僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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神の修行。

自分の価値を知ること。

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「はい」
「じゃあ座ってー」

 グンヴォルさんが手をかざすと対面する二つのソファーが現れた。僕は片方のソファーに座る。

「僕の価値を知ること、ですか?」
「そうだな。リョウは自分の価値がえらく有るのを気づいていないからなー」
「そうですかね?」
「そうだ。地上での商業登録や料理登録見させてもらったけど対価が家族が少し儲かる事しかないわー」
「そうですね。でも料理は結果的に僕が儲かる事になりますよ?」
「あくまで結果的になー。自分はほとんど儲かる事を考えんで行動してるだろー」
「確かに」
「このままじゃ、お前も、スサン商会も危ういよー」
「なんでですか?」
「最悪リョウは誘拐され飼い殺しになり、スサン商会は買収されるだろうなー」
「そんなあ」
「リョウも、スサン商会も今のままでは力が無さすぎるんだよー」
「そうなんですね」
「ああー。防ぐためには力がいるんだ、それもとびっきりのなー。まずなリョウが作り出す物やサービスがめちゃくちゃ希少なんだよー。それはほぼ全員にウケるものだし、市場としても大きくなる。買い手が求める需要もほぼ満たすからなー」
「そうなんですか?」
「ま、まあとりあえずあのリョウチキンとスサンオウトール、エストバーグの事を話すかー。あれ、ものすごい美味い。昨日のカレーもすごかったけど最初に三つの料理食べた時、衝撃的だったわー。それで、その価値なんだけどスサン商会が『スサンの天使』を作ってからずっと客足が伸びているだろー?」
「はい。伸びてますね」
「予測するとな、あそこ一店では捌けなくなるのはもうすぐだわー」
「そうすると類似店が出てくるのでは?」
「出せるけど権利金があるから値段的にも味的にも『スサンの天使』の一人勝ちだねー」
「それは良い事なのでは?」
「そう思うでしょー?でも今のスサン商会では間口が狭すぎるんだよー」
「どう言う事ですか?」
「たかが一伯爵の御用商会で扱える商材じゃないんだよー。頑張って他の都市に二店舗目、三店舗目を作る形をとってもそれ以上の需要があるからー」
「そうなるとうちだけでは厳しくなりますね」
「そうすると他の領の御用商会や国の御用商会がハイエナのように狙うようになるのー。もちろん権利を持ってるリョウも危ういよねー」
「でもフランチャイズ化すれば良いんじゃないでしょうか?」
「それ何ー?」
「親商会であるスサン商会が料理店を作りたい子商会に、味の伝承をして『スサンの天使』を名乗る事を許可するんです。その代わりに売り上げの何%かをもらう形ですね」
「なにそれ、面白いなー。商業登録してくれるよなー?」
「はい。わかりました」
「それはそれとしてなー。おふくろに聞いたけどどえらい爆弾かかえてるでしょー?」
「なんですかね?もしかしてパンとワインの事ですかね?」
「そうだ、それねー。もうスサン商会でやろうとしてもやれないからねー」
「規模がデカ過ぎと言う事ですかね」
「そのとおりー、じゃあどこに持ってくかだけどどうするー?」
「うーん。あちこちの商会に声をかけるかなぁ」
「さっきのフランチャイズ言うものを使う感じかなー?」
「そうですね」
「需要はそれ以上あるよー」
「そうですよねぇ。じゃあ国で」
「まあ、そこしかないよねー」 
「ああ、良かった」
「良かったじゃないよー。対価はなにー?」
「対価、ですか?いるのかな?料理登録はしてますよね?」
「そこがリョウの悪い所だねー。他の登録も同じようにしてたら詰むよー」
「うーん。国の庇護かな?」
「まだまだー」
「スサン商会の王国御用商会かな?」
「まだまだー」
「思い切って爵位?」
「それで対価の半分だねー。あとは利益の何%かもらえばセーフってところかなー」
「爵位はいります?」
「ある程度力を持つ事は大事だよー。あと他国に対しての牽制になるねー」
「他国の事も考えなきゃいけなくなるのか」
「その通りー。今後の為の布石になるねー」
「布石?」
「力があれば物事を解決する能力が上がるのさー」
「なるほど。でも上位貴族からやっかみがないですか?」
「下位貴族ならともかく、上位貴族はないねー。心配なら貴族専用のものを作ったらいいぞー」
「なるほどー」

 口癖が移ってきた。気をつけよう。

「経済はね、生産・分配・消費によって出来てるんだー。生産はね、モノやサービスを作り出すこと、分配は生産されたモノやサービスを誰にどのように配分するか、消費はモノやサービスを実際に使うことなのー。生産は希少価値があればあるほど儲かるよー。分配は受ける人が多ければ多いいほど儲かるし、どのようにってところは間口が広ければなお儲かるねー。消費は早ければ早いほど儲かる場合が多いねー」
「そうですね」
「これに当てはめて経済活動していくんだー。例えばパンの場合は希少価値が広まるまで高いー。買う人は多いー。レシピはあっという間に広がるから消費は多いー。とんでもない商材だよねー」
「そう考えるとすごいですよねー」
「新しい商材を思いついたらまずは当てはめてみればいいよー。そしたら規模や対価を選びやすいからー」
「わかりました。そう考えるようにしますー」
「以上がリョウの価値ー。他の面の価値は他の神に聞いてー」
「ありがとうございますー」
「真似してるー?」
「いえ、口調移っちゃいましたー」

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