自分の初恋はどれなのか

ぽよんぬ

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3話

綺麗な夕日だった

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「あっつ…ちっ」

暑い外に出歩くのはしんどい。遊園地断ればよかったな。
気温は38°夏の真昼間空は澄み切って雲ひとつ無い。暑すぎて苛立つくらいだ。
いっそのこと雨でも降ればいいのに…

「あれー?もうバテてんのー?早すぎでしょ」

ニヤニヤしながらまるで煽るように言ってくる繋に少し苛立ちそのまま帰ってやろうかと思った。生憎もう遊園地の目の前まで来ている。今になって引き返したらよりいっそ繋に煽られそうだ。

そして遊園地に入った。が、その先に人だかりができているのを見つけた。
アイドルでも居るのだろうか。

「なあ!あれ、なんかやってんのかな?行こうぜ!!」

……は?こいつは何言ってんだ?馬鹿なのか?こんな暑い中人が密集してるとこに行ったらもっと暑いに決まってんだろ?!そんな所に誰が好き好んで行くもんか!

「は!?行かない!それよりも人が少ないとこに」

人が少ない方向を勧めたものの人の話も聞かずに繋は私の手を引っ張って人だかりの方向に歩いた。

「うっ…」

人だかりに近づいただけでも熱気が凄かった。
あぁ、もう帰りたい。

「ちょ、もういいでしょ」

既にもう暑いのにそんな人だかりの中に入ったら溶けてしまいそう。

「えー折角だからステージまで行ってみようぜ!」

は?やっぱこいつ馬鹿だ。それとも私への嫌がらせか??繋を睨んでも繋は何も気づかない。やっぱり馬鹿のようだ。

もうこの人に何言っても無駄だな。なすがままに繋に手を引っ張られステージの目の前まで歩いた。
ステージの目の前について現れた先の人物を見た瞬間何故だか私は吸い込まれそうだった。すごく暑くて苛立っていたのも忘れるくらいのものだった。青い瞳に綺麗な黒髪。そして透き通るような声。心がじんわりと温かくなった。この人は一体誰なのだろうか。

「あれ?なんだ、姉貴かよ」

ガッカリしたように言う繋に、


え?今なんて言った?姉貴??

「ねぇ、今なんて…?」

「あー、だからこの人、俺の姉貴。姉貴歌手目指してんだよねー。まさか居るのは思わなかったけども」

少し気だるげに説明したその後帰ろうとする繋に私は

「まって!まだ、少し…聞いてたい…」

まだ繋のお姉さんの歌を聞いていたいと思った。
予想外の事を言われて驚いた繋はため息をついた。

「わかったよ」

それだけ放ち繋のお姉さんの歌を2人で聞いていた。

聞いている時だった、お姉さんと目が合った。
え?私の方見てる?
少しだけドキッとした。いや、少しどころじゃない結構胸がドキドキした。
私を見たあと繋のお姉さんは繋の方に目線がいった。一瞬目が見開いた。驚いているようだった。その後ニコッと笑った。

「うわ、俺に気づいたな…」

なんだか嫌そうな顔をした繋。なんでそんな嫌なんだろうか。兄妹がいない私にはよくわからない。兄妹って仲悪いのが普通なのか?それにしても、なんでこんなにもドキドキするんだろう。動悸?え?歳??いやいや…まだ私13だし…。

「なぁ、もうそろそろ行かね?充分見たろ!早く行かねぇとアトラクション乗れねーぞ!」

また手を引っ張られてその場から去った。
なぜだかその時繋の顔は焦ってるようにも見えた。

その後はメリーゴーランド、ティーカップ、フリーフォール、ジェットコースターなど色んな乗り物に乗った。もう流石に疲れた。今すぐ家帰って布団で寝たい。もう汗でベタベタだし歩いたから足も痛い。少し休みたい。

「ねぇ、どっか座らない?ちょっと疲れた…」

近くにベンチがあったから、ベンチを指さした。

「そうだな~あ、俺飲み物買ってくる!先に座っといてくれ!」

少し離れた自動販売機にジュースを買いに行った繋。

もう疲れたしベンチにでも座ろう。

「はぁ、疲れた」

ベンチに腰をかけ、空を見上げたら綺麗なオレンジ色に染まっていた。

あぁ、もう夕方か。あのお姉さん見て以来そんな時間経ってたのか。未だに思うなんであの時ドキドキしたのか。それに何だか思い出してドキドキする…。なんか変な感じ。
また、会ってみたいな。別に何か話したい訳でもないけど。

「ねーねー!君!繋と居た子だよね?」

「へっ?」

目の前に現れたのは夕日の逆光で顔があまり見えなかったが、あの子だった。
そう、繋のお姉さんだった。
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