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6歳の力走。
旅路の誕生日。
今僕は旅路の途中にいる。社交シーズンが始まるのに合わせマックスさんと僕、ロイック兄さんはそれぞれ馬車に乗り王都に向かっているのだ。今は4日目が終わり、宿にいる。ここはマックスさんの常宿で一軒丸々ルステイン領の者で貸切状態だが、他の貴族は宿を取れず外で天幕を張って泊まりのものが多いと言う。僕とロイック兄さんはこの宿でミシェ姉さんと再会した。ミシェ姉さん達もルステイン領の家来として同じ宿だったのだ。そんなに離れてはいなかったが、お姉さんは夫であるラーモンさんと仲睦まじくやっているようだ。宿でラーモンさんと4人で会話したが、会話の端々に中の良い様子が伺えた。
5日目はルステイン領の貴族全員が揃っての大移動となった。お爺様が騎士爵のトップらしくルステイン領全体の警備を取り仕切っている。今回はお爺様とろくに会話ができていない。お爺様、大丈夫かな?
しばらく走っていると馬車が止まる。運転しているアレクとボルクのうちボルクが降りてきて様子を伝える。
「リョウ様、めちゃくちゃ長い渋滞が起きてます。しばらく動きそうもないです」
「そうか。ボルク、いつ動いても良いように準備しておけ」
「ストーク様、わかったよ」
窓を開けてみると先が見えない渋滞で馬車が連なっている。これはしばらくかかりそうだ。
「リョウ様、様子を見てまいります」
ストークが出て行った。やる事が無いのでステータスの出し入れをしながら待つ。しばらくしてストークが戻ってきた。
「前の方で子爵同士の小競り合いが起きています。どうやら車列に相手方が割り込んだのが原因のようです。現在睨み合いが続いています」
馬鹿じゃないの?どっかよそでやってもらいたいよ。他の貴族は怒らないの?
「毎年同じような事が起こるので傍観している模様です。最終的にどちらも王軍によって捕えられるのでそれを待っているのでしょう」
捕えられるのにやってるの?
「武を尊ぶ家という事で人気となる家もあります。そういった事を狙ってやる家もありますね」
そんなので渋滞起こすなよ。
「全くです。そのような主人に仕えなくて良かったと思います」
渋滞はなおも続く。かなり長い時間待たされて良い加減にしろ、と思った頃、王軍が到着して一気に潰したらしい。今回は酷い渋滞を起こしたということで、各地の諸侯がキレて通報し両方の当主を残しほぼ全ての部下を逮捕と言う措置が取られた。名声が上がるどころか名声を落としたね、これは。
「なんでこんな事やるのかな?」
「メンツの問題でしょうね。落としどころも作れない貴族もいるという良い見本になります」
「その子爵家達は、どうなるの?」
「今回複数の領の領主を巻き込む事になりましたからほぼ降格でしょう。直臣ならですが」
「直臣でなかったら?」
「その領主によりますが、領主のメンツを潰した事になりますから、歴史上から消える可能性が多いかと」
「なるほどね」
「今日はもしかしたら王都に入れないという可能性が出てきました。リョウ様、最悪ミザーリに抱えられて王都に入られますか?」
「大丈夫」
「ですが誕生日を馬車というのも」
そうなのだ。明日は僕の誕生日なのだ。今日は怒涛の一年がやっと終わる日だ。
「仕方ない」
「馬車が動き出しましたね。間に合うと良いのですが」
その後は順調に進んだが王都の手前でまた止まった。
「今度は何?」
「見てまいります」
「気をつけて」
情報収集の為ストークが馬車を出る。またやる事がなくなったのでステータスを開けたり閉めたりする。結構長い間かかってストークは帰ってきた。
「大変でございます。貧民街で暴動が発生しました。貴族の連合軍と王軍が対処していますが、本日は門が閉まる前に王都につく事は困難と思われます」
「このまま立ち往生?」
「そうですね」
「マックスさんの、所へ行って。お腹空いてないか、聞いてくれる?」
「かしこまりました」
マックスさん今回一人だからお菓子とか持ってきてなさそうだしなあ。
「リョウ様、何か作れるのか、と聞いていますが」
「スープ、くらいなら、作るよ」
僕は収納から大寸胴鍋を出した。何かあるように30人くらい分の材料は持ってきた。
「かしこまりました。伝えてまいります。他のルステインの貴族様達にも伝えるように指示してきます」
かまどを兵士達に作ってもらって鍋に水弾を打ち込んで火を焚べてもらった。ルステイン貴族の部下で炊事兵の人が何人かいたので馬車の道具を貸して一緒に仕込みをする。途中の村で買ってきたという材料が到着し、結局五十食分作った。
完成したのでマックスさんに渡すと
「リョウ、後ろの方で私の友人が困っているようだ。スープを分けて良いだろうか?」
「余ってる、なら良い」
「わかった。そのように段取りをする。うちの各貴族にまずは食べてもらい、余ったらその者に届けよう」
「「かしこまりました」」
マックスさんの部下は各貴族に伝令を飛ばした。やがて各貴族がやってきた。マックスさんがみなを集める。
「みな、大変な事態になったが、幸い温かいスープをリョウエストが用意してくれた。これを飲んで頑張ってもらいたい」
10人の貴族とその配偶者はスープを美味しそうに飲んでいる。口々にお礼を言ってくれた。ロイック兄さんとミシェ姉さんには抱きつかれた。
「さて、残りは友人の貴族に渡す。みな馬車の中で寝苦しいだろうが頑張ってくれ」
こうして僕は馬車の中で誕生日を迎える事になった。こんなので社交シーズン大丈夫かな、と思いながら眠った。
5日目はルステイン領の貴族全員が揃っての大移動となった。お爺様が騎士爵のトップらしくルステイン領全体の警備を取り仕切っている。今回はお爺様とろくに会話ができていない。お爺様、大丈夫かな?
しばらく走っていると馬車が止まる。運転しているアレクとボルクのうちボルクが降りてきて様子を伝える。
「リョウ様、めちゃくちゃ長い渋滞が起きてます。しばらく動きそうもないです」
「そうか。ボルク、いつ動いても良いように準備しておけ」
「ストーク様、わかったよ」
窓を開けてみると先が見えない渋滞で馬車が連なっている。これはしばらくかかりそうだ。
「リョウ様、様子を見てまいります」
ストークが出て行った。やる事が無いのでステータスの出し入れをしながら待つ。しばらくしてストークが戻ってきた。
「前の方で子爵同士の小競り合いが起きています。どうやら車列に相手方が割り込んだのが原因のようです。現在睨み合いが続いています」
馬鹿じゃないの?どっかよそでやってもらいたいよ。他の貴族は怒らないの?
「毎年同じような事が起こるので傍観している模様です。最終的にどちらも王軍によって捕えられるのでそれを待っているのでしょう」
捕えられるのにやってるの?
「武を尊ぶ家という事で人気となる家もあります。そういった事を狙ってやる家もありますね」
そんなので渋滞起こすなよ。
「全くです。そのような主人に仕えなくて良かったと思います」
渋滞はなおも続く。かなり長い時間待たされて良い加減にしろ、と思った頃、王軍が到着して一気に潰したらしい。今回は酷い渋滞を起こしたということで、各地の諸侯がキレて通報し両方の当主を残しほぼ全ての部下を逮捕と言う措置が取られた。名声が上がるどころか名声を落としたね、これは。
「なんでこんな事やるのかな?」
「メンツの問題でしょうね。落としどころも作れない貴族もいるという良い見本になります」
「その子爵家達は、どうなるの?」
「今回複数の領の領主を巻き込む事になりましたからほぼ降格でしょう。直臣ならですが」
「直臣でなかったら?」
「その領主によりますが、領主のメンツを潰した事になりますから、歴史上から消える可能性が多いかと」
「なるほどね」
「今日はもしかしたら王都に入れないという可能性が出てきました。リョウ様、最悪ミザーリに抱えられて王都に入られますか?」
「大丈夫」
「ですが誕生日を馬車というのも」
そうなのだ。明日は僕の誕生日なのだ。今日は怒涛の一年がやっと終わる日だ。
「仕方ない」
「馬車が動き出しましたね。間に合うと良いのですが」
その後は順調に進んだが王都の手前でまた止まった。
「今度は何?」
「見てまいります」
「気をつけて」
情報収集の為ストークが馬車を出る。またやる事がなくなったのでステータスを開けたり閉めたりする。結構長い間かかってストークは帰ってきた。
「大変でございます。貧民街で暴動が発生しました。貴族の連合軍と王軍が対処していますが、本日は門が閉まる前に王都につく事は困難と思われます」
「このまま立ち往生?」
「そうですね」
「マックスさんの、所へ行って。お腹空いてないか、聞いてくれる?」
「かしこまりました」
マックスさん今回一人だからお菓子とか持ってきてなさそうだしなあ。
「リョウ様、何か作れるのか、と聞いていますが」
「スープ、くらいなら、作るよ」
僕は収納から大寸胴鍋を出した。何かあるように30人くらい分の材料は持ってきた。
「かしこまりました。伝えてまいります。他のルステインの貴族様達にも伝えるように指示してきます」
かまどを兵士達に作ってもらって鍋に水弾を打ち込んで火を焚べてもらった。ルステイン貴族の部下で炊事兵の人が何人かいたので馬車の道具を貸して一緒に仕込みをする。途中の村で買ってきたという材料が到着し、結局五十食分作った。
完成したのでマックスさんに渡すと
「リョウ、後ろの方で私の友人が困っているようだ。スープを分けて良いだろうか?」
「余ってる、なら良い」
「わかった。そのように段取りをする。うちの各貴族にまずは食べてもらい、余ったらその者に届けよう」
「「かしこまりました」」
マックスさんの部下は各貴族に伝令を飛ばした。やがて各貴族がやってきた。マックスさんがみなを集める。
「みな、大変な事態になったが、幸い温かいスープをリョウエストが用意してくれた。これを飲んで頑張ってもらいたい」
10人の貴族とその配偶者はスープを美味しそうに飲んでいる。口々にお礼を言ってくれた。ロイック兄さんとミシェ姉さんには抱きつかれた。
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こうして僕は馬車の中で誕生日を迎える事になった。こんなので社交シーズン大丈夫かな、と思いながら眠った。
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