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旅立つ者。
王城から出る。
謁見を終えてストークと合流した僕は勲章と褒賞を受け取りに行った。銀十字勲章っていうのは子爵位以下で貰える最高の勲章みたい。褒賞は金貨500枚だったよ。
着替えて厨房に戻り、あとは厨房に来ることはないからちゃんと最終点検した。指差しよし、っていってね。
王宮は日常を取り戻し始めている。
フィグさんと合流して、いつ帰れるか聞く。フィグさんは明日朝まで用事があるみたい。ストークとどうしようかと考えて今日一日は伯爵家のタウンハウスで泊まらせてもらおうと言うことになった。
かと言ってやることがない。そうだ!お土産渡すの忘れてたよ。侍従さんを捕まえてルディス様に会えるかどうかを聞く。部屋で待機してくれと言われ部屋で待っていたらサイスさんがやって来た。案内してくれると言う。
「リョウエスト様、数日間ありがとうございました。最高の仕事をやらせてもらいました」
「サイスさん、がんばった」
「侍従長として数々の要人を迎えて参りましたが、あんなに笑顔で帰った方たちを見たことがありません。そして別れの際、人々がお互いに別れを惜しんでいた光景も長らく見ていなかったものです」
「良かったね」
「あなた様は今後王城を舞台に数々の要人を迎えるようになるでしょう。我ら侍従一同はその時あなたの手足になり働く事を当然の事と考えております。さ、着きました」
ノックしてサイスさんが中に入りドアを開けて中に通してくれる。ルディスさんが座っていた。少し寂しそうだ。
「リョウ、今回はありがとう。すごく楽しい思い出をもらったわ」
「ルディス様、大丈夫?」
「ええ。大丈夫」
「ルディスさんに、お土産がある。だけど、内緒、お願い」
「わかった。言わないわ。サイスも頼んだわね」
「かしこまりました」
「喋ったら、僕の命、危ない。気をつけて」
「それほど大事な事なのね。気をつけるわ」
「まずは、この腕輪。うちのエメイラが、作った」
「エメイラヒルデ師ね」
「毒を3回、防いでくれるの」
「本当?」
「エメイラは、嘘はつかない。心配なら鑑定を」
「ルディス様、そういう稼業のものに友人がいます。その者に調べさせます」
「秘密はもれない?」
「はい。確実に」
「ではお願い」
「毒を受けたら、石の色が、変わる」
「わかったわ。何よりのお土産だわ」
「うん。まずはこれが一つ。もう一つはこれ。読んでね」
「これ?鑑定書?嘘!?本当に」
「これがそう」
「ルディス様、大丈夫ですか?」
「ええ。大丈夫だわ。これは本当に本当なのね?」
「これも心配なら、鑑定を。薬学の師匠と僕、見つけた」
「ねえ。サイス、この事は大ごとになってリョウの身が危うくなるから、絶対に話さないで」
「かしこまりました。心の底にしまっておきます」
「どうしようかしら。でも…」
「使わなくても、使っても、良い」
「そうね。リョウ、私決めたわ。もらうわね。でも頑張ってみるわ」
「それが、良いと思う」
「どうやって使うの?」
「一回スプーン一杯、10日間」
「わかったわ」
「錬金術で、3年間は保つ」
「3年ね」
「これで、気が楽に、なれば、嬉しい」
「サイス、国を出るまでに鑑定できるかしら」
「かしこまりました。そのように手配いたします」
「誰にも言わないでね」
「かしこまりました」
「リョウ、あなたがしてくれた事、私は絶対忘れないわ」
「んー。忘れて。今日はルディス様と、楽しい話を、した」
「…そうね。そうしましょう」
「ありがと」
「こっちこそありがとうだわ」
「国、離れる、心配多い。だけど僕は祈ってる」
「ありがと」
「結婚式、期待してて。うんと美味しいものを、作るの」
「嬉しいわ」
「じゃあ、僕は行く、またね」
「ええ。ありがとう。またね」
手を振って部屋を出ていった。サイスさんが送ってくれる。
「本当に、本当にありがとうございました。私はリョウエスト様のなさった事を忘れません。何かありましたら…」
「サイスさん、忘れて?」
「かしこまりました。心の奥にしまっておきます」
「サイスさんも、元気でね」
「ありがとうございました。社交シーズン、楽しみにしております」
部屋に戻って後片付けをし、ストークを待つ。あ、ルマーニ様と遊ぶ約束守れなかったなあ。ストークが戻ってきたので部屋から出て出口に向かう。
途中でルマーニ様が侍女を引き連れ待っていた。
「ルマーニ様?」
「リョウー。もう帰るのー?」
「うん。ルマーニ様、ありがと」
「リョウー。ありがと。美味しかった。ルマーニの名前、ありがと」
「遊べなくて、ごめんね」
「ううん。リョウ、こんどは」
「うん。こんどは」
「ねえ、次はいつ来るの?」
「社交シーズン」
「あれ、きらい」
「僕もにがて」
「リョウは守るから」
「ありがと」
「ねえねえ、お約束」
「お約束」
「じゃあ、またね」
「うん。また」
ルマーニ様と手を振って別れる。ルマーニ様も寂しそうだったなぁ。ストークに促され歩き出す。しばし今回の旅を振り返る。大変だったけどできる事はやれたかな、と思う。
出口に出た。通用口だ。そこには沢山の人達が待っていた。工廠部のダイスさんはじめ、侍従さん、侍女さん、料理長をはじめとする料理人のみんな。ここ数日間一緒に戦ったものたちだ。
「よく頑張ったな」
「お疲れ様でした。ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「今度もがんばりましょう」
「また面白い事計画して下さいね」
「次も楽しみにしてます」
口々にみなが言う。
「僕だけ、ダメ。みんな頑張るの」
とおどけて言う。
「「「はい」」」
と言ってみんなで笑った。しばらく話をしていたらレウフォ叔父さん率いる近衛が馬車を引き連れてやって来た。
「お疲れさん。まあ、乗ってけや」
「ありがとう。レウフォ叔父さん」
馬車に乗り込もうとすると侍従の一人が出てくる。
「リョウエスト・スサン名誉子爵閣下」
「ん?」
「「「「ありがとうございました」」」」
みんなが一斉にありがとうございましたと言い、綺麗なお辞儀をする。
僕は彼らに笑いかけながら親指を立て馬車に乗り込んだ。
着替えて厨房に戻り、あとは厨房に来ることはないからちゃんと最終点検した。指差しよし、っていってね。
王宮は日常を取り戻し始めている。
フィグさんと合流して、いつ帰れるか聞く。フィグさんは明日朝まで用事があるみたい。ストークとどうしようかと考えて今日一日は伯爵家のタウンハウスで泊まらせてもらおうと言うことになった。
かと言ってやることがない。そうだ!お土産渡すの忘れてたよ。侍従さんを捕まえてルディス様に会えるかどうかを聞く。部屋で待機してくれと言われ部屋で待っていたらサイスさんがやって来た。案内してくれると言う。
「リョウエスト様、数日間ありがとうございました。最高の仕事をやらせてもらいました」
「サイスさん、がんばった」
「侍従長として数々の要人を迎えて参りましたが、あんなに笑顔で帰った方たちを見たことがありません。そして別れの際、人々がお互いに別れを惜しんでいた光景も長らく見ていなかったものです」
「良かったね」
「あなた様は今後王城を舞台に数々の要人を迎えるようになるでしょう。我ら侍従一同はその時あなたの手足になり働く事を当然の事と考えております。さ、着きました」
ノックしてサイスさんが中に入りドアを開けて中に通してくれる。ルディスさんが座っていた。少し寂しそうだ。
「リョウ、今回はありがとう。すごく楽しい思い出をもらったわ」
「ルディス様、大丈夫?」
「ええ。大丈夫」
「ルディスさんに、お土産がある。だけど、内緒、お願い」
「わかった。言わないわ。サイスも頼んだわね」
「かしこまりました」
「喋ったら、僕の命、危ない。気をつけて」
「それほど大事な事なのね。気をつけるわ」
「まずは、この腕輪。うちのエメイラが、作った」
「エメイラヒルデ師ね」
「毒を3回、防いでくれるの」
「本当?」
「エメイラは、嘘はつかない。心配なら鑑定を」
「ルディス様、そういう稼業のものに友人がいます。その者に調べさせます」
「秘密はもれない?」
「はい。確実に」
「ではお願い」
「毒を受けたら、石の色が、変わる」
「わかったわ。何よりのお土産だわ」
「うん。まずはこれが一つ。もう一つはこれ。読んでね」
「これ?鑑定書?嘘!?本当に」
「これがそう」
「ルディス様、大丈夫ですか?」
「ええ。大丈夫だわ。これは本当に本当なのね?」
「これも心配なら、鑑定を。薬学の師匠と僕、見つけた」
「ねえ。サイス、この事は大ごとになってリョウの身が危うくなるから、絶対に話さないで」
「かしこまりました。心の底にしまっておきます」
「どうしようかしら。でも…」
「使わなくても、使っても、良い」
「そうね。リョウ、私決めたわ。もらうわね。でも頑張ってみるわ」
「それが、良いと思う」
「どうやって使うの?」
「一回スプーン一杯、10日間」
「わかったわ」
「錬金術で、3年間は保つ」
「3年ね」
「これで、気が楽に、なれば、嬉しい」
「サイス、国を出るまでに鑑定できるかしら」
「かしこまりました。そのように手配いたします」
「誰にも言わないでね」
「かしこまりました」
「リョウ、あなたがしてくれた事、私は絶対忘れないわ」
「んー。忘れて。今日はルディス様と、楽しい話を、した」
「…そうね。そうしましょう」
「ありがと」
「こっちこそありがとうだわ」
「国、離れる、心配多い。だけど僕は祈ってる」
「ありがと」
「結婚式、期待してて。うんと美味しいものを、作るの」
「嬉しいわ」
「じゃあ、僕は行く、またね」
「ええ。ありがとう。またね」
手を振って部屋を出ていった。サイスさんが送ってくれる。
「本当に、本当にありがとうございました。私はリョウエスト様のなさった事を忘れません。何かありましたら…」
「サイスさん、忘れて?」
「かしこまりました。心の奥にしまっておきます」
「サイスさんも、元気でね」
「ありがとうございました。社交シーズン、楽しみにしております」
部屋に戻って後片付けをし、ストークを待つ。あ、ルマーニ様と遊ぶ約束守れなかったなあ。ストークが戻ってきたので部屋から出て出口に向かう。
途中でルマーニ様が侍女を引き連れ待っていた。
「ルマーニ様?」
「リョウー。もう帰るのー?」
「うん。ルマーニ様、ありがと」
「リョウー。ありがと。美味しかった。ルマーニの名前、ありがと」
「遊べなくて、ごめんね」
「ううん。リョウ、こんどは」
「うん。こんどは」
「ねえ、次はいつ来るの?」
「社交シーズン」
「あれ、きらい」
「僕もにがて」
「リョウは守るから」
「ありがと」
「ねえねえ、お約束」
「お約束」
「じゃあ、またね」
「うん。また」
ルマーニ様と手を振って別れる。ルマーニ様も寂しそうだったなぁ。ストークに促され歩き出す。しばし今回の旅を振り返る。大変だったけどできる事はやれたかな、と思う。
出口に出た。通用口だ。そこには沢山の人達が待っていた。工廠部のダイスさんはじめ、侍従さん、侍女さん、料理長をはじめとする料理人のみんな。ここ数日間一緒に戦ったものたちだ。
「よく頑張ったな」
「お疲れ様でした。ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「今度もがんばりましょう」
「また面白い事計画して下さいね」
「次も楽しみにしてます」
口々にみなが言う。
「僕だけ、ダメ。みんな頑張るの」
とおどけて言う。
「「「はい」」」
と言ってみんなで笑った。しばらく話をしていたらレウフォ叔父さん率いる近衛が馬車を引き連れてやって来た。
「お疲れさん。まあ、乗ってけや」
「ありがとう。レウフォ叔父さん」
馬車に乗り込もうとすると侍従の一人が出てくる。
「リョウエスト・スサン名誉子爵閣下」
「ん?」
「「「「ありがとうございました」」」」
みんなが一斉にありがとうございましたと言い、綺麗なお辞儀をする。
僕は彼らに笑いかけながら親指を立て馬車に乗り込んだ。
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