【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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ルステイン狂想曲。

温かいものは温かく。

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 グンヴォル神殿の秘密の部屋で僕は司書の人に聞きながら色々な資料を出してもらった。読みにくいものもあったが一応関連の資料には目を通した。僕が求めていた技術はなかった。1から考えなければならないのはきついが、時間はたくさんあるのだからゆっくりやろうと心に決めた。
 ステラさんと別れて神殿を出る。馬車に近づくと馬車の中にいたナビが起きてきて窓にへばりついた。ドアを開けると近くをふわふわ飛ぶ。喉を撫でるとゴロゴロと言い、空中でグルーミングする。器用だね。それが終わったら僕の横でホバリングした。

「ナビ、帰ろうか」
「にゃ」
「ストーク、一旦スサン商会寄って」
「かしこまりました」
「ナビ、馬車乗るよ」
「にゃー」

 ナビは馬車の席にすわると横座りをする。完全にリラックスしている感じだ。翼も縮めているね。その横に僕も座って動き出した馬車から外を眺める。街の広場には今日もたくさんの人が歩いている。色んな人達が見えて結構好きなんだよねここ。
 スサン商会に着くと馬車を降りて御者のボルクに先に工房アトリエに戻っておくように言い、店の中に入る。お父さんはどこかな?商会の方へ行くとお父さんは商会長室にいると言う。ノックして中に入った。

「お父さん、話いい?」
「どうした?」
「うん、今スサン商会どんな状況?いっぱいいっぱい?」
「かなりな。スサンの天使関係や王都支店で人が取られてて、発注も販売も配送もさばかないといけないから結構きついな」
「そうかー。じゃあだめかー」
「どうした?また何か思いついたのか?」
「うん。三つほど思いついたの」
「聞かせてみろ?」
「うん。ひとつめはね…」

 僕はこれからの計画を話した。お父さんはじっくり聞いてる。時折メモをとりながら顎に手を当ててじっくり考えている。

「…という感じ」
「そうかあ。結論を言うな。一つ目はある程度の実験ができたら国に引き渡す事業だ。二つ目はうちで売る事は出来るが国に広報してもらった方が良いな。王都支店が出来てからやろう。三つ目は発注から製作まで現在請ける事はできんな。もうちょっと待って欲しい」
「例えばね、発注から製作までやって、スサン商会に、販売の委託とかできるかな?」
「委託てなんだ?スレイン商会みたいな事か?」
「スレイン商会さんは仕入れ、販売、配送までやるでしょ、委託は販売だけ」
「仕入れはどうするんだ?配送は?」
「ないよ。ただ店に置いて、もらうだけ。売れたら一個当たり、いくらかで手数料をこっちが払うの」
「店舗商品て事か?」
「そう。お父さんは場所を貸して、手数料をもらう」
「なるほどな。だが今の状況は無理だな。経理の仕事が増えて大変になる。経理も今きつい状況でモムノフが頑張ってるんだ。とてもじゃないがお願い出来ない」
「わかった。通常の仕入れ、販売、配送は?」
「それなら可能だ。だがそれをするにはリョウが生産商会を持たなきゃならないぞ」
「うへぇ。わかった。考えてみる」
「あんまり役に立てずにすまんな」
「大丈夫。あ、次の王都便はいつ?」
「8日後だ。ロイックが行くぞ」
「献上品があるのでお願いしたいんだけど」
「それはロイックに頼んでくれ。あと3日で帰ってくるから」
「わかった。みんな忙しいねえ」
「ああ。そうだな」

 スサン商会を出てストークとミザーリと工房アトリエに向かう。ナビはミザーリの肩に乗ってる。すっかりミザーリにも慣れたね。工房アトリエに入ると僕は作業室に入る。今回製作する者は錬金術と鍛治の複合で作った製品だ。二つの金属製の瓶を作って二重構造にする。内側の瓶は銀でメッキした。メッキって地球では結構古くからあって、融点が低い金属を水銀で溶かして塗りつける方法があるんだけど、水銀が手に入らなかったから、溶かした銀に漬けてメッキした。どうしてもこの物を作るためにはメッキするしかなかったんだけど、この世界にはもっと良い方法があるように思う。
 それで内側の瓶、外側の瓶をくっつけて口を溶かした銀をハンダのように使ってロウ付けした。本当は石炭を使って1000度以上に上げなきゃいけないんだけど、そこはズルして魔力量でゴリ押しして錬金術で溶かしてくっつけちゃった。大量生産する時には少し方法を考えなきゃいけないなと思ったよ。それから内側の瓶と外側の瓶の間の空間の空気を抽出して真空にし、できたのは魔法瓶。蓋はコルクにした。温かいものは温かく、冷たいものは冷たくという理想に近づく一助になればなあと思って作ってみた。フィグさんとメディルがキッチンで作業しているので早速プレゼンをして使ってみた。

「早速温かいお湯を入れてみるよ」
「これ、しばらく温かさが続くんですね?」
「そう」
「じゃあ、1時間待ってみようか」
「はい」

 そして1時間後、蓋を開ける。温かいお湯が出てくる。ほぼ温度は変わっていないね。

「もう1時間続けてみる」
「今度は下がってると思いますよ」
「そうかな?」

 1時間後、また開けてみる。

「温かいよ。成功したよ」
「本当に温かいですね。これはすごいです。名前は?」
「魔法瓶かな?」
「魔法使ってませんよ」
「また名前考えておくよ」
「商業ギルドにまた持っていかなきゃいけませんね」
「うー。めんどくさい」








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