535 / 806
14歳の助走。
挨拶を受ける立場に。
王城の大ホールの扉が開くと、光が水面のように床を滑り、八時間の長丁場を告げる楽がふっと高く立ち上がった。今季の締めくくりの大舞踏会。僕はエメイラの手を取り、一歩だけ深く礼をする。エメイラは目で笑ってうなずき、軽く手を預けてくれた。背後にはローランとアール。ローランはいつもの控えめな立ち姿、アールは新調した礼装に身を包み、視線の高さを静かに整えている。
序曲が終わり、最初の輪へ。エメイラと二曲踊ってから、互いに小さく合図を交わす。次は挨拶回りだ。僕たちは歩調を合わせ、最寄りの家から順に卓を訪ねた。どこへ行っても最初の一言は同じだ。
「アール・ヤーヴィが、あなたの家来に?」
驚きは大げさではない。ただ熱を帯びている。アールは一歩下がって深く礼をし、声は出さない。ローランが半歩前に出て、短く添える。
「見習いとして礼を学んでおります。今夜は随行のみ」
それで十分だ。輪は次へ転がり、僕らは笑顔のまま礼を返す。驚きが否定ではなく、期待に寄っているのを肌で感じる。アールの背中の筋肉が、最初のこわばりから滑らかさに変わっていくのがわかる。
中ほどで王族席へ。近衛の間を抜けて進むと、王様が椅子から身を起こし、手を軽く上げられた。僕とエメイラは膝を折って礼を取る。
「今季もよく働いたな」
「身に余るお言葉です」
王様の視線がすっと僕の背後へ滑る。
「ローランというものは、お前か?」
「はい」
ローランが静かに一歩出る。
「リョウエストの書簡にいつも名がある。そちは、よく助けておるようだな。これからも頼むぞ」
短い言葉だった。けれど、ローランの頬にわずかな紅が差し、喉仏が一度上下する。
「ありがたき幸せ。身命に代えてもお支えいたします」
王様は満足そうにうなずき、僕へ目を戻す。
「名は出さずとも、やったことは消えぬ。好きにしろ。ただし、王の耳には届くように」
「はい」
王妃様とも目礼を交わし、席を辞す。戻る道すがら、ローランはいつになく口数が少なかった。僕が目だけで問うと、彼は唇の端をほんの少し持ち上げる。
「言葉は短いほど重い……今夜、身に染みました」
「おめでとう」
エメイラが横から囁く。
「褒められた喜びを隠す必要はないわ」
「隠しているつもりはないのですが、どうやら顔が勝手に」
「勝手に笑うのは良い兆候よ」
自席に戻ると、今度は逆にこちらへ人の流れが生まれた。立て続けに三家、息を置かずに二家。皆、まず僕に礼をし、それからエメイラに挨拶をし、ローランに一言、最後にアールを一瞥して微笑む。いつの間にか、挨拶をしにいく側から、挨拶を受ける側に立ち位置が変わったのだと気づく。僕はその実感を胸の内で転がし、増えすぎない約束の匙加減を探った。
合間に一曲、名のある伯爵家の令嬢と踊り、もう一曲は年配の男爵夫人に腕を貸す。エメイラは別の輪で優雅に回り、会釈だけで周囲の空気を柔らかくする。戻ってくるたび、さっと僕の袖口を直してくれる仕草が心地いい。
「呼ばれすぎね」
「今夜はそういう夜みたいだ」
「体力はあるでしょうけど、喉は一つよ。水を」
エメイラが侍女から杯を受け取り、僕に手渡す。冷えた水が喉を通り、頭の熱が一枚はがれる。
遠目にアールを見ると、彼の周りにも小さな輪ができていた。若者たち、年配の紳士、憧れを隠せない婦人。押し寄せる言葉に、アールは丁寧な会釈と短い返答だけで応じる。困り顔になりかける瞬間には、ローランが指先で小さく合図を送り、向きと距離を微調整させる。よく学んでいる……そう思った時、視線が合った。アールはわずかに頷き、自分の胸に右手を当てる。礼の合図。僕は同じ仕草を返した。
夜が半ばを過ぎる頃、主催の司会が祝辞の刻を告げ、輪がいったん緩む。僕はその隙に数家の相談を短く片付ける。空の船の監修状況、静養の家の進捗、度量衡の標準具の追加配布、そしてスクワンジャー公爵から届いた兄の披露宴の話題。どれもここで結論を出さず、二行を紙にして次の場へ送る約束だけを置く。
「増やしすぎない」
自分に小さく言い聞かせる。ローランがすかさず紙を揃え、控えに同じ二行を写す。
「今夜の分は夜明け前に速文で手配します。あなたは寝るだけ」
「助かる」
後半の楽が始まる。エメイラともう一度輪に入り、軽やかな曲を二つ続け、最後にゆるやかな曲で息を整える。足の裏から上がってくる疲れに、心地よい重さが混じった。歩幅を少しだけ小さくして、王城の空気に身体を合わせる。周囲の視線は刺さらない。むしろ、布のように僕の動きに沿って流れていく。
終盤、グロッサム侯爵やエフェルト公爵、ゼローキア侯爵の顔も見えた。先に短い挨拶を済ませてあるので、今は目礼だけで十分だ。グラドの姿もあり、こちらを見つけると親指を一つ上げて笑った。僕も同じ合図を返す。彼は高いところが苦手だが、こういう場ではいつもどっしりしている。他の六伯とも仕草で挨拶を交わす。
最後の総舞踏が近づくと、広間の空気が少し引き締まった。王様が立ち、短い言葉で今季の結びを告げる。
「今年もよく踊った。よく働いた。次の季も、各々の務めを果たせ」
拍手が重なり、音が高みへ昇る。僕は手を打ちながら、胸の奥で静かに数える。子どもの席から始まった社交が、いつの間にか別の地面に足を置かせてくれている。挨拶に歩き回った足と、挨拶を受けるために立ち止まった足。どちらも同じ自分の足だ。
終演の合図。灯が少しだけ落とされ、出口へ向かう流れが緩やかに動き出す。エメイラが僕の腕を取る。
「よく頑張りました」
「うん。八時間……今年も長かった」
「でも、あなたの長さは人を疲れさせない。そこがいいところよ」
背後でローランが咳払いを一つ。
「おめでとう、ローラン」
「ありがとうございます。……褒賞は仕事で結構です」
「じゃあ明朝、倍ね」
「半分でお願いします」
アールが控えで笑いを堪え、すぐ真顔に戻る。
「今夜は、言葉を飲み込む練習が一番難しかったです」
「よくやった。飲み込んだ言葉は、紙にして出せばいい」
外に出ると、夜気がひんやりと肺を洗った。馬車の列は静かに進み、石畳に車輪の音が絶え間なく続く。僕は一度だけ城を振り返る。明かりがいくつも灯り、今季の終わりを穏やかに照らしていた。いつのまにか、挨拶される立場にいた。けれど、挨拶を返す手の高さは昔と同じでいい。短く、確かに。来季へ持っていくのは、その感覚だ。
エメイラが肩に羽織を掛けてくれる。ローランは紙束を胸に抱え、アールは馬車の段差を一つ確かめてから僕に道を開けた。
序曲が終わり、最初の輪へ。エメイラと二曲踊ってから、互いに小さく合図を交わす。次は挨拶回りだ。僕たちは歩調を合わせ、最寄りの家から順に卓を訪ねた。どこへ行っても最初の一言は同じだ。
「アール・ヤーヴィが、あなたの家来に?」
驚きは大げさではない。ただ熱を帯びている。アールは一歩下がって深く礼をし、声は出さない。ローランが半歩前に出て、短く添える。
「見習いとして礼を学んでおります。今夜は随行のみ」
それで十分だ。輪は次へ転がり、僕らは笑顔のまま礼を返す。驚きが否定ではなく、期待に寄っているのを肌で感じる。アールの背中の筋肉が、最初のこわばりから滑らかさに変わっていくのがわかる。
中ほどで王族席へ。近衛の間を抜けて進むと、王様が椅子から身を起こし、手を軽く上げられた。僕とエメイラは膝を折って礼を取る。
「今季もよく働いたな」
「身に余るお言葉です」
王様の視線がすっと僕の背後へ滑る。
「ローランというものは、お前か?」
「はい」
ローランが静かに一歩出る。
「リョウエストの書簡にいつも名がある。そちは、よく助けておるようだな。これからも頼むぞ」
短い言葉だった。けれど、ローランの頬にわずかな紅が差し、喉仏が一度上下する。
「ありがたき幸せ。身命に代えてもお支えいたします」
王様は満足そうにうなずき、僕へ目を戻す。
「名は出さずとも、やったことは消えぬ。好きにしろ。ただし、王の耳には届くように」
「はい」
王妃様とも目礼を交わし、席を辞す。戻る道すがら、ローランはいつになく口数が少なかった。僕が目だけで問うと、彼は唇の端をほんの少し持ち上げる。
「言葉は短いほど重い……今夜、身に染みました」
「おめでとう」
エメイラが横から囁く。
「褒められた喜びを隠す必要はないわ」
「隠しているつもりはないのですが、どうやら顔が勝手に」
「勝手に笑うのは良い兆候よ」
自席に戻ると、今度は逆にこちらへ人の流れが生まれた。立て続けに三家、息を置かずに二家。皆、まず僕に礼をし、それからエメイラに挨拶をし、ローランに一言、最後にアールを一瞥して微笑む。いつの間にか、挨拶をしにいく側から、挨拶を受ける側に立ち位置が変わったのだと気づく。僕はその実感を胸の内で転がし、増えすぎない約束の匙加減を探った。
合間に一曲、名のある伯爵家の令嬢と踊り、もう一曲は年配の男爵夫人に腕を貸す。エメイラは別の輪で優雅に回り、会釈だけで周囲の空気を柔らかくする。戻ってくるたび、さっと僕の袖口を直してくれる仕草が心地いい。
「呼ばれすぎね」
「今夜はそういう夜みたいだ」
「体力はあるでしょうけど、喉は一つよ。水を」
エメイラが侍女から杯を受け取り、僕に手渡す。冷えた水が喉を通り、頭の熱が一枚はがれる。
遠目にアールを見ると、彼の周りにも小さな輪ができていた。若者たち、年配の紳士、憧れを隠せない婦人。押し寄せる言葉に、アールは丁寧な会釈と短い返答だけで応じる。困り顔になりかける瞬間には、ローランが指先で小さく合図を送り、向きと距離を微調整させる。よく学んでいる……そう思った時、視線が合った。アールはわずかに頷き、自分の胸に右手を当てる。礼の合図。僕は同じ仕草を返した。
夜が半ばを過ぎる頃、主催の司会が祝辞の刻を告げ、輪がいったん緩む。僕はその隙に数家の相談を短く片付ける。空の船の監修状況、静養の家の進捗、度量衡の標準具の追加配布、そしてスクワンジャー公爵から届いた兄の披露宴の話題。どれもここで結論を出さず、二行を紙にして次の場へ送る約束だけを置く。
「増やしすぎない」
自分に小さく言い聞かせる。ローランがすかさず紙を揃え、控えに同じ二行を写す。
「今夜の分は夜明け前に速文で手配します。あなたは寝るだけ」
「助かる」
後半の楽が始まる。エメイラともう一度輪に入り、軽やかな曲を二つ続け、最後にゆるやかな曲で息を整える。足の裏から上がってくる疲れに、心地よい重さが混じった。歩幅を少しだけ小さくして、王城の空気に身体を合わせる。周囲の視線は刺さらない。むしろ、布のように僕の動きに沿って流れていく。
終盤、グロッサム侯爵やエフェルト公爵、ゼローキア侯爵の顔も見えた。先に短い挨拶を済ませてあるので、今は目礼だけで十分だ。グラドの姿もあり、こちらを見つけると親指を一つ上げて笑った。僕も同じ合図を返す。彼は高いところが苦手だが、こういう場ではいつもどっしりしている。他の六伯とも仕草で挨拶を交わす。
最後の総舞踏が近づくと、広間の空気が少し引き締まった。王様が立ち、短い言葉で今季の結びを告げる。
「今年もよく踊った。よく働いた。次の季も、各々の務めを果たせ」
拍手が重なり、音が高みへ昇る。僕は手を打ちながら、胸の奥で静かに数える。子どもの席から始まった社交が、いつの間にか別の地面に足を置かせてくれている。挨拶に歩き回った足と、挨拶を受けるために立ち止まった足。どちらも同じ自分の足だ。
終演の合図。灯が少しだけ落とされ、出口へ向かう流れが緩やかに動き出す。エメイラが僕の腕を取る。
「よく頑張りました」
「うん。八時間……今年も長かった」
「でも、あなたの長さは人を疲れさせない。そこがいいところよ」
背後でローランが咳払いを一つ。
「おめでとう、ローラン」
「ありがとうございます。……褒賞は仕事で結構です」
「じゃあ明朝、倍ね」
「半分でお願いします」
アールが控えで笑いを堪え、すぐ真顔に戻る。
「今夜は、言葉を飲み込む練習が一番難しかったです」
「よくやった。飲み込んだ言葉は、紙にして出せばいい」
外に出ると、夜気がひんやりと肺を洗った。馬車の列は静かに進み、石畳に車輪の音が絶え間なく続く。僕は一度だけ城を振り返る。明かりがいくつも灯り、今季の終わりを穏やかに照らしていた。いつのまにか、挨拶される立場にいた。けれど、挨拶を返す手の高さは昔と同じでいい。短く、確かに。来季へ持っていくのは、その感覚だ。
エメイラが肩に羽織を掛けてくれる。ローランは紙束を胸に抱え、アールは馬車の段差を一つ確かめてから僕に道を開けた。
あなたにおすすめの小説
異世界転生したので、文明レベルを21世紀まで引き上げてみた ~前世の膨大な知識を元手に、貧乏貴族から世界を変える“近代化の父”になります~
夏見ナイ
ファンタジー
過労死したプラントエンジニアの俺が転生したのは、剣と魔法の世界のド貧乏な貴族の三男、リオ。石鹸すらない不衛生な環境、飢える家族と領民……。こんな絶望的な状況、やってられるか! 前世の知識を総動員し、俺は快適な生活とスローライフを目指して領地改革を開始する!
農業革命で食料問題を解決し、衛生革命で疫病を撲滅。石鹸、ガラス、醤油もどきで次々と生活レベルを向上させると、寂れた領地はみるみる豊かになっていった。
逃げてきた伯爵令嬢や森のエルフ、ワケありの元騎士など、頼れる仲間も集まり、順風満帆かと思いきや……その成功が、強欲な隣領や王都の貴族たちの目に留まってしまう。
これは、ただ快適に暮らしたかっただけの男が、やがて“近代化の父”と呼ばれるようになるまでの物語。
最強魔法は生活魔法!? ~異世界ではモンスター退治も生活のうち~
gagaga
ファンタジー
神の気まぐれにより異世界へと転移した主人公田辺竜太(大学生)が生活魔法を駆使して冒険したり町の人と触れ合ったりする物語です。
なお、神が気まぐれすぎて一番最初に降り立つ地は、無人島です。
一人称視点、独り言多め、能天気となっております。
なお、作者が気ままに書くので誤字脱字は多いかもしれませんが、大目に見て頂けるとありがたいです。
ただ、敢えてそうしている部分もあり、ややこしくてすいません。(^^;A
ご指摘あればどんどん仰ってください。
※2017/8/29 連載再開しました!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ひだまりのFランク冒険者
みなと劉
ファンタジー
ここは異世界。
そこの冒険者ギルドでは毎日仕事がてんこ盛り。
そんな中
冒険者ギルドには万年Fランクの冒険者が一人いる。
その名は、リルド。
彼は、特に何もない感じに毎日
「薬草採取」「石集め」Fランク向け「討伐」場合によっては「ポーション生成」をする。
この話はこの万年Fランク冒険者リルドの物語である。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
[完]異世界銭湯
三園 七詩
ファンタジー
下町で昔ながらの薪で沸かす銭湯を経営する一家が住んでいた。
しかし近くにスーパー銭湯が出来てから客足が激減…このままでは店を畳むしかない、そう思っていた。
暗い気持ちで目覚め、いつもの習慣のように準備をしようと外に出ると…そこは見慣れた下町ではなく見たことも無い場所に銭湯は建っていた…