僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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旅立つ者。

ロイック兄さんのお見合い会議。

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 エスナとフレドとペギーが下がったあと、お父さんがみんな残るように言った。

「エスナの抜けた穴だが、とりあえずは通いのメイドをメイドギルドに頼むつもりでいるが、後任の目星はつけている」
「そうなの?」
「ああ。本人が私達の世話をしたがっている為、引き抜きという形になってしまったが、先方が喜んで応じてくれたので決まった形だ。エスナと入れ替わる形で11日後あたりにこちらに来ると手紙では書いてあった」
「知ってる人?」
「誰かな?」
「兄貴わかる?」
「いや、何も聞いてない」
「ロイック、ストラ、リョウは知ってる人だぞ。まあ、面白いので当日まで内緒にしておこう」
「気になる」
「まあ楽しみにしておくよ」
「それからロイックから話があるそうだ」
「僕の所へ来た釣書だけど一応8人選んでみたんだ。でもそんな時間もないし、もう少し人数を絞りたい。相談にのってくれるかな?」
「へえ。面白そう」
「ロイック兄さん、私にまかせて」
「頼むよ男爵夫人」
「俺も見て良いの?」
「僕もみていい?」
「私も良いのよね」
「ああ。ストラもリョウもエメイラも家族になるんだからちゃんと見てくれ」
「わかった」
「任せろ」
「わかったわ」
「まず最初はこの人」
「伯爵家の三女なのね。良いんじゃないかしら」
「趣味がすごいわ。乗馬に剣技に格闘術に料理に読書にお花って」
「肖像画を見ると綺麗だね」
「派閥は?」
「マクシミリアン閣下と同じ中立派だ。仲も良いらしい」
「なら、この人は会うだけ会ってみると良いんじゃない?」
「僕、この人、良いと思う」
「じゃあこの人は会う方向にするよ」

 ロイック兄さんは次の釣書を出す。

「これは商家の娘さんね。うーん、どうかしら」
「私もどうかと思うわ。ロイックより年上じゃない。この年でまだ結婚してないって何か問題があるかもしれないわ」

 こっちの世界の結婚適齢期、ヒト族の女性だと15歳から20歳だものね。

「趣味が読書だけか。兄貴顔で選んでるよねこれ」
「美人だしね」
「そういうのやめた方が良いわ」
「情報、なさすぎ」
「そうか。やっぱりこの人はお断りしよう」

  
 3人目、4人目もあまり好印象が無かった。

「じゃあこの人」
「うん。同じ王国御用商会の家の人なのね」
「アピールがすごい。私は絶対にスサン商会に馴染んでみせますって」
「おー。顔も美人だ。兄貴に釣り合う年だし問題はないよね」
「趣味が商会手伝いって面白そうな子だわ。他にも趣味が色々あるしいいんじゃないかしら」
「僕も、この人、良いと思う」
「じゃあこの人も会うという感じで」

 6人目。

「次はこの人」
「子爵家の娘さんね。あら?長女なのに良いのかしら」
「釣書に妹がいるから大丈夫ですって書いてあるわ」
「趣味が一番目とは正反対ね。錬金術に魔法、歴史、絵画、彫刻って」
「頭良さそう」
「顔も、良い」
「うちは家事が全くできなくても問題ないしな。良いんじゃない?」
「問題は貴族の派閥だけど特に問題はなさそうだ」
「これはロイックが判断した方が良いわ。会いたかったら会ってみなさい」
「私もそう思う」
「僕も、同じ」
「この人はちょっと考えるよ」

 7人目

「この人」
「何この人?え?冒険者?」
「何でこの人選んだの?」
「女性でAランクってすごいと思って」
「兄貴、気持ちはわかるよ。確かにそういう世界に憧れるのもあるよね」
「それに趣味がすごいんだよね」
「魔術師じゃないこの人!魔法、剣術、料理、読書、素材採取、薬学、神秘学、歴史、言語学…すごいわこの人」
「なんで我が家を選ぶか意味がわからないな」
「年齢が多少上だけど問題はなさそうだね」
「結婚はともかく、一度話はしてみたいと思ったんだよ」
「まあそれならそれで良いがお父さんはもっと違う人が良いと思うぞ」
「私も会うだけ会うなら良いわ。それでよっぽど気に入ったのなら連れてきなさい」
「兄貴、これは俺も賛成はできないよ」
「僕、難しい」
「そうかあ。少し考えてみるよ」

 8人目。

「あら、この人商人ギルドの幹部の娘さんだわ」
「へえ。侯爵領のギルド長って書いてあるわよね」
「志望動機が商業登録に惚れましたって面白いわね」
「趣味が商業ギルド勤務、仕事が商業ギルド勤務って」
「兄貴、これはきついと思うよ。家でも怒られそうじゃない」
「そうだな。夫婦で仕事の話ばかりというのも辛いものがあるぞ」
「趣味が少ないのは問題だわね」
「育児になった時どうなるのかしらね」
「ハノンは色々気を紛らす事があってくれて良かったと思ってる。私が仕事に集中できたのはハノンのおかげだ」
「あなた…」
「まあ、これもちょっと考えた方が良いわね」
「押しが強そうかもって思っちゃうよね」
「僕、この人、嫌」
「リョウが嫌がるならやめるよ」
「これで終わり?」
「そうだね」
「ふう。お母さんと少し話したことがあるんだがな、ロイックは別に1人に絞らなくて良いと思うんだ。うちも王国御用商会という大店になる。複数の嫁を娶ってもなんら問題はない。その代わり外で女は作るなよ」
「わかったけど僕も1人が良いな」
「ロイック、お前は顔も良いし度胸もある。そんな男に惚れる女性は沢山いる。お前はその強い想いを振り解くのが大変になる場合もあるし、嫁とは違う女性が好きになる可能性もある」
「ないと思うけどな」
「お前は商売では非情になれるが根は優しい。だから困った時は複数の嫁を娶る選択肢もあるのだと考えてみてくれ」
「わかった」


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