【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

文字の大きさ
302 / 806
ルステイン狂想曲。

スサンの天使の免許試験。

 地精ドワーフの工場の建設が進む中、僕は『スサンの天使』に呼び出された。総料理長のムーヤさんと副料理長のロマさんが僕を待っていた。

「坊や、しばらくぶりだね」
「お久しぶりっす」
「久しぶり」
「今日呼び出したのは他でもない、支店を作るだろ?あれでうちに修行しに来てる子達の試験をやるのさ」
「試験?」
「そう、試験に合格したら支店を開けるって寸法さ。坊やの料理をまともに作れるようじゃなきゃ、スサンの天使の営業免許は与えない」
「あとは目利きが必要っすよ。良い悪い色々材料を用意してあるっす。それを選ぶのも料理人の技量っす」
「なるほど」
「試験はうちの基本の料理をするのが一つ。店の看板になる料理を作るのが一つ。それによって判定するよ」
「わかった」
「基本料理はエストバーグとリョウチキンだよ。これで大体わかるだろ」
「魔法道具なしで作るっす。普段からしっかりやってればできる仕事っす」

 確かに。簡単に見えて簡単じゃないものね。元々器具なしで作ってたからできるはずだ。

「それ、いいね」
「あたしらはその仕事ぶりを判定するんだ。いいね?」
「わかった」
「じゃあいくっすよ。もう準備を終えてると思います」
「行こう」

 厨房に入ると7人のシェフが待っていた。それぞれ各地から選抜されたシェフで修行時に素行が良かった人達だ。何人かは人間性がダメで修行をする事なく帰ったという。ムーヤさんそういうとこ厳しいんだよね。

「揃ったね。準備はいいかい?」
「「「はい」」」
「今日は料理を開発した坊やが特別に見てくれる。この試験に合格すりゃ晴れて『スサンの天使』の支店の料理長になれる。がんばるんだね」
「修行でやってきた仕事をそのままできたら合格っす。がんばるっすよー」
「じゃあ、基本料理を作ってもらう。エストバーグとリョウチキンだよ。魔法器具なしで作るんだ。良いね?」
「「「はい」」」
「じゃあ、はじめな」

 調理が始まった。僕は点数をつけるボードとペンを持って審査を始める。仕事はきっちりできてるか、手順は間違っていないか、レシピは間違い無いか判定していく。みな基本的に調理経験者なので粗を探すと大変だ。僕はなるべく公平になるよう点数をつけていった。
 全員が調理終了の後、審査に移る。それぞれ一口味わって審査だ。ハンバーグって焼きすぎるとぼろぼろになるし、焼きが甘いと生焼けになるんだよね。店に出して良い許容範囲の者が多かったが1人が焼きすぎだった。唐揚げも難しいんだよね。衣の付け方や油の温度、揚げ時間でまったく違う料理になる。全員油の温度は計れていた。あとは衣の厚さと揚げ時間だろうなと思いながら食べてみる。1人が衣が厚ぼったい感じで、1人が少し焦げ臭かった。

「今までの結果だよ。7人中5人合格。2人はしばらく修行しな。2週間後に再試験をする。良いね」

 合格者が呼ばれる。不合格者はがっくり来ていた。

「2人は普段はできるんだから、試験で緊張しないように練習するんだね」
「「はい」」
「それじゃあ、5人になったが試験を続ける。あんた達の得意料理をやりな。試験に合格したらそれを看板メニューにする事を認めるよ」
「スサンの天使の中で、ですよね」
「そうだよ、あんたどこの店を出すつもりだい?あたしゃ今スサンの天使の試験をやってる。別の料理で勝負したかったら今すぐ契約を解除するよ」
「いえ。確認です。別の料理が得意な方もいらっしゃるので」
「俺の事か?俺はもうスサンの天使以外の料理は作らないぞ」
「まあ良い。とにかくスサンの天使のメニューで自分の店で看板メニューとなりそうなものを用意しな」
「「「はい」」」
「待った」
「なんだい坊や」
「サイドメニューは認めないよ?」
「そりゃそうだ。メインメニューで勝負しな。良いね」
「「「はい」」」
「じゃあ始め」

 全員調理し始める。
 1人目は豚肉の生姜焼き。定番だけど難しくはない。ただ片栗粉は手作りしないといけないのは面倒だよね。
 2人目は肉じゃが。なかなか渋いが一応メインだね。肉じゃがは煮込み方がポイントになるよね。やりすぎ注意だ。 
 3人目はとんかつ。ソースが結構難しいけどとんかつ自体はそれほど難しいものではないかな。揚げが勝負。がんばってね。
 4人目は天ぷら盛り合わせ。結構冒険したよね。ルステインは内陸なので具材が少ないと思うんだけど。野菜の天ぷらが多くなるのかな。
 5人目はチキンのトマト煮込みだ。ルディスさんの披露宴で500食作ったやつだ。これは失敗の少ない料理だと思う。分量を間違わなきゃ大丈夫。
 以上の5食が調理され、皿に盛り付けられ僕たちの前に並ぶ。うん、それぞれ見た目はすごく良いね。とりあえず最初の生姜焼きから食べていく。
 生姜焼きは多少濃いめだが許容範囲だろう。合格。
 肉じゃがの調理風景を見てたけど火加減と時間にものすごく気を使ってた。当然合格。
 とんかつは肉の筋切りが不十分な気がしたがまあ合格かな。
 天ぷら盛り合わせは一部衣がべちゃっとなってたので、僕的にはダメにした。一部入れすぎて温度が下がったのが原因じゃないかな。
 トマト煮込みは美味かった。うん、分量さえ間違わなければこれは間違いない料理だよな。合格。
 以上を提出した。ムーヤさんもロマさんも見解は一緒で天ぷらがダメであとは合格。4人は支店の店長に決まった。不合格者は再試験がんばって。練習いっぱいしてね。

感想 9

あなたにおすすめの小説

異世界転生したので、文明レベルを21世紀まで引き上げてみた ~前世の膨大な知識を元手に、貧乏貴族から世界を変える“近代化の父”になります~

夏見ナイ
ファンタジー
過労死したプラントエンジニアの俺が転生したのは、剣と魔法の世界のド貧乏な貴族の三男、リオ。石鹸すらない不衛生な環境、飢える家族と領民……。こんな絶望的な状況、やってられるか! 前世の知識を総動員し、俺は快適な生活とスローライフを目指して領地改革を開始する! 農業革命で食料問題を解決し、衛生革命で疫病を撲滅。石鹸、ガラス、醤油もどきで次々と生活レベルを向上させると、寂れた領地はみるみる豊かになっていった。 逃げてきた伯爵令嬢や森のエルフ、ワケありの元騎士など、頼れる仲間も集まり、順風満帆かと思いきや……その成功が、強欲な隣領や王都の貴族たちの目に留まってしまう。 これは、ただ快適に暮らしたかっただけの男が、やがて“近代化の父”と呼ばれるようになるまでの物語。

最強魔法は生活魔法!? ~異世界ではモンスター退治も生活のうち~

gagaga
ファンタジー
神の気まぐれにより異世界へと転移した主人公田辺竜太(大学生)が生活魔法を駆使して冒険したり町の人と触れ合ったりする物語です。 なお、神が気まぐれすぎて一番最初に降り立つ地は、無人島です。 一人称視点、独り言多め、能天気となっております。 なお、作者が気ままに書くので誤字脱字は多いかもしれませんが、大目に見て頂けるとありがたいです。 ただ、敢えてそうしている部分もあり、ややこしくてすいません。(^^;A ご指摘あればどんどん仰ってください。 ※2017/8/29 連載再開しました!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

ひだまりのFランク冒険者

みなと劉
ファンタジー
ここは異世界。 そこの冒険者ギルドでは毎日仕事がてんこ盛り。 そんな中 冒険者ギルドには万年Fランクの冒険者が一人いる。 その名は、リルド。 彼は、特に何もない感じに毎日 「薬草採取」「石集め」Fランク向け「討伐」場合によっては「ポーション生成」をする。 この話はこの万年Fランク冒険者リルドの物語である。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
 女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!  HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。  跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。 「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」  最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!

子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~

九條葉月
ファンタジー
第6回HJ小説大賞におきまして、こちらの作品が受賞・書籍化決定しました! ありがとうございます! 七歳の少女リーナは突如として前世の記憶を思い出した。 しかし、戸惑う暇もなく『銀髪が不気味』という理由で別邸に軟禁されてしまう。 食事の量も減らされたリーナは生き延びるために別邸を探索し――地下室で、ドラゴンの卵を発見したのだった。 孵化したドラゴンと共に地下ダンジョンに潜るリーナ。すべては、軟禁下でも生き延びるために……。 これは、前を向き続けた少女が聖女となり、邪竜を倒し、いずれは魔王となって平和に暮らす物語……。