僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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神の修行。

ついに5歳に。

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 5歳になった。ようやく聖別式の年だ。あと10日後に行われる聖別式を僕は楽しみにしている。これで思う存分魔法と魔術の練習ができるし、修行にも本腰を入れられる。

 今日は僕の誕生日で家中がバタバタしている。5歳の誕生日は特別な誕生日だ。この世界では乳幼児の死亡率が高く5歳になるまで死ぬものが多い。5歳になってようやく人間として認められるのだ。リーリシアさんは5歳になった子供に祝福を与える。それが先天性スキルだ。先天性スキルとは産まれた時から持っていた個性が形となったもので、多くの者が持っている。

 例えば騎士に憧れている子がいたとしよう。その子は騎士の先天性スキルの一つを得る可能性がある。だが得れない可能性がある。得れる可能性が上がる要因として、自分の近親者や近親者の友人、知り合いが騎士だった場合である。『親の背中を見て子は育つ』と言うがその仕事ぶりを見て憧れている場合は騎士のスキルの一つを得る可能性があがる。逆に得る可能性が減る要因として環境や教育が考えられる。騎士に対する大まかな予備知識を得る事ができない場合は減るし、教育環境が合わない場合も減る。環境、教育が育っていても親の過度な期待による抑圧や教育の詰めすぎなどで得る可能性を失う事もある。

 うちのロイック兄さんで言うと、ロイック兄さんは先天性スキルでいくつかの商人系のスキルを持っている。得た原因は父親が優秀な商人であり、その仕事ぶりを見ていたおかげだ。兄さんは商人になることに憧れていた。そして商人の事をよく知る環境にあり、その教育を受ける受け皿があったからいくつかのスキルを得るに至った。 

 この先天性スキルは経験を積みやすく大成しやすいという特徴がある。のちに得る後天性スキルと比べて遥かな差があるのだ。ちなみに後天性スキルはちゃんとした教師と適切な訓練で得る事ができるが、本人達の絶え間ない努力が必要になってくる。お父さんの剣術やお兄さん達の魔法なんかは後天性スキルだがお父さんやお兄さん、相当努力しているからね。

 さて、そんな事を考えている間に僕の誕生日パーティーの準備が整ったみたい。今日はいつものような服とは違い騎士服のような服を着る。これは七五三の時の着物のようにこの日と聖別式の日に着る衣装で男の子はこの騎士服風の衣装、女の子はエプロンドレスという決まりがある。貧民層や子供に感心がない家は着ない場合が多いが、うちは普通より豪華な衣装のようだ。
 エメイラとミザーリ、アニナやギピアは似合ってると言ってくれたが実際どうなのかわからない。午前中この格好でお店に出た時お客様に「かわいいわよ」「似合ってるね」と言ってもらえたからまあまあ似合っているんじゃないかな。
 誕生日パーティーは商会員かぞくの希望でみんなで集まる事になった。続々と新しい食堂に集まる商会員かぞくとその家族。僕は色々な人に祝ってもらえて嬉しかった。

 お父さんが僕を連れてみんなの前に立つ。

「みんな集まってくれてありがとう。みな知ってるように今日は末の息子リョウの5歳の誕生日だ。ようやくリョウは5歳になり、人間として認められるようになった。みな、祝ってやってくれ。リョウ、挨拶を」
「うん!皆様、今日は、ありがと。今後とも、よろしく、おねがいします!」

 パーティーが始まった。まずはモムノフさんが商会員のみんなからプレゼントだといってプレゼントを持ってきてくれた。鍛治師のテバーンさん作の刃引きしたショートソードだった。
 ドルトとアニナからは薬師の道具セットをもらう。これ、欲しかったんだよね。
 パーティー料理は僕の料理と僕が好きな牛肉のソテーと野菜のサラダだった。みんなすごく美味しいと言って食べたり飲んだりしている。パーティーは思いの外盛り上がった。商会員の家族の子供と集まりみんなで遊んだりした。
 
 そして家に戻ってから家族の祝いを受けた。
 まずミシェ姉さんからは何着かの手作りの服をもらう。お店に出る時の商人風の服が多かった。普通の格好して出てたから何気にうれしかった。
 ストラ兄さんからは来年の初等学校で使う教材と紙束。ロイック兄さんは魔法道具の卓上型照明と包丁をくれた。これで勉強と調理が捗る。
 ミザーリは傭兵時代に王国各地で集めた地図をくれ、エメイラは何冊かの魔法関係の書物をくれた。
 そしてお父さん、お母さんからは『収納』スキルのスキル書。これ高かったんじゃないかな。お父さんは早速読んでみろと言う。エメイラが補足してくれる。

「スキル書っていうのはね、スキルを得れる確率が上がる本なの。先天性スキルを得る場合、得る確率がかなり上がるわ。一冊だけならほぼ確定で得れるの。二冊目、三冊目と読む事は出来るけど、おすすめしないわ。ほぼ七割は失敗するんですもの」
「ふーん。聖別式前、使うの?」
「そうよ。それが一般的。後天性スキルで得たい場合に使う場合があるけど、九割は失敗すると言われているわ。その『収納』は本当に便利で使い勝手が良いスキルだから読むと良いわね。私なんて聖別式後にそのスキルを得る事になったから何冊も読む事になったの」
「スキル書、一回、一冊?」
「そうよ。どう言う仕組みかわからないけど、一度読むと白紙に変わるわ。だからスキル書は高いのよ」
「じゃあ、読む」
「そうね。明日、いつも書写をする時間に読むと良いわね」
「わかった」

 それから家族と色々話をする。楽しい誕生日の夜は更けていった。
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