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7歳の駈歩。
成果発表と先王夫妻来訪の準備。
社交シーズンが終わった。約一か月におよぶ王都での滞在を経て、僕たちはルステインへ戻る。
僕は愛用の馬車に乗り込む。御者席にはアレクとボルク、元孤児で今は立派な工房の一員となった二人の少年。頼もしい少年御者になったね。馬車にはストークとミザーリとフィグさんが同行しており、何かあればすぐ対応できるようになっている。大体が僕の話し相手だけど。
他にも何台かの荷車が僕らに連なる。それらはヤク牛に引かれ、獣人の御者たちが御者を務める。社交シーズンで発表された製品や試作品、資料などが積まれており、ルステインへ戻ってからの再確認や次期の準備に欠かせないものばかり乗せた。空荷で帰るのもな、と思って載せたものもあるけどね。
ルステインまでは、特に異常はなかった。途中、街道の補修が進められていたが、それも火の民たちの手によるものだという。火の民って石工としてもなかなか技術あるんだよね。王国全土で彼らの技術と働きが認められてきているのだったら良いね。
4泊5日の行程を終え、僕らはついにルステインに到着した。
着いたその日に各貴族による「社交シーズン成果報告会」が開催された。マックスさんをはじめ、僕を含めた男爵4人、準男爵4人、総勢10人が一堂に会した。騎士爵は基本警備とかだから仕方がないね。
発表の順番は爵位順ではなくくじ引きで決められ、僕は3番目に登壇することになった。
最初に話したのはマックスさんだった。王都での外交活動、複数の上級貴族との懇談、そして王宮の信頼を得た話など、どれも重みのある内容だった。
次に話したのは、ラーモンさん。彼は自領の産品である陶器を王都で評価され、王城厨房にサンプルを納めたという。その成果は小さく見えて、今後の展開次第では大きな変化を呼ぶだろうな。あとミシェ姉さんと二人でかなりの数の家と友誼を深めたみたいだ。
そして、僕の番が来た。
「僕は料理や道具の発明を通して、王都の皆さまと交流してきた。今年は特に缶詰、ウイスキー、甜菜糖、リップクリームなどの新製品を発表して、多くの方々に試していただく機会を持ちったの。大きな会議室で王様と王妃様、王子殿下、宰相、そして大臣、官僚たちの前で正式な発表ができたのは大きな経験だと思う。あとは今年も上級貴族が揃った昼食会を行ってます。それから大舞踏会は今年も成功したと思ってる」
会場がざわめく。新製品に対する期待の声や、それが王国に与える影響の大きさに気づいた者たちの声が交錯する。昼食会や大舞踏会は特に反応はなかったね。もう知ってたからかな。
男爵や準男爵の中には、すでに甜菜栽培の導入を決めている者もいるみたいで、僕の発表は彼らの追い風にもなったようだった。
発表の後、皆で情報共有を行い、今年の成果がルステイン全体の進展にどう貢献できるかを話し合ったよ。その場には笑顔が多く、互いの努力をたたえ合う気風に満ちていた。みんな頑張ってください。
その流れのまま、マックスさんが次の議題を切り出した。
「さて、来週には先王陛下と先王妃殿下、スクワンジャー前公爵ご夫妻が風呂治療のためルステインを訪問される予定だ。リョウ、準備状況の報告を頼む」
僕は立ち上がって口を開いた。
「湯治場所として選ばれた『安らぎの宿』4号館は、すでに職人たちによる点検と整備が完了してる。温泉の水温、泉質、安全性、そして宿泊部屋の調度類も整えた。さらに、ご夫妻の好みに合わせた料理も準備してる」
会場が再びざわめいた。風呂だけでなく食事まで完全に合わせてあるとは、予想していなかったのだろう。
「まさか、先王陛下の好みまで?」
と一人が驚く。
「うん。もう何度も食事を用意してるからねえ。先王様は甘いもの好きで先王妃様はちょっと薄味が好き。スクワンジャー前公爵夫妻の事はちょっとわからないけどここに前訪れた時なんでも食べたみたい。でも薬師料理が気に入ってたかな…」
マックスさんがにっこりと笑う。
「お前に任せて正解だったな」
「ありがとう」
その後、4号館の領地を治める男爵も警備、交通整理、医療体制、地元案内などの報告を行った。
前公爵夫妻にとっても先王夫妻にとっても、久々の遠出だ。だからこそ、万全の体制を整える必要があるよね。僕の青の技も使ってもらおう。それとも火の民や水竜人に行ってもらう?
マックスさんは最後にこう締めくくった。
「我がルステインは、種族を超えて支え合う地域として現在王国でも高く評価されている。この風呂治療は、ただの休息ではなく我々の真価を示す場となる。皆、誇りを持って準備にあたってくれ」
拍手が起こる中、僕は静かに色々な事を考えていた。
…ルステインの街に来たいって言ったらどうなるのかな?温泉のあと体験イベントには参加されるのかな?遊技場に連れていこうかな?…そんな事ばかり考えて少し不安になるのであった。
僕は愛用の馬車に乗り込む。御者席にはアレクとボルク、元孤児で今は立派な工房の一員となった二人の少年。頼もしい少年御者になったね。馬車にはストークとミザーリとフィグさんが同行しており、何かあればすぐ対応できるようになっている。大体が僕の話し相手だけど。
他にも何台かの荷車が僕らに連なる。それらはヤク牛に引かれ、獣人の御者たちが御者を務める。社交シーズンで発表された製品や試作品、資料などが積まれており、ルステインへ戻ってからの再確認や次期の準備に欠かせないものばかり乗せた。空荷で帰るのもな、と思って載せたものもあるけどね。
ルステインまでは、特に異常はなかった。途中、街道の補修が進められていたが、それも火の民たちの手によるものだという。火の民って石工としてもなかなか技術あるんだよね。王国全土で彼らの技術と働きが認められてきているのだったら良いね。
4泊5日の行程を終え、僕らはついにルステインに到着した。
着いたその日に各貴族による「社交シーズン成果報告会」が開催された。マックスさんをはじめ、僕を含めた男爵4人、準男爵4人、総勢10人が一堂に会した。騎士爵は基本警備とかだから仕方がないね。
発表の順番は爵位順ではなくくじ引きで決められ、僕は3番目に登壇することになった。
最初に話したのはマックスさんだった。王都での外交活動、複数の上級貴族との懇談、そして王宮の信頼を得た話など、どれも重みのある内容だった。
次に話したのは、ラーモンさん。彼は自領の産品である陶器を王都で評価され、王城厨房にサンプルを納めたという。その成果は小さく見えて、今後の展開次第では大きな変化を呼ぶだろうな。あとミシェ姉さんと二人でかなりの数の家と友誼を深めたみたいだ。
そして、僕の番が来た。
「僕は料理や道具の発明を通して、王都の皆さまと交流してきた。今年は特に缶詰、ウイスキー、甜菜糖、リップクリームなどの新製品を発表して、多くの方々に試していただく機会を持ちったの。大きな会議室で王様と王妃様、王子殿下、宰相、そして大臣、官僚たちの前で正式な発表ができたのは大きな経験だと思う。あとは今年も上級貴族が揃った昼食会を行ってます。それから大舞踏会は今年も成功したと思ってる」
会場がざわめく。新製品に対する期待の声や、それが王国に与える影響の大きさに気づいた者たちの声が交錯する。昼食会や大舞踏会は特に反応はなかったね。もう知ってたからかな。
男爵や準男爵の中には、すでに甜菜栽培の導入を決めている者もいるみたいで、僕の発表は彼らの追い風にもなったようだった。
発表の後、皆で情報共有を行い、今年の成果がルステイン全体の進展にどう貢献できるかを話し合ったよ。その場には笑顔が多く、互いの努力をたたえ合う気風に満ちていた。みんな頑張ってください。
その流れのまま、マックスさんが次の議題を切り出した。
「さて、来週には先王陛下と先王妃殿下、スクワンジャー前公爵ご夫妻が風呂治療のためルステインを訪問される予定だ。リョウ、準備状況の報告を頼む」
僕は立ち上がって口を開いた。
「湯治場所として選ばれた『安らぎの宿』4号館は、すでに職人たちによる点検と整備が完了してる。温泉の水温、泉質、安全性、そして宿泊部屋の調度類も整えた。さらに、ご夫妻の好みに合わせた料理も準備してる」
会場が再びざわめいた。風呂だけでなく食事まで完全に合わせてあるとは、予想していなかったのだろう。
「まさか、先王陛下の好みまで?」
と一人が驚く。
「うん。もう何度も食事を用意してるからねえ。先王様は甘いもの好きで先王妃様はちょっと薄味が好き。スクワンジャー前公爵夫妻の事はちょっとわからないけどここに前訪れた時なんでも食べたみたい。でも薬師料理が気に入ってたかな…」
マックスさんがにっこりと笑う。
「お前に任せて正解だったな」
「ありがとう」
その後、4号館の領地を治める男爵も警備、交通整理、医療体制、地元案内などの報告を行った。
前公爵夫妻にとっても先王夫妻にとっても、久々の遠出だ。だからこそ、万全の体制を整える必要があるよね。僕の青の技も使ってもらおう。それとも火の民や水竜人に行ってもらう?
マックスさんは最後にこう締めくくった。
「我がルステインは、種族を超えて支え合う地域として現在王国でも高く評価されている。この風呂治療は、ただの休息ではなく我々の真価を示す場となる。皆、誇りを持って準備にあたってくれ」
拍手が起こる中、僕は静かに色々な事を考えていた。
…ルステインの街に来たいって言ったらどうなるのかな?温泉のあと体験イベントには参加されるのかな?遊技場に連れていこうかな?…そんな事ばかり考えて少し不安になるのであった。
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