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8歳の旅回り。
もう一つの凱旋。
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「では、行ってまいります。王様、皆さん……本当に、ありがとうございました」
王都の正門。朝の光が石畳を照らす中、リョウエストは王の前で深々と頭を下げた。その背後には、エメイラ、ミザーリ、ストーク、ナビ、青の技、陽炎隊、異種族の仲間たち…長い戦いと旅路を共にした同志たちの姿があった。
王はにこやかに微笑んだ。
「リョウエスト・バァン・スサン。そなたの名は、もはや一つの歴史だ。故郷ルステインで、さらなる未来を切り拓いてくれ」
「うむうむ!また来るのっ」
小人伯がにこにこしながら手を振り、
「ぼくの作った爆縮式パンケーキ、土産に持ってってっ!」
「風の声が聞こえたら、思い出してください」
エルフ伯は柔らかな声で微笑む。
「貴方は、私たちの誇りです」
ドワーフ伯グラドがガツンと拳を胸に当てた。
「酒場で待っとるぞ、いつか一緒にまた呑もうぜ!」
水竜人伯は静かにうなずく。
「水は流れてまた巡る。次に会う日を楽しみにしています」
獣人伯が声高に吠える。
「我らの兄弟、再び戦が起きたら、真っ先に声をかけよ!」
火の民伯が目を細める。
「炎のように鮮やかに活躍してくれ。我ら火の民はいつでも君を守る準備ができている」
異種族六人の伯が、王とともに門前に並んで見送るという光景は、王都史でも稀だった。門の外に出ると、街の人々が列をなし、拍手と花を贈っていた。リョウエストは馬車に乗りながら、少し照れたように帽子を振る。
エメイラがささやく。
「ねえ、リョウ。泣きそう?」
「ううん。ちょっと、うれしいだけ」
ミザーリが肩をすくめた。
「『ちょっと』でこの顔とはね。まぁ、主らしいかも」
ナビが空から舞い降り、「にゃー」と鳴く。そして僕の膝の上で丸くなった。
道中は穏やかだった。王都からルステインへ続く街道は、見渡す限り青々とした草原と村々が続く。時折、旅人たちが「英雄だ!」と声をかけ、村人が水や果物を差し出してきた。
ストークが地図を広げる。
「あと一日もあれば、ルステインの街境に入ります」
「やっと……帰れるんだね」
リョウエストは遠くに霞む山並みを見つめた。
「僕の、僕たちの故郷に」
「リョウエスト様の凱旋だ!」
その声が、ルステインの城下町を駆け巡ったのは、ちょうど昼下がりの頃だった。警備隊が先行して町の人々に報せを出し、商人たちは店を飛び出して旗を振り始めた。子どもたちは手作りの花冠を抱えて道沿いに並び、教会の鐘が鳴る。
「お帰りなさーい! 英雄さまーっ!」
「リョウエスト坊っちゃん、立派になったねぇ!」
沿道には老若男女、獣人、エルフ、ドワーフ、あらゆる種族の住民が押し寄せていた。ナビが花を空から撒き、青の技のフュンフが軽業を披露する。
「エメイラ様だ!本当に美しい…」
「ミザーリ様!あの方が、あの伝説の槍使いか!」
ドワーヴンベースの仲間たちも後方から行進しており、工房で働く職人たちがプラカードを掲げていた。
《蒸留所チーム、帰還を歓迎!》
《リョウエスト様、おつかれさま!》
リョウエストは一度馬車から降りると、花束を渡してきた少年に膝をついて言った。
「ありがとう。この街を守れたのは、君たちの“信じる力”のおかげなんだ」
「……うん! ぼく、大人になったらリョウエスト様みたいな人になるよ!」
市街地を抜け、ついにルステイン城門に到着する。迎えたのは、マクシミリアン・ラ・ルステイン伯爵。彼は真っ直ぐにリョウエストのもとへ歩み寄った。
「…リョウ、よく戻ってきてくれた。ルステインはお前を待っていたぞ。よくがんばったな」
「いえ、マックスさん。僕一人では、ここまでは来られなかったです。皆がいたから、です」
「ふっ…そうか。ならば今度、盛大に祝いの宴を開こう。街を練り歩き、民の声に応えてやってくれ!」
「はい!」
パレードは再び始まった。吹奏楽団が奏でる音楽に合わせて、仲間たちは馬や山車で街を進む。子どもたちが後ろから手を振り、町の窓という窓から色とりどりの布が翻る。
そして、角を曲がった先……見えた。
スサン商会。白壁の建物の前に、家族が並んでいた。
スサン商会の前には、リョウエストの家族が一列に並んでいた。最前列には、父と母。その隣に立つのは、長兄・ロイックとその妻三人。そして次兄・ストラが微笑みながら手を振っていた。
「リョウーーーっ!!」
母が叫んだ。その声に、リョウエストの心が一気に揺れる。
「お母さん……っ!」
走った。馬車を飛び降り、駆け出し、そのまま母の胸に飛び込む。
「ただいま……っ!」
母は目に涙を浮かべてぎゅっと抱きしめた。
「ああ、リョウ…あなた、あなた…!」
父も腕を広げて、ぎこちないながらも強く息子の頭を撫でた。
「よく、無事で帰ってきたな。お前が…誇りだ」
「父さん…母さん…」
「はい、はいはいはい~! リョウ君、こっちにも抱っこおいで~!」
三人の義姉が順に両手を広げ、リョウエストは困惑しつつも「順番で!」と叫ぶ羽目に。
ストラ兄さんは腕を組んで笑った。
「ほらな? 結局、家族が一番怖いんだぞ」
「兄さん、それを言うなら『大切』って…」
「同義語みたいなもんさ。よく帰ってきたな、弟よ」
その後、スサン商会の中では家族と仲間たちが集い、盛大な宴が開かれた。工房から持ち込まれた酒と料理が振る舞われ、青の技のドライが歌い出し、ナビは空を舞いながら踊る。
エメイラは静かに杯を掲げた。
「リョウ、乾杯よ。貴方と、この家族に」
ミザーリも続けて微笑む。
「次は、世界の空を飛ぼう。老小人の夢を…一緒に叶えよう」
ストークが言った。
「記録に残すべき物語は、まだ終わっていませんからね」
リョウエストは皆を見渡し、小さく頷いた。
そして最後に、もう一度だけ母にしがみつきながら、静かに、でも確かに言った。
「…僕、帰ってきたよ。全部終わらせて。名前も、夢も、全部守って…ただいま」
その言葉は、静かに、家の中に、街に、空に、そして歴史の記録へと、確かに刻まれていった。
王都の正門。朝の光が石畳を照らす中、リョウエストは王の前で深々と頭を下げた。その背後には、エメイラ、ミザーリ、ストーク、ナビ、青の技、陽炎隊、異種族の仲間たち…長い戦いと旅路を共にした同志たちの姿があった。
王はにこやかに微笑んだ。
「リョウエスト・バァン・スサン。そなたの名は、もはや一つの歴史だ。故郷ルステインで、さらなる未来を切り拓いてくれ」
「うむうむ!また来るのっ」
小人伯がにこにこしながら手を振り、
「ぼくの作った爆縮式パンケーキ、土産に持ってってっ!」
「風の声が聞こえたら、思い出してください」
エルフ伯は柔らかな声で微笑む。
「貴方は、私たちの誇りです」
ドワーフ伯グラドがガツンと拳を胸に当てた。
「酒場で待っとるぞ、いつか一緒にまた呑もうぜ!」
水竜人伯は静かにうなずく。
「水は流れてまた巡る。次に会う日を楽しみにしています」
獣人伯が声高に吠える。
「我らの兄弟、再び戦が起きたら、真っ先に声をかけよ!」
火の民伯が目を細める。
「炎のように鮮やかに活躍してくれ。我ら火の民はいつでも君を守る準備ができている」
異種族六人の伯が、王とともに門前に並んで見送るという光景は、王都史でも稀だった。門の外に出ると、街の人々が列をなし、拍手と花を贈っていた。リョウエストは馬車に乗りながら、少し照れたように帽子を振る。
エメイラがささやく。
「ねえ、リョウ。泣きそう?」
「ううん。ちょっと、うれしいだけ」
ミザーリが肩をすくめた。
「『ちょっと』でこの顔とはね。まぁ、主らしいかも」
ナビが空から舞い降り、「にゃー」と鳴く。そして僕の膝の上で丸くなった。
道中は穏やかだった。王都からルステインへ続く街道は、見渡す限り青々とした草原と村々が続く。時折、旅人たちが「英雄だ!」と声をかけ、村人が水や果物を差し出してきた。
ストークが地図を広げる。
「あと一日もあれば、ルステインの街境に入ります」
「やっと……帰れるんだね」
リョウエストは遠くに霞む山並みを見つめた。
「僕の、僕たちの故郷に」
「リョウエスト様の凱旋だ!」
その声が、ルステインの城下町を駆け巡ったのは、ちょうど昼下がりの頃だった。警備隊が先行して町の人々に報せを出し、商人たちは店を飛び出して旗を振り始めた。子どもたちは手作りの花冠を抱えて道沿いに並び、教会の鐘が鳴る。
「お帰りなさーい! 英雄さまーっ!」
「リョウエスト坊っちゃん、立派になったねぇ!」
沿道には老若男女、獣人、エルフ、ドワーフ、あらゆる種族の住民が押し寄せていた。ナビが花を空から撒き、青の技のフュンフが軽業を披露する。
「エメイラ様だ!本当に美しい…」
「ミザーリ様!あの方が、あの伝説の槍使いか!」
ドワーヴンベースの仲間たちも後方から行進しており、工房で働く職人たちがプラカードを掲げていた。
《蒸留所チーム、帰還を歓迎!》
《リョウエスト様、おつかれさま!》
リョウエストは一度馬車から降りると、花束を渡してきた少年に膝をついて言った。
「ありがとう。この街を守れたのは、君たちの“信じる力”のおかげなんだ」
「……うん! ぼく、大人になったらリョウエスト様みたいな人になるよ!」
市街地を抜け、ついにルステイン城門に到着する。迎えたのは、マクシミリアン・ラ・ルステイン伯爵。彼は真っ直ぐにリョウエストのもとへ歩み寄った。
「…リョウ、よく戻ってきてくれた。ルステインはお前を待っていたぞ。よくがんばったな」
「いえ、マックスさん。僕一人では、ここまでは来られなかったです。皆がいたから、です」
「ふっ…そうか。ならば今度、盛大に祝いの宴を開こう。街を練り歩き、民の声に応えてやってくれ!」
「はい!」
パレードは再び始まった。吹奏楽団が奏でる音楽に合わせて、仲間たちは馬や山車で街を進む。子どもたちが後ろから手を振り、町の窓という窓から色とりどりの布が翻る。
そして、角を曲がった先……見えた。
スサン商会。白壁の建物の前に、家族が並んでいた。
スサン商会の前には、リョウエストの家族が一列に並んでいた。最前列には、父と母。その隣に立つのは、長兄・ロイックとその妻三人。そして次兄・ストラが微笑みながら手を振っていた。
「リョウーーーっ!!」
母が叫んだ。その声に、リョウエストの心が一気に揺れる。
「お母さん……っ!」
走った。馬車を飛び降り、駆け出し、そのまま母の胸に飛び込む。
「ただいま……っ!」
母は目に涙を浮かべてぎゅっと抱きしめた。
「ああ、リョウ…あなた、あなた…!」
父も腕を広げて、ぎこちないながらも強く息子の頭を撫でた。
「よく、無事で帰ってきたな。お前が…誇りだ」
「父さん…母さん…」
「はい、はいはいはい~! リョウ君、こっちにも抱っこおいで~!」
三人の義姉が順に両手を広げ、リョウエストは困惑しつつも「順番で!」と叫ぶ羽目に。
ストラ兄さんは腕を組んで笑った。
「ほらな? 結局、家族が一番怖いんだぞ」
「兄さん、それを言うなら『大切』って…」
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その後、スサン商会の中では家族と仲間たちが集い、盛大な宴が開かれた。工房から持ち込まれた酒と料理が振る舞われ、青の技のドライが歌い出し、ナビは空を舞いながら踊る。
エメイラは静かに杯を掲げた。
「リョウ、乾杯よ。貴方と、この家族に」
ミザーリも続けて微笑む。
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ストークが言った。
「記録に残すべき物語は、まだ終わっていませんからね」
リョウエストは皆を見渡し、小さく頷いた。
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