44 / 806
幼少時代。
お城に通う日々。
それから僕はスサン商会の納品日に合わせて10日に1回お城に通うようになった。
朝修行を終えてご飯を食べてからミザーリと一緒に馬車に乗り込みお城に行き、帰りは納品に来た商会員と一緒に馬車で帰るって感じだ。
お城ではナミリア様と一緒に遊んでいる。時にはレイアム様かご領主様が一緒にいる。レイアム様もご領主様も優しい。ナミリア様は相当可愛がられているようだ。
途中からナミリア様の勉強に付き合うようになった。三歳にして家庭教師がつくって貴族は大変なんだね。僕とナミリア様は算数と文字の勉強をする。ナミリア様は勉強が苦手だ。なかなか集中できないみたい。三歳児に勉強はやっぱり早いような気がする。
今日も算数の引き算で詰まっている。先生もなんか困ってるなあ。
「せんせー。ちょっと良い?」
「どうしました?リョウエスト君」
「ナミリア、ちょっと難しい。僕ナミリア教える。大丈夫?」
「教えられるのですか?やってみて下さい」
「ナミリア、ちょっと良い?」
「はい!」
「これ見て」
僕はカバンの財布から銅貨10枚を取り出す。
「それなあに?」
「お金。知ってる?」
「知ってる!これ、お金?」
「そうそう。これ銅貨」
「きれいね」
「きれいだね」
僕は銅貨10枚を並べる。
「これ、物を買う、わかる?」
「レイ、教えてもらったー」
「うん。この一枚、りんごが一個、買える」
「ふーん。りんご、買える」
「これ、りんご、何個買える?」
「いちにーさんしー…10個!」
「よくできたねー。偉いねー」
「ふふー」
「3個買う、いくついる?」
「さんまい」
「そうだねー。すごいねー」
「ふふー」
「じゃあ残りは何枚?」
「いち、にー、さん、しー…ななまい」
「正解!えらいねー!じゃあ次」
と言って何題か例題を出す。
「じゃあ、銅貨、手、持って」
「はい!」
「うふー。ナミリア、お店行く。りんご3個買う。何枚銅貨だす?」
「さんまい」
「残りは?」
「うーんと…いち、にー、さん…ななまい」
「次の店、オウトール、見つける、一個銅貨一枚。4個買う。残り何枚?」
などとだんだんハードルを上げたり、時間制限をつけたりしながらゲーム感覚で教える。一通りやったら今度は紙の計算をさせる。これも餌で釣る。全部できたら銅貨1枚をあげるって事にした。指をおりながら計算するナミリア様、そして
「できたー」
「ナミリアさん、できましたか?」
「せんせー、答え合わせ、お願い」
「はい。はい、全問正解です」
「やったー!」
「おめでとー。銅貨一枚だよ」
という感じでナミリア様の勉強嫌いを克服させるのを手伝う。勉強は楽しくやらないとね!
それから僕はレイアム様にある提案をした。
「レイアム様、お話いい?」
「リョウ、何かしら?」
「ナミリア、城の外、でる?」
「そういえば出たのはかなり前かしら」
「あのね、ナミリア、城の外、わかんないの」
「そうなの?」
「一度、お外に出て、見る、大丈夫?」
「そうした方がいいと思う?」
「うん!うちに来て、お買い物するの。お金、価値、わかるの。あとお城の外何があるか、わかるの」
「そうね。マックスにも相談してみるわ」
ちなみにご領主様の名前はマクシミリアンだ。
「お父さん、言っとく」
「頼むわね」
ふふ。きっとナミリア様喜ぶだろうな。しかし、この後ご領主様のナミリア様の溺愛ぶりでうちが大変な事になるのをこの時の僕は気づかなかった。
その日、ルンルン気分で家に帰るとミシェ姉さんがすごい勢いで抱きついてきた。なんか「きゃー」って言っている。
おかしくなったのかな、と思ってミシェ姉さんを落ち着かせて話を聞く。
「ミシェ姉さん、大丈夫?何?どうしたの?」
「あのね、リョウ、うふふふふ」
「うん。大丈夫?」
「大丈夫じゃないわ。うふふふふ」
「お母さん呼ぶ?」
「それは大丈夫。リョウ、話を聞いて」
「うん。」
「私ね、私ね、ラーモン様に会ったの。キャーっ」
「うん。お見合い?」
「違うわ。ラーモン様とね、お会いしたのよ」
「わからないよ」
「あのね、ラーモン様とお会いしたのよ!」
「うーん。わからないよ」
それから要領の得ない話が続く。我慢して聞いてみると、お爺様とニメイジ家の当主の計らいで街の茶館で顔合わせというか、お互いの姿を見合ったらしい。ラーモン様が想像以上に素敵な男性でものすごく嬉しかったみたいだ。お互い暗号を決められていたらしく、お見合いよろしくお願いします、という暗号がラーモン様から来たので、ラーモン様にこちらこそよろしくお願いします、と返したと言って僕を抱きしめて悶えていた。
食卓でもその話題になり、たった一回会っただけのラーモン様の事をひたすら惚気られた。お母さんはすごく喜んでいるが、お父さんはどこか苦虫を噛み殺したような顔で聞いている。
あまりに可哀想なので昼にレイアム様に話した事をお父さんに伝える。お父さんはひどく興奮して喜んでいたが、今度はエメイラが不機嫌になった。僕はどうしたら良かったんだろうか。人の気持ちって難しい。
朝修行を終えてご飯を食べてからミザーリと一緒に馬車に乗り込みお城に行き、帰りは納品に来た商会員と一緒に馬車で帰るって感じだ。
お城ではナミリア様と一緒に遊んでいる。時にはレイアム様かご領主様が一緒にいる。レイアム様もご領主様も優しい。ナミリア様は相当可愛がられているようだ。
途中からナミリア様の勉強に付き合うようになった。三歳にして家庭教師がつくって貴族は大変なんだね。僕とナミリア様は算数と文字の勉強をする。ナミリア様は勉強が苦手だ。なかなか集中できないみたい。三歳児に勉強はやっぱり早いような気がする。
今日も算数の引き算で詰まっている。先生もなんか困ってるなあ。
「せんせー。ちょっと良い?」
「どうしました?リョウエスト君」
「ナミリア、ちょっと難しい。僕ナミリア教える。大丈夫?」
「教えられるのですか?やってみて下さい」
「ナミリア、ちょっと良い?」
「はい!」
「これ見て」
僕はカバンの財布から銅貨10枚を取り出す。
「それなあに?」
「お金。知ってる?」
「知ってる!これ、お金?」
「そうそう。これ銅貨」
「きれいね」
「きれいだね」
僕は銅貨10枚を並べる。
「これ、物を買う、わかる?」
「レイ、教えてもらったー」
「うん。この一枚、りんごが一個、買える」
「ふーん。りんご、買える」
「これ、りんご、何個買える?」
「いちにーさんしー…10個!」
「よくできたねー。偉いねー」
「ふふー」
「3個買う、いくついる?」
「さんまい」
「そうだねー。すごいねー」
「ふふー」
「じゃあ残りは何枚?」
「いち、にー、さん、しー…ななまい」
「正解!えらいねー!じゃあ次」
と言って何題か例題を出す。
「じゃあ、銅貨、手、持って」
「はい!」
「うふー。ナミリア、お店行く。りんご3個買う。何枚銅貨だす?」
「さんまい」
「残りは?」
「うーんと…いち、にー、さん…ななまい」
「次の店、オウトール、見つける、一個銅貨一枚。4個買う。残り何枚?」
などとだんだんハードルを上げたり、時間制限をつけたりしながらゲーム感覚で教える。一通りやったら今度は紙の計算をさせる。これも餌で釣る。全部できたら銅貨1枚をあげるって事にした。指をおりながら計算するナミリア様、そして
「できたー」
「ナミリアさん、できましたか?」
「せんせー、答え合わせ、お願い」
「はい。はい、全問正解です」
「やったー!」
「おめでとー。銅貨一枚だよ」
という感じでナミリア様の勉強嫌いを克服させるのを手伝う。勉強は楽しくやらないとね!
それから僕はレイアム様にある提案をした。
「レイアム様、お話いい?」
「リョウ、何かしら?」
「ナミリア、城の外、でる?」
「そういえば出たのはかなり前かしら」
「あのね、ナミリア、城の外、わかんないの」
「そうなの?」
「一度、お外に出て、見る、大丈夫?」
「そうした方がいいと思う?」
「うん!うちに来て、お買い物するの。お金、価値、わかるの。あとお城の外何があるか、わかるの」
「そうね。マックスにも相談してみるわ」
ちなみにご領主様の名前はマクシミリアンだ。
「お父さん、言っとく」
「頼むわね」
ふふ。きっとナミリア様喜ぶだろうな。しかし、この後ご領主様のナミリア様の溺愛ぶりでうちが大変な事になるのをこの時の僕は気づかなかった。
その日、ルンルン気分で家に帰るとミシェ姉さんがすごい勢いで抱きついてきた。なんか「きゃー」って言っている。
おかしくなったのかな、と思ってミシェ姉さんを落ち着かせて話を聞く。
「ミシェ姉さん、大丈夫?何?どうしたの?」
「あのね、リョウ、うふふふふ」
「うん。大丈夫?」
「大丈夫じゃないわ。うふふふふ」
「お母さん呼ぶ?」
「それは大丈夫。リョウ、話を聞いて」
「うん。」
「私ね、私ね、ラーモン様に会ったの。キャーっ」
「うん。お見合い?」
「違うわ。ラーモン様とね、お会いしたのよ」
「わからないよ」
「あのね、ラーモン様とお会いしたのよ!」
「うーん。わからないよ」
それから要領の得ない話が続く。我慢して聞いてみると、お爺様とニメイジ家の当主の計らいで街の茶館で顔合わせというか、お互いの姿を見合ったらしい。ラーモン様が想像以上に素敵な男性でものすごく嬉しかったみたいだ。お互い暗号を決められていたらしく、お見合いよろしくお願いします、という暗号がラーモン様から来たので、ラーモン様にこちらこそよろしくお願いします、と返したと言って僕を抱きしめて悶えていた。
食卓でもその話題になり、たった一回会っただけのラーモン様の事をひたすら惚気られた。お母さんはすごく喜んでいるが、お父さんはどこか苦虫を噛み殺したような顔で聞いている。
あまりに可哀想なので昼にレイアム様に話した事をお父さんに伝える。お父さんはひどく興奮して喜んでいたが、今度はエメイラが不機嫌になった。僕はどうしたら良かったんだろうか。人の気持ちって難しい。
あなたにおすすめの小説
異世界転生したので、文明レベルを21世紀まで引き上げてみた ~前世の膨大な知識を元手に、貧乏貴族から世界を変える“近代化の父”になります~
夏見ナイ
ファンタジー
過労死したプラントエンジニアの俺が転生したのは、剣と魔法の世界のド貧乏な貴族の三男、リオ。石鹸すらない不衛生な環境、飢える家族と領民……。こんな絶望的な状況、やってられるか! 前世の知識を総動員し、俺は快適な生活とスローライフを目指して領地改革を開始する!
農業革命で食料問題を解決し、衛生革命で疫病を撲滅。石鹸、ガラス、醤油もどきで次々と生活レベルを向上させると、寂れた領地はみるみる豊かになっていった。
逃げてきた伯爵令嬢や森のエルフ、ワケありの元騎士など、頼れる仲間も集まり、順風満帆かと思いきや……その成功が、強欲な隣領や王都の貴族たちの目に留まってしまう。
これは、ただ快適に暮らしたかっただけの男が、やがて“近代化の父”と呼ばれるようになるまでの物語。
最強魔法は生活魔法!? ~異世界ではモンスター退治も生活のうち~
gagaga
ファンタジー
神の気まぐれにより異世界へと転移した主人公田辺竜太(大学生)が生活魔法を駆使して冒険したり町の人と触れ合ったりする物語です。
なお、神が気まぐれすぎて一番最初に降り立つ地は、無人島です。
一人称視点、独り言多め、能天気となっております。
なお、作者が気ままに書くので誤字脱字は多いかもしれませんが、大目に見て頂けるとありがたいです。
ただ、敢えてそうしている部分もあり、ややこしくてすいません。(^^;A
ご指摘あればどんどん仰ってください。
※2017/8/29 連載再開しました!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ひだまりのFランク冒険者
みなと劉
ファンタジー
ここは異世界。
そこの冒険者ギルドでは毎日仕事がてんこ盛り。
そんな中
冒険者ギルドには万年Fランクの冒険者が一人いる。
その名は、リルド。
彼は、特に何もない感じに毎日
「薬草採取」「石集め」Fランク向け「討伐」場合によっては「ポーション生成」をする。
この話はこの万年Fランク冒険者リルドの物語である。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~
九條葉月
ファンタジー
第6回HJ小説大賞におきまして、こちらの作品が受賞・書籍化決定しました! ありがとうございます!
七歳の少女リーナは突如として前世の記憶を思い出した。
しかし、戸惑う暇もなく『銀髪が不気味』という理由で別邸に軟禁されてしまう。
食事の量も減らされたリーナは生き延びるために別邸を探索し――地下室で、ドラゴンの卵を発見したのだった。
孵化したドラゴンと共に地下ダンジョンに潜るリーナ。すべては、軟禁下でも生き延びるために……。
これは、前を向き続けた少女が聖女となり、邪竜を倒し、いずれは魔王となって平和に暮らす物語……。