【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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6歳の力走。

ロイック兄さんの結婚披露宴。

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 結婚式が終わりマックスさんの家族と一緒に聖堂を出ると僕はエメイラとストラ兄さんを連れて工房アトリエに急いだ。式場ではロイック兄さんとお姉さん達が僕と一緒に作ったミニクリームパンを配ってくれているので、その間に披露宴会場を少しでも整えようという算段なのだ。
 工房アトリエに着くと結婚式が終わったと中にいる者達に告げて各箇所を点検させる。料理は揃ってるか、グラスは足りているか、ワインはすぐ配れる状態になっているかを確認する。ストーク、ギピア、ミザーリ、キーカ、サッチが一生懸命動いてくれた。セルブロ、アレク、ボルクはこれから来る馬車の客の交通整理をする。青の技ブルーアーツは会場全体の警備だ。商会員かぞく達は接待役と給仕役として頑張ってもらう。準備は滞りなく進んでいた。

 今日の披露宴の料理はウルリッヒ式だが、ある程度まとめて出す形だ。メニューは前菜がミニピザ2種類。トマトソースロイックソースのマルゲリータとアメリカンピザ。生地はお姉さん達が作った。スープはサテラージャの香辛料を使ったカレースープ。魚料理は小魚のフリッターで、肉料理はメンチカツ。氷菓はりんごで、メインはローストチキン、それからラムチョップのソテー。ローストチキンは一羽丸ごとローストしている。もう見た目が豪華なので1テーブルに1羽置いている。ラムチョップのソテーは前世で親戚に連れて行ってもらった高級レストランで出たものを採用し再現した。あとはルディスケーキ。前もって少しずつ焼いては保存の変質をかけて収納に入れていたから間に合ったが、30台と大きな1台を二人で焼くというかなり無理な事をした。

 お客様がどんどん入ってくる。指定の席に座ってもらってウェルカムドリンクを配ってもらう。果実水かお茶で選んでもらう。今回は馬車の人も多いが、歩きでくる人も多いので待ち時間が出る人が多いのだ。本当は何かつまめるものを用意したかったが、そこまでの気力がなかった。
 途中でお兄さん達が入ってくる。二階の主寝室とゲストルームに分かれていてもらう。今回はお色直ししてから入場なのでお母さん方や衣装デザインのマダムルステインやそのお弟子さん達が着替えの手伝いに向かった。ドライが歩いてくる人がもう少しで来る事を伝えてくれた。ストラ兄さんにロイック兄さんへの伝令を頼む。お父さん達は客の接待をしている。もう僕も座らなきゃ。貴族席であるダイニングの方に向かう。途中家族関係がいるサロンを通る。お爺様とお祖母様は貴族だが希望でサロンにいた。王都から単身で戻ってきたうちのお爺さんと3人で色々話している。今回全然3人の相手できなかったなあ。お爺さんはいつまでいるのかな、話がしたいなと思いながら椅子に座る。横にいるエメイラはすでに逃げる気満々だった。
 ストークがやってきて始めても良いか聞く。上がどうなってるかわからないので確認して始めてくれと言う。もう確認をとったので大丈夫だといったのでオッケーを出した。今日の司会はロイック兄さんの右腕のイゼルだ。頑張ってください。

「ただいまより、結婚披露宴を始めたいと思います。新郎新婦、入場します!」

 二階から四人が降りてくる。マリカ姉さんがピンク、ケリィ姉さんが黄、ジェンが青いドレスだ。一番最初にダイニングを回って、それから一旦サロンを通り抜け、ダンスホールの方へ向かったようだ。うちの工房アトリエ、この披露宴のためにサロンの壁を取っ払ってもらった。サロンからはダイニング、ダンスホール両方が見える。ただダイニングからダンスホールは見えないし、ダンスホールからダイニングは見えない。終わったら壁は元に戻すからこの形は数日間だ。
 ロイック兄さん達はサロンに特設した高砂に座った。最初はお父さんの挨拶で始まる。

「本日はご多忙中にも関わらず結婚披露宴にご参加くださりありがとうございます。新郎新婦への温かいお祝いの言葉、またこれまでのご指導やご支援に心より感謝いたします。まだまだ未熟な者達ですが今後とも見守り、ご指導いただきますよう、よろしくお願いいたします」

 おお、お父さんなかなか良い挨拶だね。次は乾杯の挨拶だ。これはマックスさん、お願いします。

「四人とも結婚おめでとう。王国でも有名になった我が領随一の商会スサン商会に新しい絆が結ばれ、ますます発展していくのを見れて嬉しい。今後ともよろしく頼む。それでは乾杯したいと思う。グラスは持ったか?乾杯!」

 乾杯、といってグラスを合わせる音が響く。あ、エメイラ逃亡した。今日もご挨拶が始まった。まずは名代の皆様からのご挨拶が始まって、ゲストの皆さんが次々とやってくる。それを捌きながらも、合間に食べるのを忘れない。マックスさんやマリエンティ伯爵も同じような感じだ。
 本当は出し物をやりたかったがロイック兄さんに多分無理だと言われ、ストラ兄さんにも難色を示されたのでやめた。貴族の結婚披露宴でも挨拶が大事なんだと言う。仕方ないな。
 結婚披露宴も縁もたけなわと言うところでルディスケーキ入刀をした。一般のゲストも貴族の名代のゲストも初めての人が多く、これはかなり盛り上がった。ルディスも初めての人が多く美味しさの感嘆があちこちで聞こえた。
 最後にロイック兄さんが挨拶をする。

「本日は私たち4人の為にお集まりくださりありがとうございました。皆様に見守られながら、無事に式と披露宴を行うことができて感謝の気持ちでいっぱいです。これから夫婦となり頑張っていきます。まだまだ未熟な4人ですが今後ともよろしくお願いします」

 拍手をした。大きな拍手と歓声の音が聞こえる。ロイック兄さん、マリカ姉さん、ケリィ姉さん、ジェンお疲れ様。
 



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