の加護がなくなればすぐに来やがったな……ジェット……!」
ジェットと呼ばれる男はレオンと知り合いのようで、見た目は鷹に似た顔つきと嘴、背中から大きな翼を生やしたヒトであった。
「なんじゃ、ニワトリではなく鷹であったか。これでは食っても美味しくなかろうて」
「なんだ……?野狐族か……?」
「鳥頭にしては賢そうに見えるの。お前は何と名乗るのじゃ?」
「女狐に名乗る暇はない。引っ込んでな。レオンあの時のけ――」
鷹の鳥人の目の前を風の刃が掠め通る。
ふくがワザと挑発するように魔法を放ったのだ。
「次は当てるのじゃ。もう一度言う。貴様の名は何と名乗るのじゃ?」
ふくは怒気を込めて名前を訊く。
その魔力はホークスと呼ばれる軍隊の半分以上が震え上がるほどの気迫が篭っていた。
「女狐め……調子に乗るなよ……!」
両刃の直刀を逆手に持ち、一気に距離を詰め、ふくに目掛けて斬る。
「『我を守れ』」
直刀はふくに到達する前に見えない壁に阻まれる。
聞いたことのない短い詠唱で見慣れた魔法を見て驚く。
「デタラメな詠唱でこれほどの【守護】を放つとは……。名は何と言う……?」
「わしが聞いておるのじゃ。答えんか」
「俺に勝てるならなっ!女狐!」
「自惚れるでないぞ?クソ鳥頭」
(うわぁ……何て醜い闘い……。ふく様はこれが狙いだったのだろうか……)
決してそうではない。
しかしレオンがそう思うのは無理もなく、ふくとジェットの一騎討ちが展開されたのだった。
土地や木々がどす黒くなり、完全に腐っている個所が負の魔力の力を思い知る。
レオンは【精霊】魔法を使う稀なヒトであった。
「この木と土はどうやって取り除くのじゃ?」
「土の精霊ノームに運んでもらって、大穴に投げ込んでやるのさ。精霊の話ではふく様が【浄化】を早い段階で使ったおかげで下の方はまだ生きているみたいだしな」
「負の魔力は恐ろしいものじゃ……。ネズミ族の民たちはこんなものを直に浴びて苦しかったはずじゃ……」
「……魔獣ともいえない奴の中にあった魔石が影響したんだろう?それでもこんなに汚い魔力は誰も持っていないんだがな……」
どす黒い石を破壊する前に靄が出ていたので、レオンの精霊はどこまで知っているのか気になった。
レオンはどす黒い大木を前に一息ついていた。
「切らぬのか?」
「こんなでかい木はそれなりに魔力を込めないときれないな」
「情けないの」
ふくにそう言われ、ムッとし言い返そうと振り向いた瞬間、大木は八分割されて地面に投げ出される。
何が起きたかわからずふくを見ると、人差し指一本で風の刃を飛ばし、蝕まれた大木を切り倒していくのが分かった。
詠唱をしないふくを見て開いた口が塞がらなかった。
「なんじゃ?あほみたいな顔をしおって」
「え、詠唱は……?」
「要らん。頭の中で思い浮かべれば大体できるのじゃ」
「……さ、さすが邪神の守り人……」
「要らぬことは言わんでよい、さっさと運ぶのじゃ」
雑に仕事を投げつけられるが、主と決めてしまった自分とプライドと、逆らっても勝つことができないほどの魔法技術を目の当たりにし、渋々運び出し、お穴へと投げ込む。二人は広場に到着する。
畑はやはり使い物にならないほど浸食されており、ふくの気持ちが落ち込む。
レオンはふくの気持ちを察して口を開く。
「精霊が、いい畑を作っていたのにと言っていたんだが、こんな土地でも畑はできるのか?」
「ネズミ族と共に作り上げていたのじゃ。一年もすればよいものができたはずじゃったが……」
「そうだったのか。土、攫ってもいいか?このままだと使い物にならないからよ」
ふくは少し悩んだが、背を向けて除去するように手合図を送る。
相当心の傷が深いと感じ、迅速に作業を進め、畑は跡形もなく消え去る。
その光景を見て、ふくは涙こそ流さなかったがひどく悲しい顔をする。
これ以上心に負担をかけるわけにはいかないようにレオンは休憩することにした。
「ふく様、少し休憩しましょう。精霊もさすがに疲れてしまうので……」
「うむ。そうしようかの」
隠れ家に戻り、ふくは眠っているヴォルフの傍に座り、鼻の頭を撫でる。
飼い犬のような扱いをしているふくを見てレオンは若干引いていた。
「む。何かここに飛んでくるの」
「もう来ましたか……鳥の姿をした鳥人が来たのかもしれません。数は……多くはないですが、十分な戦力を持っていると思われます。いかがしますか?」
「鳥か……焼いて食べても――」
「なりません」
レオンは食い気味に焼いて食べようとするふくを止める。
それでも鳥と聞いて諦められないふくは再び申し出る。
「鳥じゃよ?焼けば――」
「ダメです!ヒトを食べるのは呪われるので……」
やはり食い気味に制止され、むくれる。
腕を組んでジィっとレオンを睨む。
気の強い女性が多い獅子族出身のレオンですら、ふくの睨みは非常に怖いと感じた。
「なんじゃ、つまらんの。では話が通じる相手ならば穏便にすませようではないか?」
「通じるかわかりませんが、国王の親衛隊の一つがきていると思われます。流石に多勢に無勢ですので、敵対しない方が良いかと思われます……」
「……ならば、良い方法がある」
ふくはレオンにそう告げた。
意外にも軍隊できている事に恐怖していないふくを見て、物事がわかっていないのではないかと思う。
レオンはふくに説得しようとした瞬間、空より翼を持った使者が現れる。
「ホークスが来た……だと……!?」
「久しいなレオン。貴様とここで出会うとは……」
「へへ……邪神の加護がなくなればすぐに来やがったな……ジェット……!」
ジェットと呼ばれる男はレオンと知り合いのようで、見た目は鷹に似た顔つきと嘴、背中から大きな翼を生やしたヒトであった。
「なんじゃ、ニワトリではなく鷹であったか。これでは食っても美味しくなかろうて」
「なんだ……?野狐族か……?」
「鳥頭にしては賢そうに見えるの。お前は何と名乗るのじゃ?」
「女狐に名乗る暇はない。引っ込んでな。レオンあの時のけ――」
鷹の鳥人の目の前を風の刃が掠め通る。
ふくがワザと挑発するように魔法を放ったのだ。
「次は当てるのじゃ。もう一度言う。貴様の名は何と名乗るのじゃ?」
ふくは怒気を込めて名前を訊く。
その魔力はホークスと呼ばれる軍隊の半分以上が震え上がるほどの気迫が篭っていた。
「女狐め……調子に乗るなよ……!」
両刃の直刀を逆手に持ち、一気に距離を詰め、ふくに目掛けて斬る。
「『我を守れ』」
直刀はふくに到達する前に見えない壁に阻まれる。
聞いたことのない短い詠唱で見慣れた魔法を見て驚く。
「デタラメな詠唱でこれほどの【守護】を放つとは……。名は何と言う……?」
「わしが聞いておるのじゃ。答えんか」
「俺に勝てるならなっ!女狐!」
「自惚れるでないぞ?クソ鳥頭」
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