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旅立つ者。
新メニューの伝授。
10日が過ぎた。他業種を望んでいた避難民は各ギルドの支援によってその職に就く事ができた。ほとんどが住み込みの仕事になるが、みな喜んでその仕事に就いた。
そしてスサン商会に残った者はおとといから本格的に仕事をしている。新人教育をどうするかお父さんとお兄さん達と話をしたとき、僕はOJTの事を思い出したのでそれを伝えた。上司や先輩が指導役となり、実際の業務を行いながら教育と育成をしていくやり方である。本来なら1対1で行うのだが、教える方の人数が足りないところは1対2だ。モムノフさんやドルトや経験豊富な商会員は二人受けもっている。
大きな失敗はなかったが些細な失敗は出た。でも先輩役の商会員達が上手くフォローしている。ロイック兄さんは彼らを移住組と名付けて彼らのフォロー全般をしている。スサンの天使関係や王都支店の準備をしている中で大変だと思うが良くやってると思う。ロイック兄さんの実務力すごい。
丁稚は丁稚で先輩がちゃんと下の面倒を見ている。その光景を見るととても微笑ましい。特に小さい子が大きい子に文字を教えてるのを見ると可愛くて笑ってしまう。
ヴェリーさん率いる大工集団は必要な数の家をあっという間に建ててしまい、今はお兄さん達が余分に建てておこうと別注文した家を建てている。必要な家を建てるまであの酒好きの地精達が一滴の酒も呑まず突貫工事をしてくれたのが驚きだった。地精達はもう住む人がいない家だから良いよなって言って最近やっと酒を仕事終わりに呑むようになってくれて、ある意味ホッとしている。
そんなわけで食堂に避難していた移住組は集合住宅に住むようになった。数日前まで避難所だった所が今は憩いの場所になっている。
近所や取引をしている商会の人たちや、常連のお客様は今回の事件に胸を打たれ、色々差し入れをしてくれた。その度その度に移住組が泣きそうになってるので、先輩組は仕事でお返しをしろ、と良く言い聞かせているのを目撃する。半泣きになりながら仕事をしているのを見ると事件の事を必死で忘れようと頑張ってるんだな、と思えた。
昨日、嬉しいニュースがあった。移住組の一人の奥さんと子供2人が見つかったのだ。早速奥さんと子供は伯爵家によって連れ戻されその人の元に戻った。店先でおんおんと泣き崩れる4人をロイック兄さんと先輩が食堂に案内し、マスが料理をして家族4人で泣きながらご飯を食べていた。
ロイック兄さんも半泣きになっていたが、給仕していたマチルダがボロ泣きしていたので思わず泣き笑いをしてしまったよ。
そんな中でも僕の仕事がやってきた。膨大な量の手紙の対処である。ジャーニーキースことキースと元メイド頭だったギピアと暗号解読していく。なかなかの強敵だったけどなんとか判別できた。7割はしょうもない手紙だった。1割は上級貴族による陞爵のお祝いの手紙で、もう1割は仕事関係の手紙、残り1割はお礼状を送った所から来た直筆の手紙だった。しょうもない手紙はキースに任せて残り3割は直筆で書いた。僕はしょうもない手紙は暗号を使うけど、大事な手紙は直筆で書こうと心に決めた。
手紙を書き終えた僕はミザーリとジェンを引き連れて『スサンの天使』に向かった。新メニューを伝える為である。ムーヤさんとロマさんには三年以上あってない…三年はあっちに行っていた期間なので実際は数ヶ月だけどね。
あらかじめロマさんには材料を用意してもらうよう手紙を送っている。もう『スサンの天使』でも柔らかいパンは使用してかまわないので今日はそのパンも伝授する予定だ。
馬車は繁華街近くの駐車場に停めてそこから繁華街に入る。お店、結構人が並んでるけど大丈夫かな?そう思いながら店の裏手の通用口から入る。なんかキッチンが大きくなって人数が倍に増えていた。
「やあ、『天使』いらっしゃい。待ってたよ」
料理長のムーヤさん。かっこいい女だね。
「ちわっす」
副料理長のロマさん。小人だけどとんでもない材料の目利きなの。
「こんちは。なんか、大きくなったね」
「ははは。客が増え過ぎて一回パンクしたのさ。で、あわててキッチンを増築したってわけさ」
「うちらの仕事はだいぶ楽になったっすよ」
「さあ、やろうか。あんたまたとんでもない爆弾を王都で爆発させたね。ロイック坊ちゃんに聞いて楽しみで仕方なかったよ」
「材料はそろってるっす。やりましょう」
まずはパンを作る。酵母液の作り方をメモして渡す。ムーヤさんの知り合いに錬金術師がいるのでその人にやってもらうと言ってた。パンを味見した二人は絶句していた。
「なんて柔らかくて美味いパンなんだ」
「これ出したらまた売れそうですね」
次は基本のソースを教える。ここのソースも美味しいけど塩ベースなんだよね。
「あー。やりたい事が増えたよ、これは」
「シェフお任せも進化するっすね」
それからエストバーガーを作る。ロイック兄さんの話だとお持ち帰り専用にするらしい。
「これ、ソースの味が活きてるわ。天使、あんたまた腕をあげたね」
「これ作れるなんて最高っすね」
それからトンカツならぬエストン。
これもメニュー入りするみたいね。
「このサクサク感がたまらないね。ソースを甘辛くしているのがまた合うねえ」
「レモンで味変って心憎い演出っすね。これはメニュー入りするっすよ」
そしてエビフライならぬリョウエビと言いたかったがここは内陸なので川エビしかないので諦めた。でも一応こんな料理もあるよ、と紹介する。
「なるほど、エビでやっても美味そうだね」
「美味しそうっす」
「とりあえず、あとは豚肉と、葉物野菜と、パスタを、炒めて、基本ソースと塩胡椒、で味付け、するやつ、だけかな」
「それは何となくわかるから研究するよ。それでまだ他に出すつもりかい?」
「しばらくしたら、結構出す」
「楽しみだねえ」
「どんな料理っすかね」
「結構、出して大丈夫?」
「ああ、ここに出しときゃとりあえず売れるから大丈夫だよ」
「新人や新料理が多少増えても問題ないように厨房を整えてるっす。任せてください」
「そうだね。あたしたちは2号店、3号店、4号店と増えてく店の最上位料理長、副料理長として頑張っていけるように今体制を作ってる。あたしたちに任せな」
そしてスサン商会に残った者はおとといから本格的に仕事をしている。新人教育をどうするかお父さんとお兄さん達と話をしたとき、僕はOJTの事を思い出したのでそれを伝えた。上司や先輩が指導役となり、実際の業務を行いながら教育と育成をしていくやり方である。本来なら1対1で行うのだが、教える方の人数が足りないところは1対2だ。モムノフさんやドルトや経験豊富な商会員は二人受けもっている。
大きな失敗はなかったが些細な失敗は出た。でも先輩役の商会員達が上手くフォローしている。ロイック兄さんは彼らを移住組と名付けて彼らのフォロー全般をしている。スサンの天使関係や王都支店の準備をしている中で大変だと思うが良くやってると思う。ロイック兄さんの実務力すごい。
丁稚は丁稚で先輩がちゃんと下の面倒を見ている。その光景を見るととても微笑ましい。特に小さい子が大きい子に文字を教えてるのを見ると可愛くて笑ってしまう。
ヴェリーさん率いる大工集団は必要な数の家をあっという間に建ててしまい、今はお兄さん達が余分に建てておこうと別注文した家を建てている。必要な家を建てるまであの酒好きの地精達が一滴の酒も呑まず突貫工事をしてくれたのが驚きだった。地精達はもう住む人がいない家だから良いよなって言って最近やっと酒を仕事終わりに呑むようになってくれて、ある意味ホッとしている。
そんなわけで食堂に避難していた移住組は集合住宅に住むようになった。数日前まで避難所だった所が今は憩いの場所になっている。
近所や取引をしている商会の人たちや、常連のお客様は今回の事件に胸を打たれ、色々差し入れをしてくれた。その度その度に移住組が泣きそうになってるので、先輩組は仕事でお返しをしろ、と良く言い聞かせているのを目撃する。半泣きになりながら仕事をしているのを見ると事件の事を必死で忘れようと頑張ってるんだな、と思えた。
昨日、嬉しいニュースがあった。移住組の一人の奥さんと子供2人が見つかったのだ。早速奥さんと子供は伯爵家によって連れ戻されその人の元に戻った。店先でおんおんと泣き崩れる4人をロイック兄さんと先輩が食堂に案内し、マスが料理をして家族4人で泣きながらご飯を食べていた。
ロイック兄さんも半泣きになっていたが、給仕していたマチルダがボロ泣きしていたので思わず泣き笑いをしてしまったよ。
そんな中でも僕の仕事がやってきた。膨大な量の手紙の対処である。ジャーニーキースことキースと元メイド頭だったギピアと暗号解読していく。なかなかの強敵だったけどなんとか判別できた。7割はしょうもない手紙だった。1割は上級貴族による陞爵のお祝いの手紙で、もう1割は仕事関係の手紙、残り1割はお礼状を送った所から来た直筆の手紙だった。しょうもない手紙はキースに任せて残り3割は直筆で書いた。僕はしょうもない手紙は暗号を使うけど、大事な手紙は直筆で書こうと心に決めた。
手紙を書き終えた僕はミザーリとジェンを引き連れて『スサンの天使』に向かった。新メニューを伝える為である。ムーヤさんとロマさんには三年以上あってない…三年はあっちに行っていた期間なので実際は数ヶ月だけどね。
あらかじめロマさんには材料を用意してもらうよう手紙を送っている。もう『スサンの天使』でも柔らかいパンは使用してかまわないので今日はそのパンも伝授する予定だ。
馬車は繁華街近くの駐車場に停めてそこから繁華街に入る。お店、結構人が並んでるけど大丈夫かな?そう思いながら店の裏手の通用口から入る。なんかキッチンが大きくなって人数が倍に増えていた。
「やあ、『天使』いらっしゃい。待ってたよ」
料理長のムーヤさん。かっこいい女だね。
「ちわっす」
副料理長のロマさん。小人だけどとんでもない材料の目利きなの。
「こんちは。なんか、大きくなったね」
「ははは。客が増え過ぎて一回パンクしたのさ。で、あわててキッチンを増築したってわけさ」
「うちらの仕事はだいぶ楽になったっすよ」
「さあ、やろうか。あんたまたとんでもない爆弾を王都で爆発させたね。ロイック坊ちゃんに聞いて楽しみで仕方なかったよ」
「材料はそろってるっす。やりましょう」
まずはパンを作る。酵母液の作り方をメモして渡す。ムーヤさんの知り合いに錬金術師がいるのでその人にやってもらうと言ってた。パンを味見した二人は絶句していた。
「なんて柔らかくて美味いパンなんだ」
「これ出したらまた売れそうですね」
次は基本のソースを教える。ここのソースも美味しいけど塩ベースなんだよね。
「あー。やりたい事が増えたよ、これは」
「シェフお任せも進化するっすね」
それからエストバーガーを作る。ロイック兄さんの話だとお持ち帰り専用にするらしい。
「これ、ソースの味が活きてるわ。天使、あんたまた腕をあげたね」
「これ作れるなんて最高っすね」
それからトンカツならぬエストン。
これもメニュー入りするみたいね。
「このサクサク感がたまらないね。ソースを甘辛くしているのがまた合うねえ」
「レモンで味変って心憎い演出っすね。これはメニュー入りするっすよ」
そしてエビフライならぬリョウエビと言いたかったがここは内陸なので川エビしかないので諦めた。でも一応こんな料理もあるよ、と紹介する。
「なるほど、エビでやっても美味そうだね」
「美味しそうっす」
「とりあえず、あとは豚肉と、葉物野菜と、パスタを、炒めて、基本ソースと塩胡椒、で味付け、するやつ、だけかな」
「それは何となくわかるから研究するよ。それでまだ他に出すつもりかい?」
「しばらくしたら、結構出す」
「楽しみだねえ」
「どんな料理っすかね」
「結構、出して大丈夫?」
「ああ、ここに出しときゃとりあえず売れるから大丈夫だよ」
「新人や新料理が多少増えても問題ないように厨房を整えてるっす。任せてください」
「そうだね。あたしたちは2号店、3号店、4号店と増えてく店の最上位料理長、副料理長として頑張っていけるように今体制を作ってる。あたしたちに任せな」
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