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幼少時代。
スサン兄弟の歌。
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「何をしているんだお前達は!伯爵様に歯向かうというのか?」
「はなからあんたの兵のつもりはねぇよ」
「俺はナフェル様の兵だ。何で知らないの?それでも騎士爵かよ」
兵士二人は笑いながら言った。
「お前らもやめた方がいいぜ。このおっさんの腹いせに使われるだけだ」
「恐喝に失敗したんだとよ。アジラスが吐いたわ」
残り二人の兵士は兵士達に向けて話す。
「アホのアジラスか。どうしようもないな」
「何だやっぱりそうなのかよ」
「スサン商会が間違った事する訳ないわな」
「おい、帰ろうぜ」
「ああ。残業になっちまうわ」
他の兵士は武器を収めて、撤収をはじめる。一人の兵士だけは貴族風の男の部下らしく、オロオロしていた。
「お前達!何をやってる!?早く戻れ」
「セルバルク騎士爵さんよ。あんたは死ねば良いよ」
「逃げ帰ることしかできないクソが」
「兵士を見下しやがって」
「あんた散々俺らのことをバカにしたよな。報いを受けろや」
兵士は悪態ついて帰っていく。
とりあえずあと二人だけか。みんなニコニコ笑って囲む。
バカ騎士爵の逃走するであろう反対側に木剣を構えた男達がいる。商会員達だ。隠れてろっていうのに聞き分けのない人達だね。
「ワシなんか可哀想に思えてきたわ」
お爺様がポツリと言って剣を納める。
「さて、投降するのは今のうちじゃぞ。そこな兵士、死にたくなければ武器を捨てろ」
兵士は慌てて武器である槍と剣を放り出して両手を上げてひざまずく。
「セルバルク騎士爵、お前もじゃ」
「うるさい!うるさいうるさいうるさいうるさい!えぇい。目にもの見せてやるわ。覚えておれ」
バカ騎士爵は踵を返すと群衆に向かって走り逃げ出そうとする。危ない!
走り出した瞬間、横から黒い物体が飛び込んできた!
砂煙が巻き起こる。砂煙が消えると出てきたのはバカ騎士爵の襟首を掴んで仁王立ちしているナイスミドルことレイさんだった。馬は完全に気絶している。
「私はあなたにスサン商会の帳簿まで調べろと言いましたか?」
レイさんはバカ騎士爵の頬にビンタを喰らわす。
「私はあなたにスサン商会の金を取ってこいと言いましたか?」
今度はグーで殴る。一切躊躇がない一撃だ。
「私はあなたにスサン商会を襲えと言いましたか?」
バカ騎士爵が吹っ飛ぶ。どうやら蹴ったらしいが良く見えなかった。レイさんはバカ騎士の方へ歩いていく。
「私は、大事な、大切なナミリア様の心を傷つけろと言いましたか?」
殴り、蹴り、投げ飛ばした。
「私は、旦那様のひょうば……」
やばい。騎士爵死んじゃうよ。そう思った時、自然とレイさんの元へ走り寄った。
「レイさん!めー!」
レイさんは動きを止めた。
「リョウ様……」
「レイさん、人殺し、めー!レイさん、良い人、人殺し、ダメ」
「リョウ様……」
「レイ!レイ!」
向こうからマックスさんの声と騎馬の音がし、騎馬兵と兵士が走ってきた。先頭にいるのはマックスさんだ。マックスさんはレイさんの前に馬を止める。
「レイ、まだ殺してないな」
「はい。殺すところでした。リョウ様に止められました」
「よし。者共、セルバルク騎士爵を捕らえよ!」
「「「はっ!」」」
「残りの兵は?」
「こちらに」
お父さんは投降した一人の兵を差し出す。
「うむ。こやつも捕らえよ!」
「「「はっ」」」
「よし。レイ!ナフェル!そしてそちらにいる兵士よ!帰るぞ!」
「ですが旦那様、私は今回取り返しのつかない失敗をしました。この責めは私にあります。どうぞ捕らえて頂きたい」
「だったらその分私に尽くせ。頼む、レイ」
「……かしこまりました。旦那様に終生身命を賭してお仕えいたします」
「あー。お館様、ワシもう辞めたんじゃが」
「ならん。ならんぞ。お前は民を守るため、私の制止を振り切って出た。その騎士道精神が我が領に必要なのだ。これからもよろしく頼む」
マックスさんは頭を下げた。
「…了解した。ワシも身命を賭して仕える事を誓う。兵士達よ、帰るぞ」
「「「「はい!」」」」
「さて、スサン商会よ。毎度我が身の至らなさで迷惑をかける。すまんな。今後とも良い付き合いを望む」
「かしこまりました。今後ともルステイン領の為、伯爵様の為より良い店を作っていく事を誓います」
「うむ。よろしく頼む……今度娘をそちらに見学に行かせる。ハッセルエン、リョウ相手を頼むぞ」
「かしこまりました」
「うん!」
「リョウ、明後日待ってるぞ」
そうか。明後日は城に行く日か。
「うん!」
「ではな」
マックスさん達は帰っていった。
翌日、レイさんとお爺様がやってきて事情を説明してくれた。
レイアムさんが街にナミリアを連れて見学に行く事が決定した。マックスさんはレイアムさんや娘さんが危なくないように、周囲に怪しい者がいないか調べよとレイさんに命じる。
レイさんは自分の手の者を使い調べ始めたが、調べているのをどこからか嗅ぎつけたセルバルク騎士爵が自分も参加させろとレイさんに言い、スサン商会の周りを調べはじめた。
調べれば調べるほどガードが硬くなる。これは何か隠しているんじゃないかと思い、恐喝に及んだが返り討ちにあい、兵士を集めて報復に及んだと言う話だ。
今回スサン商会が兵士達を傷つけたのは正当防衛とされてお咎めなし。セルバルク騎士爵は罪状を晒されて、百叩きの上、きつい労役を課せられるとの事。ひとまずはスサン商会に悪評が広まるかもしれないが、今後伯爵家と友好な関係を示していくとの事で許して欲しいという事だ。
ひとまずこれで騒動は終わった。
その後酒場で吟遊詩人の歌が流行りだす。
実直な父と美しい母を支える三人の兄弟の歌だ。
ひとりは『スサンの英傑』
ひとりは『スサンの神童』
そしてもうひとりは『スサンの天使』
そんな三人が協力して貴族の横暴を跳ね除ける歌。
歌は街から街へ流れ出す。人々の憧れを乗せて………。
「はなからあんたの兵のつもりはねぇよ」
「俺はナフェル様の兵だ。何で知らないの?それでも騎士爵かよ」
兵士二人は笑いながら言った。
「お前らもやめた方がいいぜ。このおっさんの腹いせに使われるだけだ」
「恐喝に失敗したんだとよ。アジラスが吐いたわ」
残り二人の兵士は兵士達に向けて話す。
「アホのアジラスか。どうしようもないな」
「何だやっぱりそうなのかよ」
「スサン商会が間違った事する訳ないわな」
「おい、帰ろうぜ」
「ああ。残業になっちまうわ」
他の兵士は武器を収めて、撤収をはじめる。一人の兵士だけは貴族風の男の部下らしく、オロオロしていた。
「お前達!何をやってる!?早く戻れ」
「セルバルク騎士爵さんよ。あんたは死ねば良いよ」
「逃げ帰ることしかできないクソが」
「兵士を見下しやがって」
「あんた散々俺らのことをバカにしたよな。報いを受けろや」
兵士は悪態ついて帰っていく。
とりあえずあと二人だけか。みんなニコニコ笑って囲む。
バカ騎士爵の逃走するであろう反対側に木剣を構えた男達がいる。商会員達だ。隠れてろっていうのに聞き分けのない人達だね。
「ワシなんか可哀想に思えてきたわ」
お爺様がポツリと言って剣を納める。
「さて、投降するのは今のうちじゃぞ。そこな兵士、死にたくなければ武器を捨てろ」
兵士は慌てて武器である槍と剣を放り出して両手を上げてひざまずく。
「セルバルク騎士爵、お前もじゃ」
「うるさい!うるさいうるさいうるさいうるさい!えぇい。目にもの見せてやるわ。覚えておれ」
バカ騎士爵は踵を返すと群衆に向かって走り逃げ出そうとする。危ない!
走り出した瞬間、横から黒い物体が飛び込んできた!
砂煙が巻き起こる。砂煙が消えると出てきたのはバカ騎士爵の襟首を掴んで仁王立ちしているナイスミドルことレイさんだった。馬は完全に気絶している。
「私はあなたにスサン商会の帳簿まで調べろと言いましたか?」
レイさんはバカ騎士爵の頬にビンタを喰らわす。
「私はあなたにスサン商会の金を取ってこいと言いましたか?」
今度はグーで殴る。一切躊躇がない一撃だ。
「私はあなたにスサン商会を襲えと言いましたか?」
バカ騎士爵が吹っ飛ぶ。どうやら蹴ったらしいが良く見えなかった。レイさんはバカ騎士の方へ歩いていく。
「私は、大事な、大切なナミリア様の心を傷つけろと言いましたか?」
殴り、蹴り、投げ飛ばした。
「私は、旦那様のひょうば……」
やばい。騎士爵死んじゃうよ。そう思った時、自然とレイさんの元へ走り寄った。
「レイさん!めー!」
レイさんは動きを止めた。
「リョウ様……」
「レイさん、人殺し、めー!レイさん、良い人、人殺し、ダメ」
「リョウ様……」
「レイ!レイ!」
向こうからマックスさんの声と騎馬の音がし、騎馬兵と兵士が走ってきた。先頭にいるのはマックスさんだ。マックスさんはレイさんの前に馬を止める。
「レイ、まだ殺してないな」
「はい。殺すところでした。リョウ様に止められました」
「よし。者共、セルバルク騎士爵を捕らえよ!」
「「「はっ!」」」
「残りの兵は?」
「こちらに」
お父さんは投降した一人の兵を差し出す。
「うむ。こやつも捕らえよ!」
「「「はっ」」」
「よし。レイ!ナフェル!そしてそちらにいる兵士よ!帰るぞ!」
「ですが旦那様、私は今回取り返しのつかない失敗をしました。この責めは私にあります。どうぞ捕らえて頂きたい」
「だったらその分私に尽くせ。頼む、レイ」
「……かしこまりました。旦那様に終生身命を賭してお仕えいたします」
「あー。お館様、ワシもう辞めたんじゃが」
「ならん。ならんぞ。お前は民を守るため、私の制止を振り切って出た。その騎士道精神が我が領に必要なのだ。これからもよろしく頼む」
マックスさんは頭を下げた。
「…了解した。ワシも身命を賭して仕える事を誓う。兵士達よ、帰るぞ」
「「「「はい!」」」」
「さて、スサン商会よ。毎度我が身の至らなさで迷惑をかける。すまんな。今後とも良い付き合いを望む」
「かしこまりました。今後ともルステイン領の為、伯爵様の為より良い店を作っていく事を誓います」
「うむ。よろしく頼む……今度娘をそちらに見学に行かせる。ハッセルエン、リョウ相手を頼むぞ」
「かしこまりました」
「うん!」
「リョウ、明後日待ってるぞ」
そうか。明後日は城に行く日か。
「うん!」
「ではな」
マックスさん達は帰っていった。
翌日、レイさんとお爺様がやってきて事情を説明してくれた。
レイアムさんが街にナミリアを連れて見学に行く事が決定した。マックスさんはレイアムさんや娘さんが危なくないように、周囲に怪しい者がいないか調べよとレイさんに命じる。
レイさんは自分の手の者を使い調べ始めたが、調べているのをどこからか嗅ぎつけたセルバルク騎士爵が自分も参加させろとレイさんに言い、スサン商会の周りを調べはじめた。
調べれば調べるほどガードが硬くなる。これは何か隠しているんじゃないかと思い、恐喝に及んだが返り討ちにあい、兵士を集めて報復に及んだと言う話だ。
今回スサン商会が兵士達を傷つけたのは正当防衛とされてお咎めなし。セルバルク騎士爵は罪状を晒されて、百叩きの上、きつい労役を課せられるとの事。ひとまずはスサン商会に悪評が広まるかもしれないが、今後伯爵家と友好な関係を示していくとの事で許して欲しいという事だ。
ひとまずこれで騒動は終わった。
その後酒場で吟遊詩人の歌が流行りだす。
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