【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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7歳の駈歩。

これからの歩みと約束。

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 王宮の小会議室は、食事会の華やかさから一転し、厳かな雰囲気に包まれていた。壁の装飾ランプは光を落とし、厚い木製の扉が静かに閉ざされる。そこに揃ったのは、王国に暮らす六種族の自治領主たち…地精ドワーフ伯、風精エルフ伯、火の民サラマンダー伯、水竜人ドラコニアン伯、小人ハーフリング伯、そして獣人ビーストマン伯だった。僕、リョウエスト・スサンも同席する。

最前列には、誇り高い風格の地精ドワーフ伯が腰かけ、斧の紋章が刻まれた重厚な装束を身につけている。風精エルフ伯は柔らかい笑顔で詩的な目線を投げかけ、火の民サラマンダー伯は尾を端正に折りたたみながら瞳に灯を宿している。水竜人ドラコニアン伯と小人ハーフリング伯は、共に長椅子の端に控えめに座りながらも、目は真剣であった。獣人ビーストマン伯は強靭な体躯ながらも穏やかな空気をまとっていた。

「さて…」

 と水竜人ドラコニアン伯が始めた。彼の声は低く、でもすべてを包み込むようだった。

「我々は過去、領土を巡る争いや資源の確保をめぐり、様々な対立を重ねてきました。しかしこの王国はもうそうした時代じゃないと感じます」

 一瞬の沈黙の後、各伯爵が頷いた。

 地精ドワーフ伯が槌を軽く床に打ち

「融和の時代は、まさにいまここからだ」

 と宣言する。風精エルフ伯は

「風も土も火も水も光も闇も、すべて互いを支えるためにあると、天啓が示された」

 と語る。静かにだが、各種族の長は僕の目を見据えて言葉を紡ぎ続けた。火の民サラマンダー伯は

「我らの諍いの時代はもう終わりだ」

と言った。水竜人ドラコニアン伯は、地面を指差しながら

「土地の命は、互いの信頼の上で復活する」

 と力強く告げた。小人ハーフリング伯は

「小さな手でも、大きなことを成すという証を、我々は見せられた」

 と笑い、獣人伯爵は低く

「力を誇示せず、共に歩む。それが我らの誇りである」

 と静かに言った。
 僕は深い敬意を込めて立ち上がった。

「みなさま…ありがと。僕は異種族の友人たちとともに、新しい技術や文化を形にしてきた。だけど、その背景には…みなさま一人ひとりの信頼と協力があった。今日ここで語られる融和の未来、それを僕も心から信じてる」

 全員が頷き、目を閉じていた。穏やかで、しかし力強い合意の瞬間だった。
 僕は静かに席に戻り、発言を促す意味で口火を切った。

「少しだけ、僕の開発した製品について…感想やご意見をお聞きしたい」

 最初に口を開いたのは地精ドワーフ伯。頑固一徹な顔ではあるが、その瞳の奥には温かさがある。

「なんといってもウイスキーだろ。あれは我が種族の一番の酒になりうる。缶詰は我々のように坑道で遠くの資材と共に生きる者にとって命綱とも言える保存技術じゃ。あれが軍にも民にも渡されれば、日々の安全が格段に上がる」

 次に、鮮やかな緑の装いの風精エルフ伯が手を掲げる。

「僕の群れは森と一体です。だが最近、森の果実と香料を保存できる術を懸念しておりました。リップクリームや口紅など自然の香りを長く楽しめるようになったのは、文化交流の意味でも素晴らしい一歩です」

 火の民サラマンダー伯爵は静かに微笑みながら言った。

「我らが輸送の護衛を担うにあたり、保存性と天候の変化は大きな課題だった。君の製品の防水布は水にも強く湿気にも耐える。我らがより安全に運ぶための技術だ」

 水竜人ドラコニアン伯はさらに興奮気味に付け加えた。

「蒸留器により製造された酒と甜菜糖。我らの地下の水と相性がいい。将来的には、王都と自治領の名産として、ブランド化も可能だ」

 小人ハーフリング伯の声は笑いを含んでいた。

「小さな手でも扱える甘味と化粧品の道具……村でも農夫の妻でもお洒落が楽しめるようになる。貴族だけでなく、皆が笑顔になるのは嬉しいことだ。あとはライフジャケットで遊ぶやつが増えたなあ」

 最後に、獣人ビーストマン伯が深くうなずいた。

「オーク肉のソテーも、アバーン肉の活用も……我らの世界では忌避されていたが、君はそれさえも宝に変えた。異を排すのではなく、料理と技術で昇華する。これ以上の和解があるだろうか」

 言葉がひととおり終わると、会議室に温かな空気が満ちた。僕はひとたび立ち上がり、深く一礼する。

「みなさま、ありがと。教えていただいた信頼を胸に、これからも技術と文化を形にしていくの。缶詰、蒸留器、甜菜糖や化粧品。どれひとつとして、僕の力だけではありません。みなさまと共に築いたものです」

 地精ドワーフ伯は大きくうなずいて

「これからは建設する工房にもこの技術達を入れてやる」

 と言ってくれた。風精エルフ伯は

「森との調和を第一に、次の植物製品をともに開発しよう」

 と提案し、火の民サラマンダー伯は

「輸送ルートの安全確保に協力しよう」

 と申し出てくれた。水竜人ドラコニアン伯は胸を張って

「海と川を結ぶ新ルートも青写真に入れている」

 と話し、小人ハーフリング伯は

「各村に小さなワークショップを建て技術者を育てる計画を支援する」

 と言った。そして獣人ビーストマン伯は僕の手を強く握って、

「君が開いた道を我らは歩き、守り、次世代につなげよう」

 と笑った。

 僕はじんわりと胸が熱くなるのを感じながら、深く頭を下げた。

「どうか、よろしくお願いします」

六人の領主の目が優しく揃った。そこにはかたく、しかし確かな約束が宿っていた。

王宮の小会議室に残されたのは、もう以前のような緊張ではなく、未来への信頼と連携の空気だった。小さな少年が提案し、紡ぎ始めた和平の歴史が、いま、確かな歩みとなって発信された日だった。
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