【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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神の修行。

少年と僕。

 新しい毎日が始まった。僕はリーリシアと共に起きて、美味しい朝食を創り、リーリシアを送り出してから修行に行く。1日1回ナーディルさんに修行を見てもらい、ナーディルさんにご飯を振る舞う。たまにアネーシャさんが覗きにくるので採取の成果を見せ、また新たな薬草を教えてもらい、代わりに甘味をご馳走する。イサリナさんは何かと世話を焼いてくれるので、お礼に家事の便利グッズを。夕方、リーリシアが帰ってくる。その前に僕は夕食を用意する。最近はキッチンを作ってたまに料理をするようになった。リーリシアが帰ってきたら食事。食事が終わるころマデリエネさんとグンヴォルさんが来るので一緒にお茶とデザートを楽しみながら会話をする。マデリエネさんとは科学や化学、物理学の話をする。グンヴォルさんとは物作りの話や経済の話。どれも学校で習った程度の物だが二人は満足そうだ。二人が帰ったのちはリーリシアと二人で過ごす。そして二人でベッドに入る。そんな毎日だ。

 リーリシアは僕と同じ時間を過ごす為に職場の時間環境を調整したらしい。おかげで仕事が捗ると言っていたが大丈夫なのだろうか。休日はぐったりと寝て過ごしている事が結構ある。それだけ重圧がかかっているのだろう。僕は僕なりに彼女のサポートをしようと頑張っている。

 そんなある日、僕はかなり遠くから僕を見ている少年がいる事に気づいた。修行の途中だったから気にせずに続ける。修行を終えた時彼は消えていた。
 その日を境に少年は1日に一度僕の様子を観に来るようになった。もしだったら急に話しかけたりしたら逃げてしまうだろう。だから知らないふりをして剣を振るい、走り、薬草を取り続けた。
 そんな日々を過ごしていたある日…20日が経っていた…彼は根負けしたように僕に話しかけてきた。

「お前は僕が見えないのかい?」

 自分が無視されているのに腹が立ってるのかな?

「見えてますよ。ただ、話したそうに見えなかったのでそのままにしておいたのです」
「そ、そうか。僕が偉いから、お前は遠慮していたのだな」
「そうですね。偉いと思っています」
「そ、そうか。お前は何でここにいるんだ?」
「創造神様から言われてここにいます。お聞きになっていますよね?様」
「お、お前は僕の事を知っているのか?」
「いえ。知りません。ただ、自分がロスハーン様の立場なら同じように僕の事を観察するだろうと思いますので」
「お、お前と一緒にするな」
「そうですね。失礼しました」
「お前、僕の事を馬鹿にしてるな?」
「いえ。ただただ感心してますよ。ロスハーン様の仕事は誰にでもできるものじゃないです。人々は一歩間違えれば宗教にのめり込むものですからね」
「お、おう。お前は話せそうなやつだな」
「ありがとうございます」
「そ、それはそれとしてだな、お前、お母さんから離れろ!」
「うーん。困りました」
「なんでだ。お母さんは創造神様から言われてお前と結婚させられるんじゃないのか?」
「確かにその一面はあります。ですがこれはリーリシアの意思でもあります」
「呼び捨てするな!」
「失礼しました。リーリシアさんはようやく、ようやく自分の事を大事にしようとしています。今まで身を粉にして働いてきましたよね、リーリシアさんは?」
「そうだが、何だ?」
「障害である兄の問題が片付いて、初めて自分らしく生きようとしています。リーリシアさん、創造神様に言われたからでなく、僕をパートナーに選んでくれました」
「そうなのか?」
「はい。その気持ちを僕は踏みにじれないんですよ。そんな事をすればリーリシアさんが悲しむ。だからロスハーン様の言うように離れることはできないんです」
「だが、お前は許せない!ぽっと出のお前にお母さんは渡さない!」
「困りましたね。僕も諦めるつもりはないんですよ。いっそのこと僕の事殺してください」
「何故だ?」
「そうして初めて諦めがつくからです」
「だが殺したらお母さんが悲しむだけじゃないか!」
「そうですね」
「金や名誉や力や女をくれてやるぞ?」
「そんなものにこの想いは変えられません」

 ロスハーンさんは僕の襟首を掴む。

「本当に殺すぞ。いいのか?」

 殺気がまるでないから怖くない。

「どうぞ、おやりなさい。あなたがそれほどにしかリーリシアを思っていない証明になります。僕は勝ち逃げできます」
「くそっ。何なんだお前は」
「ただの地球から転生してきた5歳児です」
「くっ」
「そうだ、僕は三年経ったら地上に降ります…5歳児として。そして人間として生きます。その生涯で僕と言う人間を見極めてください、ロスハーン様」
「くっ。わかった。そうしよう。お前が大したやつだったら認めてやる。せいぜいがんばるんだな」
「はい。がんばります」

 僕はニコリとした。

「気持ち悪いやつだな」
「笑わないより良いと思いますよ」
「お前、三年間ずっとそうやって訓練するつもりか?」
「ええ。なるべく長生きするつもりですからね」
「それじゃあお母さんを待たせることになるだろ?」
「そうですが、自分のために早死にしたと思われたらリーリシアさんが悲しむじゃないですか。だから天寿を全うするまで僕は生きます」
「変なやつだ、お前は」
「ええ。変なやつです」
「お前と話してたらおかしくなる。僕は行くぞ」
「ええ。また」
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