80 / 806
神の修行。
風の神。
「ところでこの料理って地球のー?」
「そうですよ」
「地球のおいしくて甘いのほしい」
「それ全部食べたら良いですよ」
「えー、今食べたいー」
「アネーシャ、出された物は全部食べなさい」
「はーい」
僕はモンブランを二つ出してあげた。
「ところでー、二人は一緒に住んでるの?」
「はい」
「そうね」
「ひゅーひゅーだねー」
「はいはい。茶化さないの」
「私も誰かと一緒に住むかな」
「ひと所にずっといれないあなたには無理ね」
「私も良い人ができたらちゃんとするもん」
「この間良いって言ってた子はどうしたの?」
「えーとどの人?」
「冒険者やってる緑髪の子」
「あー、あの子ね。なんか途中から領主になるって言ったからやめたー」
うーん。女性同士の話はどう対処すれば良いのだろう。女性経験がほとんどない僕はこういう時困ってしまう。
「それでね、この前すっごく良い子がいたの」
「どんな子?」
「なんかねー、王族みたいなんだけど冒険者してるの。狩人としても一流なのよー。それでいて初心なところがあるわけ。守ってあげたくなっちゃう」
「加護あげたの?」
「とうぜんー。しばらくその人を見てみたいなーってね」
「はあ。ちゃんと面倒見なさいね」
「うん。今度はちゃんとするよー」
「そう?ちゃんとした事見た事ないわよ」
二人は食後のデザートを楽しんでいる。長くなりそうだ。そうっと退避しよう。
「あ、あの僕はそろそろ鍛錬に行こうかな」
「ええ。リョウ、いってらっしゃい」
「いってらー」
外に出てほぉっと息を吐く。準備運動やストレッチをする。それから僕はまた陸上競技場を作るとしばらく歩いた後、走り出した。
短距離の走り方を復習する。それから何度も何度も走り込み精神に染み込ませるように形をなぞる。途中から剣を差して走った。剣が邪魔にならないよう左手で鞘を持って走る。なかなか最適解な走り方にならない。何度も休憩して続ける。ふと見るとアネーシャさんが見ていた。気にせず続けてるといきなり目の前に飛んできた。
「ねえねえ、リョウ何してるの?」
「走り方の練習をしてます」
「ふうん。冒険者が何かやるの?」
「わからないけどもう守られてばかりは嫌なんで修行してます」
「そういうの良いね」
「ありがとうございます?」
「そういえば薬師の修行もしてるんだよねー?」
「はい。ルステインのラクラ薬師って人に師事してますね」
「知ってる。私の愛し子なの」
「そうなんですか?」
「そう。私は風の神なんだけどー、自然と冒険と豊穣の神なのねー。だから有能な子は好きなのね。あの子は冒険者としては二流だったけど薬師としてはかなりすごい子だから応援してるの」
「へえー。ラクラ薬師ってすごいんですね」
「だから縁が繋がってうれしいのー」
「繋げてもらってありがとうございます」
「あら、私は繋げてないわよ。リョウの力かナーディルのせいじゃないかなー」
「そうなんですね。ナーディルさんに感謝しないと」
「あいつには別にいいわよ。あんまり気にするやつじゃないし。それより薬草の見分け方でも教えてあげよー」
「え、良いんですか?」
「スキルは取れないかもしれないけどー。覚えておけば役にたつよ」
「ありがとうございます」
「じゃあー走ってー」
アネーシャさんが飛んでいく後ろを必死で走る。中距離の走り方だ。アネーシャさんはふふふっと笑いながら飛んでいく。しばらく全力で走らされ疲れ始めた頃アネーシャさんは止まった。
「この辺で良いかなー」
アネーシャさんが手をかざすと林が現れる。
「色々な薬草を植えたから探してみてねー」
「はい」
「リョウ、とりあえずは何も考えずに薬草っぽいのを探してみてー」
「とりあえず知ってるやつがあったのでそれを回収してから探します」
「勉強熱心だねー」
アネーシャさんが地上に降りる。今までずっと希薄な印象で姿が不明だったけどようやく見えてきた。アネーシャさんは緑色の髪に金の瞳、薄い色素の肌の美しい美女だ。背中にあまり実用的でなさそうな翼がついている。
「いえ。師匠が良いんですよ。それより急に姿が見えるようになったんですけど」
「普段は風をまとっているからねー。ここは気持ちいい風が吹くようにしたからいいのよー」
「なるほど。そうなんですね」
「よーし。探してみてね。それからその薬草をつんでみてねー」
薬草を探す。まずはいつも薬研している薬草を何種類か見つけて摘む。なるべく早く、綺麗に摘むのを心がける。根っこまでとって良いのか、根っこを残して摘むのか迷う。これ、小説だと取りすぎとか根っこ取って根絶やしとかなるって書いてあったなあ、と思ったので根っこは全部残すことにした。
それが取れたらあとは薬草探しだ。色々匂ってみて薬効がありそうかなあと思うものを摘んでみる。途中でアネーシャさんの顔を見たら風で顔を隠された。ノーヒントは流石につらい。
ある程度収獲したのでアネーシャさんに見てもらう。アネーシャさんが下に置きなさいというので置いたら、風が巻き起こり薬草が3カ所に振り分けられた。
「これが一番先に摘んだのね。うん。取り方は良いよー。ただもっと素早く取ってね。二番目のは実際薬効があるもの。毒草も少しあるけどそれも薬に使えるのー。三番目のはただの草かな。これは毒にも薬にもならないねー」
「これは難しいですね」
「でしょう。今から薬効のあるものを教えるね………」
アネーシャさんが薬草や毒草の効能や見分け方を教えてくれる。覚え切れるかなあ。
「……って感じなの。わかった?」
「わかりましたけど何回かやらないとダメみたいです」
「じゃあこの林はここに残しておくから練習してねー」
「はい」
「あ、やべ。じゃあねー」
アネーシャさんが慌てて飛んでいく。そこにナーディルさんが走ってきた。
「あの放蕩娘。逃げたか。リョウ、何かされなかったか?」
「いえ。薬草について教わっていました」
「ほう。あいつにしては殊勝だな。良し、リョウ。昨日の続きだ。行くぞ」
「あ、はい」
「そうですよ」
「地球のおいしくて甘いのほしい」
「それ全部食べたら良いですよ」
「えー、今食べたいー」
「アネーシャ、出された物は全部食べなさい」
「はーい」
僕はモンブランを二つ出してあげた。
「ところでー、二人は一緒に住んでるの?」
「はい」
「そうね」
「ひゅーひゅーだねー」
「はいはい。茶化さないの」
「私も誰かと一緒に住むかな」
「ひと所にずっといれないあなたには無理ね」
「私も良い人ができたらちゃんとするもん」
「この間良いって言ってた子はどうしたの?」
「えーとどの人?」
「冒険者やってる緑髪の子」
「あー、あの子ね。なんか途中から領主になるって言ったからやめたー」
うーん。女性同士の話はどう対処すれば良いのだろう。女性経験がほとんどない僕はこういう時困ってしまう。
「それでね、この前すっごく良い子がいたの」
「どんな子?」
「なんかねー、王族みたいなんだけど冒険者してるの。狩人としても一流なのよー。それでいて初心なところがあるわけ。守ってあげたくなっちゃう」
「加護あげたの?」
「とうぜんー。しばらくその人を見てみたいなーってね」
「はあ。ちゃんと面倒見なさいね」
「うん。今度はちゃんとするよー」
「そう?ちゃんとした事見た事ないわよ」
二人は食後のデザートを楽しんでいる。長くなりそうだ。そうっと退避しよう。
「あ、あの僕はそろそろ鍛錬に行こうかな」
「ええ。リョウ、いってらっしゃい」
「いってらー」
外に出てほぉっと息を吐く。準備運動やストレッチをする。それから僕はまた陸上競技場を作るとしばらく歩いた後、走り出した。
短距離の走り方を復習する。それから何度も何度も走り込み精神に染み込ませるように形をなぞる。途中から剣を差して走った。剣が邪魔にならないよう左手で鞘を持って走る。なかなか最適解な走り方にならない。何度も休憩して続ける。ふと見るとアネーシャさんが見ていた。気にせず続けてるといきなり目の前に飛んできた。
「ねえねえ、リョウ何してるの?」
「走り方の練習をしてます」
「ふうん。冒険者が何かやるの?」
「わからないけどもう守られてばかりは嫌なんで修行してます」
「そういうの良いね」
「ありがとうございます?」
「そういえば薬師の修行もしてるんだよねー?」
「はい。ルステインのラクラ薬師って人に師事してますね」
「知ってる。私の愛し子なの」
「そうなんですか?」
「そう。私は風の神なんだけどー、自然と冒険と豊穣の神なのねー。だから有能な子は好きなのね。あの子は冒険者としては二流だったけど薬師としてはかなりすごい子だから応援してるの」
「へえー。ラクラ薬師ってすごいんですね」
「だから縁が繋がってうれしいのー」
「繋げてもらってありがとうございます」
「あら、私は繋げてないわよ。リョウの力かナーディルのせいじゃないかなー」
「そうなんですね。ナーディルさんに感謝しないと」
「あいつには別にいいわよ。あんまり気にするやつじゃないし。それより薬草の見分け方でも教えてあげよー」
「え、良いんですか?」
「スキルは取れないかもしれないけどー。覚えておけば役にたつよ」
「ありがとうございます」
「じゃあー走ってー」
アネーシャさんが飛んでいく後ろを必死で走る。中距離の走り方だ。アネーシャさんはふふふっと笑いながら飛んでいく。しばらく全力で走らされ疲れ始めた頃アネーシャさんは止まった。
「この辺で良いかなー」
アネーシャさんが手をかざすと林が現れる。
「色々な薬草を植えたから探してみてねー」
「はい」
「リョウ、とりあえずは何も考えずに薬草っぽいのを探してみてー」
「とりあえず知ってるやつがあったのでそれを回収してから探します」
「勉強熱心だねー」
アネーシャさんが地上に降りる。今までずっと希薄な印象で姿が不明だったけどようやく見えてきた。アネーシャさんは緑色の髪に金の瞳、薄い色素の肌の美しい美女だ。背中にあまり実用的でなさそうな翼がついている。
「いえ。師匠が良いんですよ。それより急に姿が見えるようになったんですけど」
「普段は風をまとっているからねー。ここは気持ちいい風が吹くようにしたからいいのよー」
「なるほど。そうなんですね」
「よーし。探してみてね。それからその薬草をつんでみてねー」
薬草を探す。まずはいつも薬研している薬草を何種類か見つけて摘む。なるべく早く、綺麗に摘むのを心がける。根っこまでとって良いのか、根っこを残して摘むのか迷う。これ、小説だと取りすぎとか根っこ取って根絶やしとかなるって書いてあったなあ、と思ったので根っこは全部残すことにした。
それが取れたらあとは薬草探しだ。色々匂ってみて薬効がありそうかなあと思うものを摘んでみる。途中でアネーシャさんの顔を見たら風で顔を隠された。ノーヒントは流石につらい。
ある程度収獲したのでアネーシャさんに見てもらう。アネーシャさんが下に置きなさいというので置いたら、風が巻き起こり薬草が3カ所に振り分けられた。
「これが一番先に摘んだのね。うん。取り方は良いよー。ただもっと素早く取ってね。二番目のは実際薬効があるもの。毒草も少しあるけどそれも薬に使えるのー。三番目のはただの草かな。これは毒にも薬にもならないねー」
「これは難しいですね」
「でしょう。今から薬効のあるものを教えるね………」
アネーシャさんが薬草や毒草の効能や見分け方を教えてくれる。覚え切れるかなあ。
「……って感じなの。わかった?」
「わかりましたけど何回かやらないとダメみたいです」
「じゃあこの林はここに残しておくから練習してねー」
「はい」
「あ、やべ。じゃあねー」
アネーシャさんが慌てて飛んでいく。そこにナーディルさんが走ってきた。
「あの放蕩娘。逃げたか。リョウ、何かされなかったか?」
「いえ。薬草について教わっていました」
「ほう。あいつにしては殊勝だな。良し、リョウ。昨日の続きだ。行くぞ」
「あ、はい」
あなたにおすすめの小説
異世界転生したので、文明レベルを21世紀まで引き上げてみた ~前世の膨大な知識を元手に、貧乏貴族から世界を変える“近代化の父”になります~
夏見ナイ
ファンタジー
過労死したプラントエンジニアの俺が転生したのは、剣と魔法の世界のド貧乏な貴族の三男、リオ。石鹸すらない不衛生な環境、飢える家族と領民……。こんな絶望的な状況、やってられるか! 前世の知識を総動員し、俺は快適な生活とスローライフを目指して領地改革を開始する!
農業革命で食料問題を解決し、衛生革命で疫病を撲滅。石鹸、ガラス、醤油もどきで次々と生活レベルを向上させると、寂れた領地はみるみる豊かになっていった。
逃げてきた伯爵令嬢や森のエルフ、ワケありの元騎士など、頼れる仲間も集まり、順風満帆かと思いきや……その成功が、強欲な隣領や王都の貴族たちの目に留まってしまう。
これは、ただ快適に暮らしたかっただけの男が、やがて“近代化の父”と呼ばれるようになるまでの物語。
最強魔法は生活魔法!? ~異世界ではモンスター退治も生活のうち~
gagaga
ファンタジー
神の気まぐれにより異世界へと転移した主人公田辺竜太(大学生)が生活魔法を駆使して冒険したり町の人と触れ合ったりする物語です。
なお、神が気まぐれすぎて一番最初に降り立つ地は、無人島です。
一人称視点、独り言多め、能天気となっております。
なお、作者が気ままに書くので誤字脱字は多いかもしれませんが、大目に見て頂けるとありがたいです。
ただ、敢えてそうしている部分もあり、ややこしくてすいません。(^^;A
ご指摘あればどんどん仰ってください。
※2017/8/29 連載再開しました!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ひだまりのFランク冒険者
みなと劉
ファンタジー
ここは異世界。
そこの冒険者ギルドでは毎日仕事がてんこ盛り。
そんな中
冒険者ギルドには万年Fランクの冒険者が一人いる。
その名は、リルド。
彼は、特に何もない感じに毎日
「薬草採取」「石集め」Fランク向け「討伐」場合によっては「ポーション生成」をする。
この話はこの万年Fランク冒険者リルドの物語である。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
[完]異世界銭湯
三園 七詩
ファンタジー
下町で昔ながらの薪で沸かす銭湯を経営する一家が住んでいた。
しかし近くにスーパー銭湯が出来てから客足が激減…このままでは店を畳むしかない、そう思っていた。
暗い気持ちで目覚め、いつもの習慣のように準備をしようと外に出ると…そこは見慣れた下町ではなく見たことも無い場所に銭湯は建っていた…