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幼少時代。
兄弟の販売戦略会議。
お姉さんの見合いの日程が近づいてお姉さんは自分磨きに余念がない。部屋で鬼気迫る顔で縫い物をしてるし、料理なんかほとんどやったことがないのにマスに簡単な料理を学んでいた。…恋する女の子は強いな。
お兄さん二人が僕が書写してる部屋に突撃してきたのはそんなある日の事だった。
「リョウ、今大丈夫か?」
「んふー。いいよー」
「食堂にいくぞー」
とそのままストラ兄さんに抱き抱えられて僕は食堂に連れて来られる。
「リョウ、店の設計図ができた。見てくれ。お前の料理の店だからな、ちゃんと見るんだぞ」
ロイック兄さんは僕に設計図を見せながら言う。横からストラ兄さんはそれを横から説明してくれる。お店の中はかなり良い感じだと思う。結構広い厨房、客席は30程。お客さんも店の人も通りやすい動線。ロイック兄さんかストラ兄さんかわからないけど良く考えられてるなぁ、と思う。
外観の図面を見ると何か足りないと思った。よくよく考えてみると看板が入り口にしかない。綺麗な建物なのにもったいない。僕は前世でそういった仕事に携わっていた事がある。その僕が見ると足りない物がいっぱいだ。でも具体的にどうすれば良いか言いたくないなぁ。ヒントくらいに止めておこう。
「ロイック兄さん、看板、近くしかない。」
「どういう事だ?」
「遠くから見えない」
「そういうもんだよ。リョウ、このスサン商会だって店の下にしか看板ないし、普通のお店の看板はこうだぞ」
「いや、兄貴、リョウの言う事は一理あるぞ。ちょっと考えてみよう」
「そうだな。まずは既存のお店がなんで近くにしか看板をやらないか考えてみよう」
「兄貴、それはだな、予算の問題と取り外しが面倒って事じゃないか?」
「みんながやらないからやらないって事もあるよな」
ロイック兄さんとストラ兄さんが話し始める。途中で僕も助け舟を出す。
1時間くらい話して建物正面のファサードに看板がつく事になった。これは他にはないぞ、と喜んでいる。
よし、第二弾だ。
「ストラ兄さん、もっと、遠く、看板ない?」
「リョウ、それ意味ないだろ?」
「でも、お店、場所、みんな知らない」
「そうだな」
「なるほど。それも一理あるな。兄貴、考えてみよう」
「そうだな。まずは遠くに看板があるとどんな効果があるか考えるか」
「お店の名前や場所を知らせることができるよな」
「見たら商品を思い出すって事もあるのか」
「値段やどんな物があるか知らせるって意味もあるぞ」
またロイック兄さんとストラ兄さんが話を始める。それを僕はにこにこしながら見ていた。
半時くらい経って案内看板に辿り着き、ボクは一安心した。
「兄貴、これうちにしかないから勝ち確定だな」
「そうだな」
「お兄さん、お店、どこ?」
「繁華街だ。結構良い土地だぞ」
「うるさい、音、大丈夫?」
「多少は大丈夫じゃないか?」
「あのね、お店開く時、やったら?」
「何を?」
「何か」
「何かって何を…あー。例えばさ、何か音楽鳴らすってのはどうかな?」
「良いかもしれん。吟遊詩人読んでサーガの一節でもやってもらえば客は集まるな」
「それ良い。採用しようか。それで思いついたんだけどさ…」
活発な意見交換が行われる。さらに二、三個アイデアが出たところでとりあえずお開きになった。
数日後、僕はまたもお兄さんたちに抱き抱えられて、お店に行った。お店の会議室で完成図面を見せてもらう。うん、良い感じだね。
完成図面を見ながらストラ兄さんと話していたらロイック兄さんがお父さんを呼んできた。お父さんに図面を見せながらロイック兄さん、ストラ兄さんが説明する。他の店と大きな違いはこんな感じだ。
・入り口正面上にファサード看板。
・案内看板(3カ所)
・入り口前に吟遊詩人のステージ
・ドライブスルーならぬ馬車スルー
・チラシ配り
・ポイントカード
うん。僕はヒントを与えただけでこんだけ思いつくんだもの。びっくりだわ。多分商売の神様に気に入られているんだろうな。
「これ、お前達が考えたのか?」
「三人で考えたよ」
「良く考えたな。いやあ、今後のスサン商会も安泰だ。この看板のアイデアなんてこっちで真似したい程だ…待てよ……話は後だ。商業ギルドに行ってくる。お前達、良くやった」
お父さんは図面と計画書をまとめると店に出て馬車を呼び、出ていった。
「兄貴、なんだったんだろうねー」
「ああ、父さんが途中で商売人の顔になってたから何かの商売を思いついたんじゃないか?」
「お父さんは根っからの商売人だからなあ」
「面白い事考えてくるんじゃないか?」
「んふー。すごいねー」
結局、お父さんは夕食後に帰ってきた。大分お酒が入っているようだ。
「ふっふっふ。ロイック、ストラ、リョウ、父さんは幸せだぞ」
「まあ。結構呑んでらしたの?」
「ああ。商業ギルドの接待だ」
「ハッセルエン、解毒の術かける?」
「いや、このまま寝るから良い。ロイック、ストラ、明日学校を休みなさい。リョウは朝の練習終わったら食堂で待つように」
「なんで?」
「お前らのアイデア、商業特許できるぞ。ふっふっふ。良くやったな」
お兄さん二人が僕が書写してる部屋に突撃してきたのはそんなある日の事だった。
「リョウ、今大丈夫か?」
「んふー。いいよー」
「食堂にいくぞー」
とそのままストラ兄さんに抱き抱えられて僕は食堂に連れて来られる。
「リョウ、店の設計図ができた。見てくれ。お前の料理の店だからな、ちゃんと見るんだぞ」
ロイック兄さんは僕に設計図を見せながら言う。横からストラ兄さんはそれを横から説明してくれる。お店の中はかなり良い感じだと思う。結構広い厨房、客席は30程。お客さんも店の人も通りやすい動線。ロイック兄さんかストラ兄さんかわからないけど良く考えられてるなぁ、と思う。
外観の図面を見ると何か足りないと思った。よくよく考えてみると看板が入り口にしかない。綺麗な建物なのにもったいない。僕は前世でそういった仕事に携わっていた事がある。その僕が見ると足りない物がいっぱいだ。でも具体的にどうすれば良いか言いたくないなぁ。ヒントくらいに止めておこう。
「ロイック兄さん、看板、近くしかない。」
「どういう事だ?」
「遠くから見えない」
「そういうもんだよ。リョウ、このスサン商会だって店の下にしか看板ないし、普通のお店の看板はこうだぞ」
「いや、兄貴、リョウの言う事は一理あるぞ。ちょっと考えてみよう」
「そうだな。まずは既存のお店がなんで近くにしか看板をやらないか考えてみよう」
「兄貴、それはだな、予算の問題と取り外しが面倒って事じゃないか?」
「みんながやらないからやらないって事もあるよな」
ロイック兄さんとストラ兄さんが話し始める。途中で僕も助け舟を出す。
1時間くらい話して建物正面のファサードに看板がつく事になった。これは他にはないぞ、と喜んでいる。
よし、第二弾だ。
「ストラ兄さん、もっと、遠く、看板ない?」
「リョウ、それ意味ないだろ?」
「でも、お店、場所、みんな知らない」
「そうだな」
「なるほど。それも一理あるな。兄貴、考えてみよう」
「そうだな。まずは遠くに看板があるとどんな効果があるか考えるか」
「お店の名前や場所を知らせることができるよな」
「見たら商品を思い出すって事もあるのか」
「値段やどんな物があるか知らせるって意味もあるぞ」
またロイック兄さんとストラ兄さんが話を始める。それを僕はにこにこしながら見ていた。
半時くらい経って案内看板に辿り着き、ボクは一安心した。
「兄貴、これうちにしかないから勝ち確定だな」
「そうだな」
「お兄さん、お店、どこ?」
「繁華街だ。結構良い土地だぞ」
「うるさい、音、大丈夫?」
「多少は大丈夫じゃないか?」
「あのね、お店開く時、やったら?」
「何を?」
「何か」
「何かって何を…あー。例えばさ、何か音楽鳴らすってのはどうかな?」
「良いかもしれん。吟遊詩人読んでサーガの一節でもやってもらえば客は集まるな」
「それ良い。採用しようか。それで思いついたんだけどさ…」
活発な意見交換が行われる。さらに二、三個アイデアが出たところでとりあえずお開きになった。
数日後、僕はまたもお兄さんたちに抱き抱えられて、お店に行った。お店の会議室で完成図面を見せてもらう。うん、良い感じだね。
完成図面を見ながらストラ兄さんと話していたらロイック兄さんがお父さんを呼んできた。お父さんに図面を見せながらロイック兄さん、ストラ兄さんが説明する。他の店と大きな違いはこんな感じだ。
・入り口正面上にファサード看板。
・案内看板(3カ所)
・入り口前に吟遊詩人のステージ
・ドライブスルーならぬ馬車スルー
・チラシ配り
・ポイントカード
うん。僕はヒントを与えただけでこんだけ思いつくんだもの。びっくりだわ。多分商売の神様に気に入られているんだろうな。
「これ、お前達が考えたのか?」
「三人で考えたよ」
「良く考えたな。いやあ、今後のスサン商会も安泰だ。この看板のアイデアなんてこっちで真似したい程だ…待てよ……話は後だ。商業ギルドに行ってくる。お前達、良くやった」
お父さんは図面と計画書をまとめると店に出て馬車を呼び、出ていった。
「兄貴、なんだったんだろうねー」
「ああ、父さんが途中で商売人の顔になってたから何かの商売を思いついたんじゃないか?」
「お父さんは根っからの商売人だからなあ」
「面白い事考えてくるんじゃないか?」
「んふー。すごいねー」
結局、お父さんは夕食後に帰ってきた。大分お酒が入っているようだ。
「ふっふっふ。ロイック、ストラ、リョウ、父さんは幸せだぞ」
「まあ。結構呑んでらしたの?」
「ああ。商業ギルドの接待だ」
「ハッセルエン、解毒の術かける?」
「いや、このまま寝るから良い。ロイック、ストラ、明日学校を休みなさい。リョウは朝の練習終わったら食堂で待つように」
「なんで?」
「お前らのアイデア、商業特許できるぞ。ふっふっふ。良くやったな」
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