【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

文字の大きさ
152 / 806
旅立つ者。

新メニューの伝授。

 10日が過ぎた。他業種を望んでいた避難民は各ギルドの支援によってその職に就く事ができた。ほとんどが住み込みの仕事になるが、みな喜んでその仕事に就いた。
 そしてスサン商会に残った者はおとといから本格的に仕事をしている。新人教育をどうするかお父さんとお兄さん達と話をしたとき、僕はOJTの事を思い出したのでそれを伝えた。上司や先輩が指導役となり、実際の業務を行いながら教育と育成をしていくやり方である。本来なら1対1で行うのだが、教える方の人数が足りないところは1対2だ。モムノフさんやドルトや経験豊富な商会員かぞくは二人受けもっている。
 大きな失敗はなかったが些細な失敗は出た。でも先輩役の商会員かぞく達が上手くフォローしている。ロイック兄さんは彼らを移住組と名付けて彼らのフォロー全般をしている。スサンの天使関係や王都支店の準備をしている中で大変だと思うが良くやってると思う。ロイック兄さんの実務力すごい。
 丁稚は丁稚で先輩がちゃんと下の面倒を見ている。その光景を見るととても微笑ましい。特に小さい子が大きい子に文字を教えてるのを見ると可愛くて笑ってしまう。
 ヴェリーさん率いる大工集団は必要な数の家をあっという間に建ててしまい、今はお兄さん達が余分に建てておこうと別注文した家を建てている。必要な家を建てるまであの酒好きの地精ドワーフ達が一滴の酒も呑まず突貫工事をしてくれたのが驚きだった。地精ドワーフ達はもう住む人がいない家だから良いよなって言って最近やっと酒を仕事終わりに呑むようになってくれて、ある意味ホッとしている。
 そんなわけで食堂に避難していた移住組は集合住宅に住むようになった。数日前まで避難所だった所が今は憩いの場所になっている。
 近所や取引をしている商会の人たちや、常連のお客様は今回の事件に胸を打たれ、色々差し入れをしてくれた。その度その度に移住組が泣きそうになってるので、先輩組は仕事でお返しをしろ、と良く言い聞かせているのを目撃する。半泣きになりながら仕事をしているのを見ると事件の事を必死で忘れようと頑張ってるんだな、と思えた。


 昨日、嬉しいニュースがあった。移住組の一人の奥さんと子供2人が見つかったのだ。早速奥さんと子供は伯爵家によって連れ戻されその人の元に戻った。店先でおんおんと泣き崩れる4人をロイック兄さんと先輩が食堂に案内し、マスが料理をして家族4人で泣きながらご飯を食べていた。
 ロイック兄さんも半泣きになっていたが、給仕していたマチルダがボロ泣きしていたので思わず泣き笑いをしてしまったよ。



 そんな中でも僕の仕事がやってきた。膨大な量の手紙の対処である。ジャーニーキースことキースと元メイド頭だったギピアと暗号解読していく。なかなかの強敵だったけどなんとか判別できた。7割はしょうもない手紙だった。1割は上級貴族による陞爵のお祝いの手紙で、もう1割は仕事関係の手紙、残り1割はお礼状を送った所から来た直筆の手紙だった。しょうもない手紙はキースに任せて残り3割は直筆で書いた。僕はしょうもない手紙は暗号を使うけど、大事な手紙は直筆で書こうと心に決めた。

 手紙を書き終えた僕はミザーリとジェンを引き連れて『スサンの天使』に向かった。新メニューを伝える為である。ムーヤさんとロマさんには三年以上あってない…三年はあっちに行っていた期間なので実際は数ヶ月だけどね。
 あらかじめロマさんには材料を用意してもらうよう手紙を送っている。もう『スサンの天使』でも柔らかいパンは使用してかまわないので今日はそのパンも伝授する予定だ。
 馬車は繁華街近くの駐車場に停めてそこから繁華街に入る。お店、結構人が並んでるけど大丈夫かな?そう思いながら店の裏手の通用口から入る。なんかキッチンが大きくなって人数が倍に増えていた。

「やあ、『天使』いらっしゃい。待ってたよ」
 
 料理長ヘッドチーフのムーヤさん。かっこいいひとだね。

「ちわっす」

 副料理長スーシェフのロマさん。小人ハーフリングだけどとんでもない材料の目利きジャッジなの。

「こんちは。なんか、大きくなったね」
「ははは。客が増え過ぎて一回パンクしたのさ。で、あわててキッチンを増築したってわけさ」
「うちらの仕事はだいぶ楽になったっすよ」
「さあ、やろうか。あんたまたとんでもない爆弾を王都で爆発させたね。ロイック坊ちゃんに聞いて楽しみで仕方なかったよ」
「材料はそろってるっす。やりましょう」

 まずはパンを作る。酵母液の作り方をメモして渡す。ムーヤさんの知り合いに錬金術師がいるのでその人にやってもらうと言ってた。パンを味見した二人は絶句していた。

「なんて柔らかくて美味いパンなんだ」
「これ出したらまた売れそうですね」

 次は基本のソースを教える。ここのソースも美味しいけど塩ベースなんだよね。

「あー。やりたい事が増えたよ、これは」
「シェフお任せも進化するっすね」

 それからエストバーガーを作る。ロイック兄さんの話だとお持ち帰り専用にするらしい。

「これ、ソースの味が活きてるわ。天使、あんたまた腕をあげたね」
「これ作れるなんて最高っすね」

 それからトンカツならぬエストン。
これもメニュー入りするみたいね。

「このサクサク感がたまらないね。ソースを甘辛くしているのがまた合うねえ」
「レモンで味変って心憎い演出っすね。これはメニュー入りするっすよ」

 そしてエビフライならぬリョウエビと言いたかったがここは内陸なので川エビしかないので諦めた。でも一応こんな料理もあるよ、と紹介する。

「なるほど、エビでやっても美味そうだね」
「美味しそうっす」
「とりあえず、あとは豚肉と、葉物野菜と、パスタを、炒めて、基本ソースと塩胡椒、で味付け、するやつ、だけかな」
「それは何となくわかるから研究するよ。それでまだ他に出すつもりかい?」
「しばらくしたら、結構出す」
「楽しみだねえ」
「どんな料理っすかね」
「結構、出して大丈夫?」
「ああ、ここに出しときゃとりあえず売れるから大丈夫だよ」
「新人や新料理が多少増えても問題ないように厨房を整えてるっす。任せてください」
「そうだね。あたしたちは2号店、3号店、4号店と増えてく店の最上位料理長ヘッドチーフ副料理長スーシェフとして頑張っていけるように今体制を作ってる。あたしたちに任せな」

 
 
 


感想 9

あなたにおすすめの小説

異世界転生したので、文明レベルを21世紀まで引き上げてみた ~前世の膨大な知識を元手に、貧乏貴族から世界を変える“近代化の父”になります~

夏見ナイ
ファンタジー
過労死したプラントエンジニアの俺が転生したのは、剣と魔法の世界のド貧乏な貴族の三男、リオ。石鹸すらない不衛生な環境、飢える家族と領民……。こんな絶望的な状況、やってられるか! 前世の知識を総動員し、俺は快適な生活とスローライフを目指して領地改革を開始する! 農業革命で食料問題を解決し、衛生革命で疫病を撲滅。石鹸、ガラス、醤油もどきで次々と生活レベルを向上させると、寂れた領地はみるみる豊かになっていった。 逃げてきた伯爵令嬢や森のエルフ、ワケありの元騎士など、頼れる仲間も集まり、順風満帆かと思いきや……その成功が、強欲な隣領や王都の貴族たちの目に留まってしまう。 これは、ただ快適に暮らしたかっただけの男が、やがて“近代化の父”と呼ばれるようになるまでの物語。

最強魔法は生活魔法!? ~異世界ではモンスター退治も生活のうち~

gagaga
ファンタジー
神の気まぐれにより異世界へと転移した主人公田辺竜太(大学生)が生活魔法を駆使して冒険したり町の人と触れ合ったりする物語です。 なお、神が気まぐれすぎて一番最初に降り立つ地は、無人島です。 一人称視点、独り言多め、能天気となっております。 なお、作者が気ままに書くので誤字脱字は多いかもしれませんが、大目に見て頂けるとありがたいです。 ただ、敢えてそうしている部分もあり、ややこしくてすいません。(^^;A ご指摘あればどんどん仰ってください。 ※2017/8/29 連載再開しました!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

ひだまりのFランク冒険者

みなと劉
ファンタジー
ここは異世界。 そこの冒険者ギルドでは毎日仕事がてんこ盛り。 そんな中 冒険者ギルドには万年Fランクの冒険者が一人いる。 その名は、リルド。 彼は、特に何もない感じに毎日 「薬草採取」「石集め」Fランク向け「討伐」場合によっては「ポーション生成」をする。 この話はこの万年Fランク冒険者リルドの物語である。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
 女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!  HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。  跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。 「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」  最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!

子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~

九條葉月
ファンタジー
第6回HJ小説大賞におきまして、こちらの作品が受賞・書籍化決定しました! ありがとうございます! 七歳の少女リーナは突如として前世の記憶を思い出した。 しかし、戸惑う暇もなく『銀髪が不気味』という理由で別邸に軟禁されてしまう。 食事の量も減らされたリーナは生き延びるために別邸を探索し――地下室で、ドラゴンの卵を発見したのだった。 孵化したドラゴンと共に地下ダンジョンに潜るリーナ。すべては、軟禁下でも生き延びるために……。 これは、前を向き続けた少女が聖女となり、邪竜を倒し、いずれは魔王となって平和に暮らす物語……。