【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

文字の大きさ
297 / 688
ルステイン狂想曲。

レイアムさんの出産。

しおりを挟む
 その知らせが届いたのは僕が学校で勉強している時の事だった。休み時間、ナミリアやヤリス君や数人と話していたら城の侍従さんがやってきてナミリアに耳打ちする。

「レイアム様、産気付きました」

 とはっきり聞こえた。ナミリアはおろおろしている。侍従さんが帰り支度を手伝っている。

「ナミリア、お姉ちゃんに、なるんだからしっかりね」

 と僕は言う。ナミリアは僕を見てうん、とうなずくと帰りの支度を整えて帰っていった。

「どうしたんだ?」
「ヤリス君、ナミリアがお姉ちゃんになるんだ。わかる?」
「ああ。わかった。大変だ。お父さんに知らせないと」
「知らせがいくと思うよ」
「そうか?」
「そうだよ。レウフォ叔父さん家臣だから」
「そうか。そうだよな…でも帰るわ。こう言う事は早めに知らせないと」
「それもそうか」
「じゃあビッキー先生に言って帰るよ。またな」
「またー」

 そのまま授業を受けて僕は帰る。僕は工房アトリエに寄り、ストークやギピアに状況を伝えた。

「知らせを受けてから行動した方がよろしいと思います。慣例では贈り物を贈ることもありますがいかがいたしましょう」
「んー。何がいいかな?」
「お坊ちゃま、赤ん坊に必要なものでどうでしょうか?」
「そのあたりはみんな考えそうだね」
「リョウ様はレイアム様を労るようなお料理が良いかもしれません。滋養のつく薬師料理や、食べやすい食事でどうでしょうか?」
「お坊ちゃま、それが良いですね」
「そうしようか。あとはスサン商会に知らせないと」

 僕はスサン商会に向かい、お父さんを探した。お父さんは今日は出ているようだったのでドルトとモムノフにレイアムさんが産気付いた事を知らせた。準備いたします、と二人が言っていたので安心して工房アトリエに戻ると早速料理を考え始めた。

「やっぱりタンパク質と鉄分とカルシウムは大事だよね。鶏肉、ほうれん草、牛乳かな。ホワイトシチューを作るか」

 鶏肉はタンパク質多めの魔獣肉にして一口大に切り、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、ほうれん草、鉄分が多く滋養強壮にいい薬草を一口大に切る。ほうれん草、薬草は下茹でして、鶏肉は焼き色がつくまで焼き取り出しておく。
 鍋にバター、油を熱し、玉ねぎ、じゃがいも、にんじんの順にいれて炒め合わせ、油が回ったら、小麦粉をふるい入れる。全体に小麦粉が混ざったところで牛乳と水を入れ一煮立ちさせる。それからじゃがいもに火が通ったら鶏肉、ほうれん草、薬草を鍋にいれ、白ワインとバターと塩で味を整えて完成。うん!美味いね。

「フィグさん、覚えた?」
「はい。覚えました」
「そろそろレシピ登録しないとなあ」
「前のトウバンジャーとテンメンジャーも登録してませんよ」
「そうだよねえ。もう一種類考えたら登録しにいくの」
「そうしてくださいね」
「はい」

 さて、これで準備は整った。鍋が冷えたら『収納』に入れて持ってくだけだ。城から連絡が来るのを待つ。
 ついでに薬師スキルを使って色々な栄養を取れる薬を調合しておく。もしかしたらラクラ薬師が呼ばれて先に処方されてるかもしれないけど、何もしないより良いよね。
 そんな事をしていたら城から使者が手紙を持ってきた。手紙を開くと双子の男の子と女の子が産まれたという手紙だった。母子ともに健康だがレイアムさんが大変疲労してるみたい。何か食べられるものを教えて欲しいと書いてあった。
 使者に今から行くと伝えてくれと言ってアレクに馬車を回してもらう。ミザーリと二人で馬車に乗り込み、城に向かった。

「主よ、あたい一人だけで大丈夫か?」
「大勢で行っても邪魔。だからいいの」
「そうか。特に男は邪魔だな」
「そうそう」
「行ってもあたいは何もできなそうだ」
「いいよ。ミザーリは今日は護衛で」
「わかりました」

 馬車は城壁を超えて城門に向かう。途中で何人かの人が城に向かって歩いているのが見える。多分お祝いを持っていく人達だろう。気が早いね。

「産後が一番危ないんだ。できるだけ邪魔しないように帰るよ」
「料理を置いて帰るのですか?」
「そうだね。それが一番良いかも」
「主よ、もう着きます」
「わかった」

 城門の近くのいつもの場所に止めると城門を抜けて城に入る。レイさんがやってきた。

「お待ちしておりました。産後なかなか疲労が強くお食事が喉を通らないようで…」
「うん。食べやすいシチューを、持ってきたよ」
「おお、ありがとうございます」
「今日はラクラ薬師は来てるの?」
「はい、先ほどいらして産後に良い薬を処方してもらいました」
「良かった。一応準備だけしといたんだけど、僕は男だから、よくわかんない所があったんだ」
「なるほど」
「じゃあ、厨房に案内してくれる?温め直すから」
「かしこまりました」

 厨房に行くと料理長のウスターさんがいた。

「お待ちしておりました」
「来たよー。これ、温めて」

 鍋を出す。

「はい。これはシチューですね」
「そうだよ。必要な栄養が取れるように考えてる」
「必要な栄養とは?」
「まずね、鶏肉、魚、卵が良い。それからほうれん草やレバーが入っているもの。最後は牛の乳か小魚。この組み合わせで料理の献立を考えると良いよ」
「参考になります」
「ほうれん草やレバーの代わりに薬草を使うって言う手もあるよ。それは書いて渡しておくよ。おっと、もう良いね」
「はい。ありがとうございました」
「奥様にお持ちいたします」
「レイさん、よろしく」
「はい。ありがとうございました」

 レイさんは急いで届けに行った。僕は紙と書くものを取り出してメモを書く。

「ウスターさん、これが薬草のリスト。あと生姜とニンニクの組み合わせも滋養強壮に良いから覚えておくと良いよ」
「はい。参考になります」
 



しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

naturalsoft
ファンタジー
アヴァロン王国は現国王が病に倒れて、第一王子が摂政に就いてから変わってしまった。度重なる重税と徴収に国民は我慢の限界にきていた。国を守るはずの騎士達が民衆から略奪するような徴収に、とある街の若者が立ち上がった。さらに森で捨てられた悪役令嬢を拾ったことで物語は進展する。 ※一部有料のイラスト素材を利用しています。【無断転載禁止】です。 素材利用 ・森の奥の隠里様 ・みにくる様

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

極限効率の掃除屋 ――レベル15、物理だけで理を解体する――

銀雪 華音
ファンタジー
「レベル15か? ゴミだな」 世界は男を笑い、男は世界を「解体」した。 魔力も才能も持たず、万年レベル15で停滞する掃除屋、トワ。 彼が十年の歳月を費やして辿り着いたのは、魔法という神秘を物理現象へと引きずり下ろす、狂気的なまでの**『極限効率』**だった。 一万回の反復が生み出す、予備動作ゼロの打撃。 構造の隙間を分子レベルで突く、不可視の解体。 彼にとって、レベル100超えの魔物も、神の加護を受けた聖騎士も、ただの「非効率な肉の塊」に過ぎない。 「レベルは恩恵じゃない……。人類を飼い慣らすための『制限(リミッター)』だ」 暴かれる世界の嘘。動き出すシステムの簒奪者。 管理者が定めた数値(レベル)という鎖を、たった一振りのナイフで叩き切る。 これは、最弱の掃除屋が「論理」という名の剣で、世界の理(バグ)を修正する物語。気になる方は読んでみてください。 ※アルファポリスで先行で公開されます。

平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~

金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。 そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。 カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。 やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。 魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。 これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。 エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。 第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。 旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。 ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載

悪役令息(冤罪)が婿に来た

花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー 結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!? 王女が婚約破棄した相手は公爵令息? 王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした? あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。 その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。 彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。 そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。 彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。 その数日後王家から正式な手紙がくる。 ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」 イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。 「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」 心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ! ※ざまぁ要素はあると思います。 ※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

ペットになった

ノーウェザー
ファンタジー
ペットになってしまった『クロ』。 言葉も常識も通用しない世界。 それでも、特に不便は感じない。 あの場所に戻るくらいなら、別にどんな場所でも良かったから。 「クロ」 笑いながらオレの名前を呼ぶこの人がいる限り、オレは・・・ーーーー・・・。 ※視点コロコロ ※更新ノロノロ

処理中です...