【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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7歳の駈歩。

2年目の社交シーズン開始。

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 社交シーズンが始まる。
 王都で約一か月にわたり開かれるこの季節の祭典は、貴族と商人、そして各地の有力者たちが顔を揃える、まさに社交と情報の一大見本市だ。王国の料理番にしてリョウエスト生産商会の代表の僕。僕にとって、今年は特に重要な旅になる。

 なぜなら、新製品の発表を控えているからだ。

「出発の準備は整っております、リョウ様」

 僕のすぐそばに立つのは、執事バトラーのストーク。まだ青年だけれど、知識も礼儀も完璧で、時々僕を本気で叱るほど真面目な人なの。

 その隣では、火の民のミザーリが馬車の側に立っていた。彼女は火の民サラマンダー族の女性で、ボブに切り揃えた赤髪と鮮やかな赤い瞳と、普段は衣服の下に隠している尻尾が特徴。戦闘力と赤外線視覚に優れていて、今回も護衛の中心を担ってくれる。

 僕らが乗るのは、特別製の馬車キッチンエンジェル。中は僕の調理作業にも対応できる構造になっていて、ちょっとした揺れなら平気で包丁も扱えるほど安定している。御者を務めるのはヒト族のアレクとボルクの兄弟。二人とも元は孤児だったけれど、今では僕の工房アトリエに欠かせない御者だ。アレクは寡黙だけど馬の扱いが上手で、ボルクは明るくて力持ち。二人が並ぶとちょうど良いバランスになる。

「リョウ様、荷車の最終確認済みました!」

 そう報告してきたのは、獣人の御者たち。ヤク牛に引かせる荷車には、今度発表する新製品が積まれている。どんなものかって?それはまだ秘密。でも、この荷車を見たらきっと皆びっくりするはず。獣人たちはその見た目と違って手際が良く、獣と心を通わせるのが上手い。重い荷を積んだ荷車もまるで羽のように扱っていた。

「よし、みんな乗って。王都までは三泊四日だよ。がんばってね、アレク、ボルク」
「「はい!」」

 二人が同時に頷き、馬車の先頭に座る。

 出発の号令がかかると、行列がゆっくりとルステインの街を出て行った。僕たちの行列は全部で馬車三台に荷車数台、護衛の青の技ブルーアーツ火の民サラマンダー水竜人ドラコニアンを合わせて約40名ほどの大移動。街の人たちが手を振ってくれた。

「いってらっしゃい!」
「今年も王都で活躍してきてね!」

 ルステイン領主、マックスさんは別の馬車に乗っていた。今年はレイアムさんが一緒だ。もう乳母に双子を預けられるようになったからだ。子供が産まれてすぐ顔出ししなきゃならないって貴族も大変だね。今城の差配はレイさんがやっている。レイさんがいれば大丈夫だよね。

 ロイック兄さんの馬車も列に加わっていた。王都支店のオープンとオープンした『スサンの天使』王都店の両方で今年は社交シーズンに参加できるかわからないみたい。お姉さん達3人も同乗している。お姉さん達はすっかり仕事のパートナーになってるな。

 今年は試験的に途中まで森を走った。獣人の荷車が先行して僕達が後ろをついていく形だ。これで1日短縮ができるとあって僕達は喜んだが揺れがすごくて逆に疲れてしまった。全くドワーヴンラゲージの時といい、今回の事と言い僕には旅運があるのかないのかよくわからないな。
 次の日街道に入ったが街道はよく整備されていて、天気にも恵まれていた。火の民サラマンダーたちは馬車の側を走り、水竜人ドラコニアンたちは近くの川の流れを見張ってくれていた。異種族が入り交じる旅の列――まるで一つの小さな国のようだと、僕は思った。

「リョウ様、こちらです。今日のおやつはスパイス入りパイと、冷やした果実水です」

ストークが運んできてくれた銀盆の上には、小さなパイと氷の浮いたガラス瓶。ミザーリは僕の向かいに座り黙ってパイを食べていた。

「…静かだね」
「はい。でも動物の気配が多い…前より増えてる」
「へえ。じゃあこの辺に獣人の集落でもできたのかな」

 途中、何度か他の領地の馬車や旅人たちとすれ違った。僕の馬車を見て驚いた表情を浮かべる者もいれば、挨拶を送ってくる商人もいた。スサン商会や僕の名は、もう王都だけじゃなく王国中に広まり始めているらしい。

 そして、四日目の朝。僕たちの行列は、ついに王都の城門へと到達した。

「おお、着いたか」

 マックスさんが馬車から顔を出す。王都の守備隊に挨拶を交わし、通行証を見せ、王国の料理番としての許可も確認され、ようやく列が城内に入った。ここでロイック兄さんとはお別れだ。スサン商会の王都支店のオープンには行くつもりだからその時会えるだろう。ちなみにストラ兄さんもその時に学園を抜け出してくるので会えそうだ。

 王都はいつ来ても大きくて、人が多くて、なんだか空気がピリッとしてる。そんな中貴族街に向けて走り、貴族門を抜けて貴族街に入った。

「リョウ様お気をつけて」

 アレクとボルクが御者台から降りて、僕に帽子を差し出す。王都では格式が重要だ。帽子を被るだけで見られ方が違ってくるとペンフレンドのエフェルト公爵様に聞いたので早速被った。

 僕たちの宿泊先…毎度お馴染みになったルステイン伯爵のタウンハウスだ。上級貴族の区画なので城門からそう遠くない場所にある。白い大理石の壁に囲まれた三階建ての屋敷で、庭には噴水と花壇があり、リスが走り回っている。

 「ようこそ、お帰りなさいませ。リョウエスト様」

 迎えに出た執事が深々とお辞儀をする。荷車の搬入、馬の世話、警備の配置と次々に命令が飛び、僕たちはついに王都生活の第一歩を踏み出した。

 「よし……始めよう」
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