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神の修行。
6神の考え。
炎の神、ナーディルはひたむきで根性のある少年の事を考えていた。一見頼りなさそうに見えるがその実芯が強く、なおかつスポンジのような吸収力で自分の課題を乗り越えそうな少年。
その少年をナーディルは武人として高みに望めるだろうと思っていた。だが、ただの武人にしておくにはもったいない逸材だとも思っている。特にリーリシアの横に並びたつならただの武人ではダメだ。
だが自分には武の力しか与えられない、と焦燥感を感じていた。
水の神、マデリエネも少年の事を考えていた。彼女は彼女が研鑽をつんだ知識を遥かに超える知識を与えてくれる少年の事をいつしか師のように思いはじめていた。
そして少年が3年後地上に戻る事を考える。少年が彼の地であの科学や化学を用いて魔術、魔法を覚えたらどうなるのだろう?彼女の愛し子の風精が教える事が決まっているから安心していたが、あの知識を知ってしまった今、あの愛し子を超えるだろうと予測する。
そして彼女が役不足になるのでは、と危惧する一方で自分も新しい魔術、魔法に寄与したいと強く願うようになっていった。
風の神、アネーシャも少年の事を考えていた。いつも美味しくて甘いものをくれる少年が最近ではお気に入りだった。お返しで薬草の事を教えたが、いささか貰いすぎだと思う。
彼女はお礼とまだ見ぬお菓子の為何を教えようか考えているようになった。
土の神、グンヴォルも少年の事がお気に入りだった。元々商業登録や料理登録で注目していた存在があれほどの知識を持っていることに喜びを感じている。彼との話は自分が持っている常識を打ち破り新たな考えを日々もたらしてくれた。それも対価もなしにだ。
経済の神でもあるグンヴォルはその彼を危ういと思う。せめて契約や駆け引きを学んでもらいたいと思うし、自分の価値を知ってもらいたいと思う。そうすれば長生きできるだろう。長生きできれば…グンヴォルはニヤリと笑う。
技巧の神でもあるグンヴォルが大喜びできる技術や料理が世の中に広まるだろう。その為には物作りの基礎は学んでもらわないとならないなと思い彼はある物の製作を始めた。
光の神ロスハーンは、少年の事を得体の知れないやつと思っていた。だが悪いやつではないと感じた。彼が3年後地上に戻るまでならお母さんが悲しむから不干渉をすれば良いかと思っていたが、彼が長生きしないとお母さんが悲しむと言われた事が心のどこかに引っかかった。
悲しむなら嫌だとロスハーンは思い、彼が長生きするにはどうしたら良いか考えるようになった。
闇の神イサリナは少年を太陽のようだと思った。彼女は魔を司るものとして一部の魔の亜人と狂信者を除いて彼女を崇めるものもなく、蔑まれる対象だった。
唯一お母上様だけが自分を無条件で受け入れてくれる存在だったし、これからもそうだと思っていた。だからこそイサリナはお母上様に依存し、その世話をするメイドの格好をしてその後ろに付き従うようになった。これで良いと思っていた。
だがある日からその生活が変わった。精神の神でもあるイサリナが記憶の整合を行った少年から常日頃感謝の念が飛んでくるようになったのだ。彼女は少年の感謝の念が心地良くて温かくて、少年を陰ながら見守るようになった。
一度彼女の眷属が操られ少年の大事な場所を壊しそうになった時、散々悩んで謝りに言ったがすんなり許してくれ、イサリナは少年に恩も感じるようになった。
待ちに待っていた少年がこちらに来た。少年は自分の正体を知っても態度を変えず、それどころかありがとうといつも言ってくれるし、感謝の贈り物もしてくれる。イサリナは胸がいっぱいになった。
お母上様が少年を未来の夫に定めると知ってからイサリナは少年のために閉じこもった殻から飛び出た。積極的に各神に少年の様子を伝えたり、連絡を密にとったりするようになった。いつしか他の神からもお礼を言われるようになった。
イサリナは今、少年を太陽のようだと思う。闇をも照らす光だと。その光をもっと明るい光にしたい。イサリナはそう思っている。
ある日の事である。その日はリーリシア主導の定例会議を行なっていた。会議が終わるといつもリーリシアが先に出て、6神はそれぞれ好き勝手に黙って去るのがいつもの事だった。共通の話題はほぼ無く、利害が一致しない為お互い不干渉を貫いていたのだ。会議で机を並べていたが、あまり一緒に居たくないメンバーだった。
それが今日は会議が終わってもみんな残っている。何か話したい事があるんだな、とそれぞれ感じ、誰が先に口火を切るのか緊張感が高まった。
普段ほとんど会話しないメンバーである。なかなか最初の一言が言えない。シーンとした空気が流れる。やがて皆痺れを切らしたように口を開く。
「「「「「「あの…」」」」」」
お互い顔を合わせて笑う。このメンバーで笑った事は初めてじゃないか、とそれぞれ思った。
「おう。先に言ってくれ」
「私は後でいいですわ」
「んー。私もー」
「話きくよー」
「僕も後でいい」
「お話をどうぞ」
とみんなで譲り合いをする。どうぞどうぞの押し付け合いで土の神グンヴォルが耐えきれずに笑い出す。ついで炎の神ナーディルと風の神アネーシャが笑い出し、みんなで大笑いをする。
ひとしきり笑ったあとグンヴォルが顔を引き締めて言った。
「なあ、みんなに提案があるんだけどなぁ」
その少年をナーディルは武人として高みに望めるだろうと思っていた。だが、ただの武人にしておくにはもったいない逸材だとも思っている。特にリーリシアの横に並びたつならただの武人ではダメだ。
だが自分には武の力しか与えられない、と焦燥感を感じていた。
水の神、マデリエネも少年の事を考えていた。彼女は彼女が研鑽をつんだ知識を遥かに超える知識を与えてくれる少年の事をいつしか師のように思いはじめていた。
そして少年が3年後地上に戻る事を考える。少年が彼の地であの科学や化学を用いて魔術、魔法を覚えたらどうなるのだろう?彼女の愛し子の風精が教える事が決まっているから安心していたが、あの知識を知ってしまった今、あの愛し子を超えるだろうと予測する。
そして彼女が役不足になるのでは、と危惧する一方で自分も新しい魔術、魔法に寄与したいと強く願うようになっていった。
風の神、アネーシャも少年の事を考えていた。いつも美味しくて甘いものをくれる少年が最近ではお気に入りだった。お返しで薬草の事を教えたが、いささか貰いすぎだと思う。
彼女はお礼とまだ見ぬお菓子の為何を教えようか考えているようになった。
土の神、グンヴォルも少年の事がお気に入りだった。元々商業登録や料理登録で注目していた存在があれほどの知識を持っていることに喜びを感じている。彼との話は自分が持っている常識を打ち破り新たな考えを日々もたらしてくれた。それも対価もなしにだ。
経済の神でもあるグンヴォルはその彼を危ういと思う。せめて契約や駆け引きを学んでもらいたいと思うし、自分の価値を知ってもらいたいと思う。そうすれば長生きできるだろう。長生きできれば…グンヴォルはニヤリと笑う。
技巧の神でもあるグンヴォルが大喜びできる技術や料理が世の中に広まるだろう。その為には物作りの基礎は学んでもらわないとならないなと思い彼はある物の製作を始めた。
光の神ロスハーンは、少年の事を得体の知れないやつと思っていた。だが悪いやつではないと感じた。彼が3年後地上に戻るまでならお母さんが悲しむから不干渉をすれば良いかと思っていたが、彼が長生きしないとお母さんが悲しむと言われた事が心のどこかに引っかかった。
悲しむなら嫌だとロスハーンは思い、彼が長生きするにはどうしたら良いか考えるようになった。
闇の神イサリナは少年を太陽のようだと思った。彼女は魔を司るものとして一部の魔の亜人と狂信者を除いて彼女を崇めるものもなく、蔑まれる対象だった。
唯一お母上様だけが自分を無条件で受け入れてくれる存在だったし、これからもそうだと思っていた。だからこそイサリナはお母上様に依存し、その世話をするメイドの格好をしてその後ろに付き従うようになった。これで良いと思っていた。
だがある日からその生活が変わった。精神の神でもあるイサリナが記憶の整合を行った少年から常日頃感謝の念が飛んでくるようになったのだ。彼女は少年の感謝の念が心地良くて温かくて、少年を陰ながら見守るようになった。
一度彼女の眷属が操られ少年の大事な場所を壊しそうになった時、散々悩んで謝りに言ったがすんなり許してくれ、イサリナは少年に恩も感じるようになった。
待ちに待っていた少年がこちらに来た。少年は自分の正体を知っても態度を変えず、それどころかありがとうといつも言ってくれるし、感謝の贈り物もしてくれる。イサリナは胸がいっぱいになった。
お母上様が少年を未来の夫に定めると知ってからイサリナは少年のために閉じこもった殻から飛び出た。積極的に各神に少年の様子を伝えたり、連絡を密にとったりするようになった。いつしか他の神からもお礼を言われるようになった。
イサリナは今、少年を太陽のようだと思う。闇をも照らす光だと。その光をもっと明るい光にしたい。イサリナはそう思っている。
ある日の事である。その日はリーリシア主導の定例会議を行なっていた。会議が終わるといつもリーリシアが先に出て、6神はそれぞれ好き勝手に黙って去るのがいつもの事だった。共通の話題はほぼ無く、利害が一致しない為お互い不干渉を貫いていたのだ。会議で机を並べていたが、あまり一緒に居たくないメンバーだった。
それが今日は会議が終わってもみんな残っている。何か話したい事があるんだな、とそれぞれ感じ、誰が先に口火を切るのか緊張感が高まった。
普段ほとんど会話しないメンバーである。なかなか最初の一言が言えない。シーンとした空気が流れる。やがて皆痺れを切らしたように口を開く。
「「「「「「あの…」」」」」」
お互い顔を合わせて笑う。このメンバーで笑った事は初めてじゃないか、とそれぞれ思った。
「おう。先に言ってくれ」
「私は後でいいですわ」
「んー。私もー」
「話きくよー」
「僕も後でいい」
「お話をどうぞ」
とみんなで譲り合いをする。どうぞどうぞの押し付け合いで土の神グンヴォルが耐えきれずに笑い出す。ついで炎の神ナーディルと風の神アネーシャが笑い出し、みんなで大笑いをする。
ひとしきり笑ったあとグンヴォルが顔を引き締めて言った。
「なあ、みんなに提案があるんだけどなぁ」
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