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旅立つ者。
ストークのいる生活。
「リョウ様、早速仕事をさせて頂きたいと思いますがよろしいでしょうか」
「うん。良いよ」
「昨日ロイックエン様にイゼルと色々お話を聞かせてもらっております。まずは工房の管理をしっかり致しましょう」
「任せた」
ストークはお父さんの所へ行く。僕は一応着いて行った。
「大旦那様、お話をさせていただいてよろしいでしょうか?」
「ああ。聞くよ」
「大旦那様にお願いがございます。まずはギピア様を10日に3日お貸し頂けないでしょうか?工房の家政を担う方をこれから探そうと思っておりますが、それまでギピア様のお力をお借りしたいと思っております」
「わかった。ギピアに聞いて本人が了承するなら良いぞ」
「ありがとうございます。続きましてハウスキーパーの件でございますがこの度避難なされてきたご婦人に声を掛けさせて頂きたく思っております。まだ越してきたばかりで何かと入り用だと思います。リョウ様はその事を憂いております。少しでも足しになればと思いこちらの提案をさせて頂きました」
「なるほど。彼らに聞いておこう」
「ありがとうございます。それからリョウ様の御者兼小間使いでこちらにいる丁稚の方をお一人引き抜かせていただきたく思います。今回の移住で丁稚の方が三倍に膨れ上がったとお聞きしております。丁稚の方のお仕事もお作りになられたとお聞きしておりますがスサン商会様におかれましてはその経費もバカにならな…」
「よし。一人と言わず二人選んでやろう」
「誠にありがとうございます。差し出がましい言い方となりまして申し訳ございません」
「悪気はないのはわかっているから大丈夫だ。あと困っているのはなんだ?」
「はい。特にございません」
「わかった。ギピアは今事務所にいる、声をかけてくれ。本人が良ければしばらく出向でもかまわないぞ」
「誠にありがとうございます」
「リョウのことをよろしく頼む」
「大旦那様、誠心誠意お仕えさせて頂きます」
「リョウ、しっかり手綱を握れよ」
「はい」
今度はギピアのところへ行った。
「ギピア様、お忙しいところ申し訳ありません。少しお話をさせていただいてよろしいでしょうか?」
「そんな畏まらないで大丈夫ですよ。私は元メイドですから」
「いえ。その若さでメイド頭となったとお聞きしました。失礼な口は聞けません。お願いがあって声を掛けさせて頂きました。リョウ様の工房なのですが現在家政を担っていただける方がおりません。お力をお貸し頂けないでしょうか?よろしくお願いいたします」
「商会長にはこのことは?」
「はい。許可をとっております。しばらくご出向なさるのは構わないとお聞きしました」
「そう。なら良いわ。私もお坊ちゃまの事心配になっていたの。商会長に言ってくるわ」
「ギピア、お願い」
「かしこまりました、お坊ちゃま」
「よろしくお願いいたします」
ストークはしばらく、顎に手を当てて考えている。
「リョウ様、これからお暇でございますか?」
「んー。エメイラの講義があるまで暇だけど?」
「わかりました。一件お付き合いして頂きたいところがございます。よろしいでしょうか?」
「どこ?」
「傭兵ギルドです。顔繋ぎが必要です。向こうのギルド長と会って頂きたく思います。よろしいでしょうか?」
「いいよ」
「ミザーリさんを呼んでまいります。少々お待ちくださいませ」
ストークはミザーリを連れてきた。
「主よ、今日はあたいの側を離れないでくださいね。ストーク、行こうか」
「はい。馬車の用意はさせております。参りましょう。リョウ様、貴族章の準備をお願いします」
ストークは御者席に座り、僕とミザーリは馬車に乗って街の広場に向かった。
傭兵ギルドは三階建ての堅牢な茶色の建物で装飾はなく実用一辺倒な感じの建物だった。中に入ると併設された酒場で真昼間というのにたくさんの傭兵が酒を呑んでいた。そんな中を僕たちはカウンターに歩いていく。ストークは一歩前に出てカウンターにいた職員に話しかける。
「失礼、私はリョウエスト・スサン名誉子爵の家来でストーク・カイだ。ギルド長と面会させて頂きたい」
「はあ?聞いた事ないぜそんな貴族。大体子連れできて家来はないだろ」
「不敬な。このお方の胸を見ろ。このお方は恐れ多くも国王様から『王国の料理番』の称号を授けられたリョウエスト・スサン子爵。またの名を『スサンの天使』様だ」
「あ、ああ。やっちまった。大変申し訳ない。今お呼びします。ご勘弁を」
「二度目はないからな」
「ありがとうございます」
しばらくすると階段の上から大男が降りてきた。
「あんたがリョウエスト・スサンか?本当に子供なんだな。『スサンの天使』よ。会えて光栄だぜ。俺はここの頭やってるドルクってもんだ。口の利き方がよくわからねえがよろしく頼む」
「リョウエスト・スサン。よろしく」
ドルクさんと握手する。
「傭兵を雇いたいんだろ。あんたの屋敷を見た。ありゃすごいな。俺たちに任せてくれ」
「私は家来のスターク・カイと申す。ご主人様は長期の傭兵をと所望しておられる。面接などは私が行う。よろしく頼む」
「ああ。引き受けた。何人だ?」
「6人だ。三交代制をとる」
「わかった。段取りしとく。三交代制か。ありがたいな」
「しっかり休まないとしっかり働けぬとご主人様が申していてな」
「違いねえ。『スサンの天使』、あんた大したやつだ。上等な傭兵を見繕ってやる。楽しみにな」
「うん。良いよ」
「昨日ロイックエン様にイゼルと色々お話を聞かせてもらっております。まずは工房の管理をしっかり致しましょう」
「任せた」
ストークはお父さんの所へ行く。僕は一応着いて行った。
「大旦那様、お話をさせていただいてよろしいでしょうか?」
「ああ。聞くよ」
「大旦那様にお願いがございます。まずはギピア様を10日に3日お貸し頂けないでしょうか?工房の家政を担う方をこれから探そうと思っておりますが、それまでギピア様のお力をお借りしたいと思っております」
「わかった。ギピアに聞いて本人が了承するなら良いぞ」
「ありがとうございます。続きましてハウスキーパーの件でございますがこの度避難なされてきたご婦人に声を掛けさせて頂きたく思っております。まだ越してきたばかりで何かと入り用だと思います。リョウ様はその事を憂いております。少しでも足しになればと思いこちらの提案をさせて頂きました」
「なるほど。彼らに聞いておこう」
「ありがとうございます。それからリョウ様の御者兼小間使いでこちらにいる丁稚の方をお一人引き抜かせていただきたく思います。今回の移住で丁稚の方が三倍に膨れ上がったとお聞きしております。丁稚の方のお仕事もお作りになられたとお聞きしておりますがスサン商会様におかれましてはその経費もバカにならな…」
「よし。一人と言わず二人選んでやろう」
「誠にありがとうございます。差し出がましい言い方となりまして申し訳ございません」
「悪気はないのはわかっているから大丈夫だ。あと困っているのはなんだ?」
「はい。特にございません」
「わかった。ギピアは今事務所にいる、声をかけてくれ。本人が良ければしばらく出向でもかまわないぞ」
「誠にありがとうございます」
「リョウのことをよろしく頼む」
「大旦那様、誠心誠意お仕えさせて頂きます」
「リョウ、しっかり手綱を握れよ」
「はい」
今度はギピアのところへ行った。
「ギピア様、お忙しいところ申し訳ありません。少しお話をさせていただいてよろしいでしょうか?」
「そんな畏まらないで大丈夫ですよ。私は元メイドですから」
「いえ。その若さでメイド頭となったとお聞きしました。失礼な口は聞けません。お願いがあって声を掛けさせて頂きました。リョウ様の工房なのですが現在家政を担っていただける方がおりません。お力をお貸し頂けないでしょうか?よろしくお願いいたします」
「商会長にはこのことは?」
「はい。許可をとっております。しばらくご出向なさるのは構わないとお聞きしました」
「そう。なら良いわ。私もお坊ちゃまの事心配になっていたの。商会長に言ってくるわ」
「ギピア、お願い」
「かしこまりました、お坊ちゃま」
「よろしくお願いいたします」
ストークはしばらく、顎に手を当てて考えている。
「リョウ様、これからお暇でございますか?」
「んー。エメイラの講義があるまで暇だけど?」
「わかりました。一件お付き合いして頂きたいところがございます。よろしいでしょうか?」
「どこ?」
「傭兵ギルドです。顔繋ぎが必要です。向こうのギルド長と会って頂きたく思います。よろしいでしょうか?」
「いいよ」
「ミザーリさんを呼んでまいります。少々お待ちくださいませ」
ストークはミザーリを連れてきた。
「主よ、今日はあたいの側を離れないでくださいね。ストーク、行こうか」
「はい。馬車の用意はさせております。参りましょう。リョウ様、貴族章の準備をお願いします」
ストークは御者席に座り、僕とミザーリは馬車に乗って街の広場に向かった。
傭兵ギルドは三階建ての堅牢な茶色の建物で装飾はなく実用一辺倒な感じの建物だった。中に入ると併設された酒場で真昼間というのにたくさんの傭兵が酒を呑んでいた。そんな中を僕たちはカウンターに歩いていく。ストークは一歩前に出てカウンターにいた職員に話しかける。
「失礼、私はリョウエスト・スサン名誉子爵の家来でストーク・カイだ。ギルド長と面会させて頂きたい」
「はあ?聞いた事ないぜそんな貴族。大体子連れできて家来はないだろ」
「不敬な。このお方の胸を見ろ。このお方は恐れ多くも国王様から『王国の料理番』の称号を授けられたリョウエスト・スサン子爵。またの名を『スサンの天使』様だ」
「あ、ああ。やっちまった。大変申し訳ない。今お呼びします。ご勘弁を」
「二度目はないからな」
「ありがとうございます」
しばらくすると階段の上から大男が降りてきた。
「あんたがリョウエスト・スサンか?本当に子供なんだな。『スサンの天使』よ。会えて光栄だぜ。俺はここの頭やってるドルクってもんだ。口の利き方がよくわからねえがよろしく頼む」
「リョウエスト・スサン。よろしく」
ドルクさんと握手する。
「傭兵を雇いたいんだろ。あんたの屋敷を見た。ありゃすごいな。俺たちに任せてくれ」
「私は家来のスターク・カイと申す。ご主人様は長期の傭兵をと所望しておられる。面接などは私が行う。よろしく頼む」
「ああ。引き受けた。何人だ?」
「6人だ。三交代制をとる」
「わかった。段取りしとく。三交代制か。ありがたいな」
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