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幼少時代。
慌ただしい登録。
王都ではマックスこと、マクシミリアン・ラ・ルステイン伯爵が困っていた。
献上したチキンとオウトールが好評で色々な貴族に呼ばれ友誼を結ぶ事が出来たが、彼ら、彼女らは一斉に「ルステイン領の新しい料理はまだあるのか(しら)」と尋ねてきたのだ。その度曖昧に応えたいたが、しまいには王様まで「あの料理は私の大好物になった。彼の者の新しい料理が出たらまた持ってきてもらいたい」と言われる始末。
その話がどう広まったか、王都の社交の最後の舞台、王室が主催する大舞踏会で新しい料理が披露される、という噂が流れはじめた。伯爵は領都にいる家宰のレイことレイフェルトンに問い合わせる…珍しいルステイン料理はないかと。
レイフェルトンはすぐさま料理ギルドに問い合わせるが、解答は芳しいものではなかった。諦めて王都にその事を伝えようとする、がその時料理ギルド長のマジスから一報が入る…リョウエスト・スサンが新料理を登録すると。
かくして、伯爵家が絡む新料理登録が始まった。
僕はいつものように朝、修行していた。そこにミザーリが慌ててやってきた。
「主よ、お城から先触れがあり、レイフェルトン様がこちらにやってくるようです」
「なんで?」
「新しい料理登録を急いでいるとか」
「なんか、あったの?」
「わかりません。とにかく準備を」
「わかった」
着替えをしてたらロイック兄さんも来た。
「リョウ、急いでくれ。料理の名前は決まったのか?」
「うん!」
「どんな名前だ?」
「ナミリア」
「だめだ。ナミリア様に失礼だろ」
「えー」
「とにかく別の名前を考えてくれ」
「うん」
僕はぶつぶつと名前を考えながらエスナの手を借り着替えを続ける。
「着替えたな。じゃあ、店に行くぞ」
僕はロイック兄さんに抱えられ店に出た。
店に出るとレイさんがお店の入り口で待っていた。
「ロイックエン様、リョウ様、急がせたようで申し訳ありません。火急の用で新料理の登録を急いでお願いしたいのです。お願いできますでしょうか?」
「はい。わかりました。リョウ、いけるな?」
「うん!」
「馬車を用意しております。お乗り下さい」
僕、ロイック兄さん、レイさんが伯爵家の馬車に乗り込む。馬車の横には騎士が待機している。その物々しさに僕はこの新料理登録に伯爵家の進退がかかっているのを肌で感じた。
馬車は走り出し、レイさんが口を開く。
「今回の新料理登録には我々の命運がかかっていると言っても過言ではありません。リョウ様の料理があまりに素晴らしかった為、他の料理を王様や他家の貴族達が望まれているのです。ここで新料理が披露できれば、ご主人様の躍進に繋がります。リョウ様、よろしくお願い致します」
「うん。わかった!急ぐ?」
「ええ。明後日の大舞踏会に間に合わせたいのです。お願い致します」
「名前、考える」
「リョウ、口に出していってごらん。良いのを選ぼう」
ロイック兄さんにそう言われて色々名前を捻り出す。それは料理ギルドに着くまで続いたがなかなか良いのが決まらなかった。
「うーん、うーん」
頼みの綱のハンバーグもダメだった。ロイック兄さんに手を引かれてロビーに入るとマジスさんと城の料理長ウスターさんが待っていた。
「リョウはん、いらっしゃい。待っとったで。早速新料理登録はじめよか」
「今日リョウエストさんの助手を務める。よろしく頼むな」
「うん!でも料理、名前、決まらない」
「料理名を考えながら作れば良いやろ。ほな早速特設キッチンにいこか」
キッチンに移動する。その間でも色々名前をぶつぶつと言う。リョウ◯◯はもう使っていてインパクトに欠けるからダメだと言われ、他の名前もしっくり来ない。
どうしようか考えていたらレイさんが助け船を出してくれた。
「リョウに対してエストというのはどうでしょう?」
「ああ、それも良いですね。リョウ、エスト◯◯で考えてみろ」
ロイック兄さんは僕の頭を撫でながら言う。エスト◯◯で色々と考える。キッチンに入った時ふと思いついて口に出す。
「えすと、ばーぐ。エストバーグ!」
「バーグってどんな意味だい?」
「わかんない」
「でも響きは良いな。僕は良いと思う」
「リョウはん、それ良いと思うで」
「うん!エストバーグ、行く」
「わかったで。みんなよう聞いたってくれ。リョウはんの新料理登録を始める。名前はエストバーグだ。伯爵様の躍進がかかっているそうや。きっちり審査したってくれよ」
「「「はい」」」
「ほな。リョウはん、頼むで」
「うん!ウスターさん、お願い」
「わかりました」
「豚と牛、パン、玉ねぎ、塩、胡椒、卵、お願いします」
「ああ。全部揃っています」
「豚と牛、半々で一人前」
「はい」
「豚、牛、パン、玉ねぎ、みじん切りで………」
調理がはじまった。伯爵家の調理人と料理ギルド数人がメモをとっている。ウスターさんと助手さんが一生懸命仕込みをする。ロイック兄さんは提出する書類と格闘していた。
仕込みが終わり焼き始める。その間にもメモをしている人達の手は止まらない。料理ギルドの幹部の人達もソワソワしてきた。良い匂いが漂いはじめたからだ。
両面焼いて水を入れて蓋をする。あとは少し待つだけだ。ロイック兄さんも書類が終わったようだ。顔を見合わせて親指を立てる。
皿に盛り付けて完成だ。出来上がるとみんなが拍手する。ウスターさんと握手する。さて、みんなの反応はどうかな?
「ほなみんな味見しよか」
「「「はい」」」
ギルドのみなさんとレイさん、ウスターさんが味見する。
「なんやこれ。すごいわ。外がカリッとして中ふわふわやん。肉汁が溢れ出してくる」
「私は料理は門外漢ですが、これは凄い料理だとわかります。リョウ様、これで伯爵家は救われます」
「リョウエスト様の発想には驚きました。この味を王都にしっかりと伝えなくては」
「これは美味い」
「美味しい。これがルステインに広まるなんて最高ね」
ギルドの副料理長のリィスさんが感激して僕を抱きしめた。お胸が当たる。うふふふ。
「決をとろか。これは新料理として認定だと思う者、手を上げ」
みんな揃って手を上げる。
「おめでとう。リョウはん。新料理としてギルドはこのエストバーグを認めるで」
「ありがと」
拍手が鳴り響く。レイさんも嬉しそうだ。
「レイさん、間に合う?」
「はい。王都の超特急便のワイバーンを手配しましたから。ウスターと料理人を乗せて午後には出発します」
ワイバーン、いるのか。ファンタジーだなぁ。
献上したチキンとオウトールが好評で色々な貴族に呼ばれ友誼を結ぶ事が出来たが、彼ら、彼女らは一斉に「ルステイン領の新しい料理はまだあるのか(しら)」と尋ねてきたのだ。その度曖昧に応えたいたが、しまいには王様まで「あの料理は私の大好物になった。彼の者の新しい料理が出たらまた持ってきてもらいたい」と言われる始末。
その話がどう広まったか、王都の社交の最後の舞台、王室が主催する大舞踏会で新しい料理が披露される、という噂が流れはじめた。伯爵は領都にいる家宰のレイことレイフェルトンに問い合わせる…珍しいルステイン料理はないかと。
レイフェルトンはすぐさま料理ギルドに問い合わせるが、解答は芳しいものではなかった。諦めて王都にその事を伝えようとする、がその時料理ギルド長のマジスから一報が入る…リョウエスト・スサンが新料理を登録すると。
かくして、伯爵家が絡む新料理登録が始まった。
僕はいつものように朝、修行していた。そこにミザーリが慌ててやってきた。
「主よ、お城から先触れがあり、レイフェルトン様がこちらにやってくるようです」
「なんで?」
「新しい料理登録を急いでいるとか」
「なんか、あったの?」
「わかりません。とにかく準備を」
「わかった」
着替えをしてたらロイック兄さんも来た。
「リョウ、急いでくれ。料理の名前は決まったのか?」
「うん!」
「どんな名前だ?」
「ナミリア」
「だめだ。ナミリア様に失礼だろ」
「えー」
「とにかく別の名前を考えてくれ」
「うん」
僕はぶつぶつと名前を考えながらエスナの手を借り着替えを続ける。
「着替えたな。じゃあ、店に行くぞ」
僕はロイック兄さんに抱えられ店に出た。
店に出るとレイさんがお店の入り口で待っていた。
「ロイックエン様、リョウ様、急がせたようで申し訳ありません。火急の用で新料理の登録を急いでお願いしたいのです。お願いできますでしょうか?」
「はい。わかりました。リョウ、いけるな?」
「うん!」
「馬車を用意しております。お乗り下さい」
僕、ロイック兄さん、レイさんが伯爵家の馬車に乗り込む。馬車の横には騎士が待機している。その物々しさに僕はこの新料理登録に伯爵家の進退がかかっているのを肌で感じた。
馬車は走り出し、レイさんが口を開く。
「今回の新料理登録には我々の命運がかかっていると言っても過言ではありません。リョウ様の料理があまりに素晴らしかった為、他の料理を王様や他家の貴族達が望まれているのです。ここで新料理が披露できれば、ご主人様の躍進に繋がります。リョウ様、よろしくお願い致します」
「うん。わかった!急ぐ?」
「ええ。明後日の大舞踏会に間に合わせたいのです。お願い致します」
「名前、考える」
「リョウ、口に出していってごらん。良いのを選ぼう」
ロイック兄さんにそう言われて色々名前を捻り出す。それは料理ギルドに着くまで続いたがなかなか良いのが決まらなかった。
「うーん、うーん」
頼みの綱のハンバーグもダメだった。ロイック兄さんに手を引かれてロビーに入るとマジスさんと城の料理長ウスターさんが待っていた。
「リョウはん、いらっしゃい。待っとったで。早速新料理登録はじめよか」
「今日リョウエストさんの助手を務める。よろしく頼むな」
「うん!でも料理、名前、決まらない」
「料理名を考えながら作れば良いやろ。ほな早速特設キッチンにいこか」
キッチンに移動する。その間でも色々名前をぶつぶつと言う。リョウ◯◯はもう使っていてインパクトに欠けるからダメだと言われ、他の名前もしっくり来ない。
どうしようか考えていたらレイさんが助け船を出してくれた。
「リョウに対してエストというのはどうでしょう?」
「ああ、それも良いですね。リョウ、エスト◯◯で考えてみろ」
ロイック兄さんは僕の頭を撫でながら言う。エスト◯◯で色々と考える。キッチンに入った時ふと思いついて口に出す。
「えすと、ばーぐ。エストバーグ!」
「バーグってどんな意味だい?」
「わかんない」
「でも響きは良いな。僕は良いと思う」
「リョウはん、それ良いと思うで」
「うん!エストバーグ、行く」
「わかったで。みんなよう聞いたってくれ。リョウはんの新料理登録を始める。名前はエストバーグだ。伯爵様の躍進がかかっているそうや。きっちり審査したってくれよ」
「「「はい」」」
「ほな。リョウはん、頼むで」
「うん!ウスターさん、お願い」
「わかりました」
「豚と牛、パン、玉ねぎ、塩、胡椒、卵、お願いします」
「ああ。全部揃っています」
「豚と牛、半々で一人前」
「はい」
「豚、牛、パン、玉ねぎ、みじん切りで………」
調理がはじまった。伯爵家の調理人と料理ギルド数人がメモをとっている。ウスターさんと助手さんが一生懸命仕込みをする。ロイック兄さんは提出する書類と格闘していた。
仕込みが終わり焼き始める。その間にもメモをしている人達の手は止まらない。料理ギルドの幹部の人達もソワソワしてきた。良い匂いが漂いはじめたからだ。
両面焼いて水を入れて蓋をする。あとは少し待つだけだ。ロイック兄さんも書類が終わったようだ。顔を見合わせて親指を立てる。
皿に盛り付けて完成だ。出来上がるとみんなが拍手する。ウスターさんと握手する。さて、みんなの反応はどうかな?
「ほなみんな味見しよか」
「「「はい」」」
ギルドのみなさんとレイさん、ウスターさんが味見する。
「なんやこれ。すごいわ。外がカリッとして中ふわふわやん。肉汁が溢れ出してくる」
「私は料理は門外漢ですが、これは凄い料理だとわかります。リョウ様、これで伯爵家は救われます」
「リョウエスト様の発想には驚きました。この味を王都にしっかりと伝えなくては」
「これは美味い」
「美味しい。これがルステインに広まるなんて最高ね」
ギルドの副料理長のリィスさんが感激して僕を抱きしめた。お胸が当たる。うふふふ。
「決をとろか。これは新料理として認定だと思う者、手を上げ」
みんな揃って手を上げる。
「おめでとう。リョウはん。新料理としてギルドはこのエストバーグを認めるで」
「ありがと」
拍手が鳴り響く。レイさんも嬉しそうだ。
「レイさん、間に合う?」
「はい。王都の超特急便のワイバーンを手配しましたから。ウスターと料理人を乗せて午後には出発します」
ワイバーン、いるのか。ファンタジーだなぁ。
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