100 / 806
神の修行。
カウントダウン。
修行の追い込みが始まりしばらく経った。僕はこの間にやれる事は全てやり尽くそうと思っている。これほど一日が長い事に感謝した日々はないだろう。早朝から夜まで18時間ぶっ通しで修行してきた。
まずはナーディルさんの稽古。ナーディルさんのやり方は変わらない。まず何を置いても基本。基本ができたら初めて応用。応用し始めたら実践だ。地上に戻ったらとにかく基本をやるように言われている…この手のひらが届く範囲をまずは固めるのだ。
今日の稽古では動物型の魔獣をイサリナさんに出してもらい倒すというものだった。様々な魔獣と対峙したが、一番面倒なのは群れを作って襲ってくる魔獣だ。ボスをとりあえず仕留めようと考えて行動してはいけない。まずは手足となる部下からゆっくりと仕留めていくのだ。焦りはじめて向こうが仕掛けてきて対処できそうなら初めて攻撃をする。そんな流れだ。何回か手傷を負ってそれを学習した僕は群れを攻め立てる。ナーディルさんはそんな僕に頷いていた。
マデリエネさんの授業。マデリエネさんには常に冷静でいるよう求められている。魔術師の戦闘は常に頭を動かし、もっとも効果的な瞬間に魔術を使う事が勝利へ繋がるからだ。その為には一見地味に見える魔術の反復練習と魔術を理解する為の勉強と研鑽を日々続けなければならない。エメイラもベッドに転がりながら日々本を読み耽っていたよな。
マデリエネさんの今日の授業は遺失魔術をいくつか覚えることだった。実際に練習する時間は少ないが必ずものにしたいと思っている。
アネーシャさんが求めるのは臨機応変さ。アネーシャさんの稽古は常に決まり事がなく、流動的な状況を如何に打破するかを求められる。時には探索者として、時には盗賊として、時には薬師、時には追跡者である狩人として……自分の立ち位置を常に変えながら行動するのだ。稽古中、何度も何度も言われた事がある。それは『行き当たりばったりと臨機応変は違う』と言う事だ。僕も何かあった時の為に常に備えようと思う。
グンヴォルさんは閃きを大事にしろとよく言う。そして何かを閃いた時、それが社会にどう影響がでるか考えて行動し、社会と自分を高められるものを創造して欲しいと言われている。その為に必要なのは一般常識と実用的な知識、そしてモノづくりや商流の現実を知る事が必要だとグンヴォルさんの授業の中で僕は気づいた。その気づきのために授業をしてくれたのだと思うとほんとにありがたい事だと思う。
今日は鍛治、木工、錬金術の試験をやった。今できる事の全てやりつくしたのかはわからないが、一応及第点だったので残りの試験も頑張りたいと思う。
ロスハーンさんには洞察力を鍛えられた。自分や患者の状況を把握し、それに適切な治療を施すことは命を預かるものとして必要なことだ。一歩間違えると回復魔法は的外れな癒し方をする。正しい治療とは自分の診断いかんにかかってくるのだ。イサリナさんの夢の力で100回以上トリアージをおこなってきた。毎回文句たらたらで怒られたがその怒られる数も減ってきたと思っている。
地上に戻ったら宗教怖い問題が残っているが、その障害を早く取り去って普段から治療を行なっていきたく思う。
なお、今日の稽古は傷つけられたり毒を与えられたり、呪いを受けたり、半分麻痺や半分石化したりと散々な目にあった。その都度その都度対処していたが、ほんと死にそうだった。相変わらずロスハーンさんはイケズだ。
イサリナさんは人間の精神は脆く、心理的要因により大きな影響を受けやすいということを僕に教えてくれた。そして、それに対抗できるよう精神を鍛えてくれたのである。イサリナさんの夢の中で僕は何度も何度も苦境に立たされたが、その度に立ち上がりそれに対応してきた。今精神は筋肉が傷つき再生すると強靭になるように鍛えられ、内なる心を守る盾となっている。
今日は今までの講義で学んだ事を夢でひたすら反芻した。状況によって『役割を演じる』して自分を演出するその繰り返しだ。イサリナさんが伝えたかった事全ては理解できなかったと思うが、自分なりのやり方で演出できたと思う。
その講義が終わりあとの時間はひたすら魔物の分布や特徴を生々しい画像で見せられた。心配してくれてこう言う事をしてくれているのはわかるが、情報量が多すぎて覚えていられそうもない。イサリナさん、ごめんね。
修行が終わり、一人残ってその日やってきた事の振り返りをしてたらリーリシアが横にいた。どうやら夢中でやっていたようだ。リーリシアに近寄ると『清浄』をかけてくれ、僕の手を握った。
「ね、帰ろうか」
「うん。帰ろう。迎えに来てくれてありがと」
「私、迎えに来たかったから」
「そう。今日は何食べたい?」
「カレーかな」
「カレーか。今から帰って作るにはちょっと時間がないかな。創るよ」
「私リョウが作るのも創るのも、どっちも好きよ」
「ありがと」
「ねえ。あのね?」
「うん」
「創造神様から連絡が来たの」
「うん」
「明々後日だって」
「そうか明々後日か。早いなあ」
「ねえ、明後日空けてほしい」
「わかった」
「一緒にいよう」
「うん。僕も一緒にいたい」
まずはナーディルさんの稽古。ナーディルさんのやり方は変わらない。まず何を置いても基本。基本ができたら初めて応用。応用し始めたら実践だ。地上に戻ったらとにかく基本をやるように言われている…この手のひらが届く範囲をまずは固めるのだ。
今日の稽古では動物型の魔獣をイサリナさんに出してもらい倒すというものだった。様々な魔獣と対峙したが、一番面倒なのは群れを作って襲ってくる魔獣だ。ボスをとりあえず仕留めようと考えて行動してはいけない。まずは手足となる部下からゆっくりと仕留めていくのだ。焦りはじめて向こうが仕掛けてきて対処できそうなら初めて攻撃をする。そんな流れだ。何回か手傷を負ってそれを学習した僕は群れを攻め立てる。ナーディルさんはそんな僕に頷いていた。
マデリエネさんの授業。マデリエネさんには常に冷静でいるよう求められている。魔術師の戦闘は常に頭を動かし、もっとも効果的な瞬間に魔術を使う事が勝利へ繋がるからだ。その為には一見地味に見える魔術の反復練習と魔術を理解する為の勉強と研鑽を日々続けなければならない。エメイラもベッドに転がりながら日々本を読み耽っていたよな。
マデリエネさんの今日の授業は遺失魔術をいくつか覚えることだった。実際に練習する時間は少ないが必ずものにしたいと思っている。
アネーシャさんが求めるのは臨機応変さ。アネーシャさんの稽古は常に決まり事がなく、流動的な状況を如何に打破するかを求められる。時には探索者として、時には盗賊として、時には薬師、時には追跡者である狩人として……自分の立ち位置を常に変えながら行動するのだ。稽古中、何度も何度も言われた事がある。それは『行き当たりばったりと臨機応変は違う』と言う事だ。僕も何かあった時の為に常に備えようと思う。
グンヴォルさんは閃きを大事にしろとよく言う。そして何かを閃いた時、それが社会にどう影響がでるか考えて行動し、社会と自分を高められるものを創造して欲しいと言われている。その為に必要なのは一般常識と実用的な知識、そしてモノづくりや商流の現実を知る事が必要だとグンヴォルさんの授業の中で僕は気づいた。その気づきのために授業をしてくれたのだと思うとほんとにありがたい事だと思う。
今日は鍛治、木工、錬金術の試験をやった。今できる事の全てやりつくしたのかはわからないが、一応及第点だったので残りの試験も頑張りたいと思う。
ロスハーンさんには洞察力を鍛えられた。自分や患者の状況を把握し、それに適切な治療を施すことは命を預かるものとして必要なことだ。一歩間違えると回復魔法は的外れな癒し方をする。正しい治療とは自分の診断いかんにかかってくるのだ。イサリナさんの夢の力で100回以上トリアージをおこなってきた。毎回文句たらたらで怒られたがその怒られる数も減ってきたと思っている。
地上に戻ったら宗教怖い問題が残っているが、その障害を早く取り去って普段から治療を行なっていきたく思う。
なお、今日の稽古は傷つけられたり毒を与えられたり、呪いを受けたり、半分麻痺や半分石化したりと散々な目にあった。その都度その都度対処していたが、ほんと死にそうだった。相変わらずロスハーンさんはイケズだ。
イサリナさんは人間の精神は脆く、心理的要因により大きな影響を受けやすいということを僕に教えてくれた。そして、それに対抗できるよう精神を鍛えてくれたのである。イサリナさんの夢の中で僕は何度も何度も苦境に立たされたが、その度に立ち上がりそれに対応してきた。今精神は筋肉が傷つき再生すると強靭になるように鍛えられ、内なる心を守る盾となっている。
今日は今までの講義で学んだ事を夢でひたすら反芻した。状況によって『役割を演じる』して自分を演出するその繰り返しだ。イサリナさんが伝えたかった事全ては理解できなかったと思うが、自分なりのやり方で演出できたと思う。
その講義が終わりあとの時間はひたすら魔物の分布や特徴を生々しい画像で見せられた。心配してくれてこう言う事をしてくれているのはわかるが、情報量が多すぎて覚えていられそうもない。イサリナさん、ごめんね。
修行が終わり、一人残ってその日やってきた事の振り返りをしてたらリーリシアが横にいた。どうやら夢中でやっていたようだ。リーリシアに近寄ると『清浄』をかけてくれ、僕の手を握った。
「ね、帰ろうか」
「うん。帰ろう。迎えに来てくれてありがと」
「私、迎えに来たかったから」
「そう。今日は何食べたい?」
「カレーかな」
「カレーか。今から帰って作るにはちょっと時間がないかな。創るよ」
「私リョウが作るのも創るのも、どっちも好きよ」
「ありがと」
「ねえ。あのね?」
「うん」
「創造神様から連絡が来たの」
「うん」
「明々後日だって」
「そうか明々後日か。早いなあ」
「ねえ、明後日空けてほしい」
「わかった」
「一緒にいよう」
「うん。僕も一緒にいたい」
あなたにおすすめの小説
異世界転生したので、文明レベルを21世紀まで引き上げてみた ~前世の膨大な知識を元手に、貧乏貴族から世界を変える“近代化の父”になります~
夏見ナイ
ファンタジー
過労死したプラントエンジニアの俺が転生したのは、剣と魔法の世界のド貧乏な貴族の三男、リオ。石鹸すらない不衛生な環境、飢える家族と領民……。こんな絶望的な状況、やってられるか! 前世の知識を総動員し、俺は快適な生活とスローライフを目指して領地改革を開始する!
農業革命で食料問題を解決し、衛生革命で疫病を撲滅。石鹸、ガラス、醤油もどきで次々と生活レベルを向上させると、寂れた領地はみるみる豊かになっていった。
逃げてきた伯爵令嬢や森のエルフ、ワケありの元騎士など、頼れる仲間も集まり、順風満帆かと思いきや……その成功が、強欲な隣領や王都の貴族たちの目に留まってしまう。
これは、ただ快適に暮らしたかっただけの男が、やがて“近代化の父”と呼ばれるようになるまでの物語。
最強魔法は生活魔法!? ~異世界ではモンスター退治も生活のうち~
gagaga
ファンタジー
神の気まぐれにより異世界へと転移した主人公田辺竜太(大学生)が生活魔法を駆使して冒険したり町の人と触れ合ったりする物語です。
なお、神が気まぐれすぎて一番最初に降り立つ地は、無人島です。
一人称視点、独り言多め、能天気となっております。
なお、作者が気ままに書くので誤字脱字は多いかもしれませんが、大目に見て頂けるとありがたいです。
ただ、敢えてそうしている部分もあり、ややこしくてすいません。(^^;A
ご指摘あればどんどん仰ってください。
※2017/8/29 連載再開しました!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ひだまりのFランク冒険者
みなと劉
ファンタジー
ここは異世界。
そこの冒険者ギルドでは毎日仕事がてんこ盛り。
そんな中
冒険者ギルドには万年Fランクの冒険者が一人いる。
その名は、リルド。
彼は、特に何もない感じに毎日
「薬草採取」「石集め」Fランク向け「討伐」場合によっては「ポーション生成」をする。
この話はこの万年Fランク冒険者リルドの物語である。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~
九條葉月
ファンタジー
第6回HJ小説大賞におきまして、こちらの作品が受賞・書籍化決定しました! ありがとうございます!
七歳の少女リーナは突如として前世の記憶を思い出した。
しかし、戸惑う暇もなく『銀髪が不気味』という理由で別邸に軟禁されてしまう。
食事の量も減らされたリーナは生き延びるために別邸を探索し――地下室で、ドラゴンの卵を発見したのだった。
孵化したドラゴンと共に地下ダンジョンに潜るリーナ。すべては、軟禁下でも生き延びるために……。
これは、前を向き続けた少女が聖女となり、邪竜を倒し、いずれは魔王となって平和に暮らす物語……。