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リューネ視点
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結婚の儀式は、拍子抜けするほどに静かで、簡素だった。
神官の前で互いに名を記し、印を押す。王族として決して軽いものではないはずなのに、書き終えた瞬間ひとつの夢が現実になったのだと胸の奥が淡く震えた。
「これで、やっと……」
書面に視線を落としながら、隣にいるアルの横顔を盗み見る。いつも通りに涼しげな表情、けれど、指先がほんの少し震えていた。
平静を装ってはいるけれど、アルもまた、長い間この時を待っていてくれたのだと分かる。
晩餐も、特別なことはしなかった。
いつもと同じ食卓、けれど隣に座るアルの目は、どこか落ち着かず、けれどあたたかかった。静かな幸せが、ふたりのあいだに満ちていた。
そのあとのバスタイムも、特別ではなかったはずなのに。
湯に溶けたアロマの香りが心を柔らかく包み、言葉少なに互いの背を流し合った。
触れる指先の温度に、少しずつ胸が高鳴ってゆく。
そして、手を引かれるまま寝室へと向かうと――
扉を開けた瞬間、息がふっと止まった。
燭台に灯されたキャンドルの炎が、ゆらゆらと空気の中で揺れ、見慣れたはずの部屋は、まるで夢の中のようだった。
「……綺麗」
思わずこぼした言葉に、アルは目を細める。
その手が僕の腰を抱き寄せ、柔らかな口づけが額に落ちる。
「お前のほうが、綺麗だよ」
耳元で囁かれた声に、胸の奥がきゅうっと鳴いた。
そしてそのまま導かれるように、アルの腕の中に身をゆだねた。
ゆっくりと、けれど確かな手つきで、アルは衣を脱がせてゆく。
布が肌を離れるたびに、空気が触れて、そこにアルの温もりが重なる。
首筋、鎖骨、胸元――唇が滑り、舌が優しくなぞっていくたび、身体の奥が静かに疼いた。
「リューネ……震えてるな」
そっと問いかけられ、首を振った。怖くなんかなかった。ただ、ずっと夢見ていたぬくもりに、胸が熱くなるばかりだった。
「大丈夫。アルに触れてほしいの」
その言葉に応えるように、彼の手が脚を撫で上げる。内ももにそっと指先が触れたとたん、息が甘く漏れた。
唇が腹部を這い、脚の付け根に近づく。舌先で丁寧に舐められるたび、理性の堤が少しずつ崩れていく。
「こんなふうに、甘い声……かわいすぎて我慢がきかなくなりそうだ」
低く囁く声が、耳の奥にまで響く。
アルの指が、後ろの秘所をやさしくほぐし始める。そこは、ずっと時間をかけて、慣らしてきた場所。だけど、こうして愛撫されるたびに、初めてのように震えてしまう。
ぬるりとした潤滑剤が塗り広げられ、そこに指が、ゆっくりと挿し入れられる。ひとさし、ふたさし――やわらかな圧迫感が、奥へ奥へと広がっていく。
「んっ……っ、あ……アル……」
くぐもった声が、唇から零れる。
熱くなった身体が自然とアルを求め、指に締めつく感覚が伝わるたびに、彼の呼吸も荒くなっていくのがわかった。
アルの指が出入りするたび、奥がきゅうっと鳴くように締まり、声を押し殺すことができなかった。
唇を噛みしめても、あふれる熱は止められない。腰が自ずと揺れて、もっと奥を触れてほしいと、甘えるように身体が動いてしまう。
「こんなに……感じてるのか、リューネ……」
アルの声が震えていた。彼もまた、ずっと我慢してきたのだ。掟に従い、欲望を封じ、忍耐強く愛し続けてくれていた。
今はそのすべてを、身体の奥で受け止めたいと思った。
「アル……来て……もう、だいじょうぶ……」
潤滑剤と自身の熱で、奥はとろとろに溶けていた。
アルの熱を受け入れる準備は、もう充分すぎるほどだった。
彼が僕の脚を開き、その中心を押し当ててくる。硬く熱をもったそれが、少しずつ、中へと押し入ってくるたび頭の奥が真っ白に染まっていく。
「う、く……っ、はぁ……あっ……!」
痛みはほとんどなかった。むしろ、押し広げられる感覚が、快感と背中合わせで、じんわりと甘い痺れを生んでいく。
「全部……入った。リューネ、すごく……きつくて……」
「アル……もっと、動いて……」
甘えるようにねだると、アルがゆっくりと腰を引き、再び押し入れてくる。そのたび、奥の奥まで擦られて、言葉にならない声があふれてしまう。
抱きしめられながら、何度も愛を刻まれ、唇を重ね、舌を絡めた。
ふたりの間に、隙間などひとつもなかった。
抱き起こされ、膝に座らせられると、必然的にアルの胸にしがみつき、脚を彼の腰に巻きつけた。
深く繋がりながら、顔を寄せ合い、互いの吐息がすぐそこにある距離。
奥まで届くような衝撃が、内壁をなぞり、こすれ、リズムよく響くたび、快感の波が何度も押し寄せてきた。
「アル……好き、すき……っ」
何度も繰り返す言葉しか出てこない。心がいっぱいで、世界が彼で満たされて、涙が浮かんだ。
「リューネ……ずっとこうしたかった……誰にも渡さない……」
その言葉が、胸を貫いた。
頬に涙が伝うのも気にせず、唇を重ねた。
ただただ、愛しかなかった。
そして、背後から抱きすくめられるように体位が変わる。
膝をついて、少し恥ずかしい姿勢で彼を受け入れると、背中に触れる掌が震えていた。
「……ごめん、かわいすぎて、抑えられないかもしれない」
その言葉のとおり、動きは深く、激しくなった。
背中をなぞる指が、腰を抱く腕が、まるで所有を刻みつけるように強くて……でも、ちっとも怖くなかった。
むしろ、嬉しかった。
「もっと、して……もっと、奥まで……っ、あ……!」
恥ずかしいのに、声が勝手に溢れる。
身体の奥から熱いものがこみ上げて、息をつく暇もなくアルの律動に溺れていく。
何度も、何度も、彼が奥に注ぎ込んでくる。
そのたび、アルの名を甘く叫び、夜の静寂に溶けていった。
夜が明けても、アルの腕の中だった。
まぶたを開けると、アルがそっと髪にキスを落とす。
愛された夜の記憶は、身体に深く刻まれていた。
ふたりで迎えた初めての夜は、終わりではなく、始まりだった。
神官の前で互いに名を記し、印を押す。王族として決して軽いものではないはずなのに、書き終えた瞬間ひとつの夢が現実になったのだと胸の奥が淡く震えた。
「これで、やっと……」
書面に視線を落としながら、隣にいるアルの横顔を盗み見る。いつも通りに涼しげな表情、けれど、指先がほんの少し震えていた。
平静を装ってはいるけれど、アルもまた、長い間この時を待っていてくれたのだと分かる。
晩餐も、特別なことはしなかった。
いつもと同じ食卓、けれど隣に座るアルの目は、どこか落ち着かず、けれどあたたかかった。静かな幸せが、ふたりのあいだに満ちていた。
そのあとのバスタイムも、特別ではなかったはずなのに。
湯に溶けたアロマの香りが心を柔らかく包み、言葉少なに互いの背を流し合った。
触れる指先の温度に、少しずつ胸が高鳴ってゆく。
そして、手を引かれるまま寝室へと向かうと――
扉を開けた瞬間、息がふっと止まった。
燭台に灯されたキャンドルの炎が、ゆらゆらと空気の中で揺れ、見慣れたはずの部屋は、まるで夢の中のようだった。
「……綺麗」
思わずこぼした言葉に、アルは目を細める。
その手が僕の腰を抱き寄せ、柔らかな口づけが額に落ちる。
「お前のほうが、綺麗だよ」
耳元で囁かれた声に、胸の奥がきゅうっと鳴いた。
そしてそのまま導かれるように、アルの腕の中に身をゆだねた。
ゆっくりと、けれど確かな手つきで、アルは衣を脱がせてゆく。
布が肌を離れるたびに、空気が触れて、そこにアルの温もりが重なる。
首筋、鎖骨、胸元――唇が滑り、舌が優しくなぞっていくたび、身体の奥が静かに疼いた。
「リューネ……震えてるな」
そっと問いかけられ、首を振った。怖くなんかなかった。ただ、ずっと夢見ていたぬくもりに、胸が熱くなるばかりだった。
「大丈夫。アルに触れてほしいの」
その言葉に応えるように、彼の手が脚を撫で上げる。内ももにそっと指先が触れたとたん、息が甘く漏れた。
唇が腹部を這い、脚の付け根に近づく。舌先で丁寧に舐められるたび、理性の堤が少しずつ崩れていく。
「こんなふうに、甘い声……かわいすぎて我慢がきかなくなりそうだ」
低く囁く声が、耳の奥にまで響く。
アルの指が、後ろの秘所をやさしくほぐし始める。そこは、ずっと時間をかけて、慣らしてきた場所。だけど、こうして愛撫されるたびに、初めてのように震えてしまう。
ぬるりとした潤滑剤が塗り広げられ、そこに指が、ゆっくりと挿し入れられる。ひとさし、ふたさし――やわらかな圧迫感が、奥へ奥へと広がっていく。
「んっ……っ、あ……アル……」
くぐもった声が、唇から零れる。
熱くなった身体が自然とアルを求め、指に締めつく感覚が伝わるたびに、彼の呼吸も荒くなっていくのがわかった。
アルの指が出入りするたび、奥がきゅうっと鳴くように締まり、声を押し殺すことができなかった。
唇を噛みしめても、あふれる熱は止められない。腰が自ずと揺れて、もっと奥を触れてほしいと、甘えるように身体が動いてしまう。
「こんなに……感じてるのか、リューネ……」
アルの声が震えていた。彼もまた、ずっと我慢してきたのだ。掟に従い、欲望を封じ、忍耐強く愛し続けてくれていた。
今はそのすべてを、身体の奥で受け止めたいと思った。
「アル……来て……もう、だいじょうぶ……」
潤滑剤と自身の熱で、奥はとろとろに溶けていた。
アルの熱を受け入れる準備は、もう充分すぎるほどだった。
彼が僕の脚を開き、その中心を押し当ててくる。硬く熱をもったそれが、少しずつ、中へと押し入ってくるたび頭の奥が真っ白に染まっていく。
「う、く……っ、はぁ……あっ……!」
痛みはほとんどなかった。むしろ、押し広げられる感覚が、快感と背中合わせで、じんわりと甘い痺れを生んでいく。
「全部……入った。リューネ、すごく……きつくて……」
「アル……もっと、動いて……」
甘えるようにねだると、アルがゆっくりと腰を引き、再び押し入れてくる。そのたび、奥の奥まで擦られて、言葉にならない声があふれてしまう。
抱きしめられながら、何度も愛を刻まれ、唇を重ね、舌を絡めた。
ふたりの間に、隙間などひとつもなかった。
抱き起こされ、膝に座らせられると、必然的にアルの胸にしがみつき、脚を彼の腰に巻きつけた。
深く繋がりながら、顔を寄せ合い、互いの吐息がすぐそこにある距離。
奥まで届くような衝撃が、内壁をなぞり、こすれ、リズムよく響くたび、快感の波が何度も押し寄せてきた。
「アル……好き、すき……っ」
何度も繰り返す言葉しか出てこない。心がいっぱいで、世界が彼で満たされて、涙が浮かんだ。
「リューネ……ずっとこうしたかった……誰にも渡さない……」
その言葉が、胸を貫いた。
頬に涙が伝うのも気にせず、唇を重ねた。
ただただ、愛しかなかった。
そして、背後から抱きすくめられるように体位が変わる。
膝をついて、少し恥ずかしい姿勢で彼を受け入れると、背中に触れる掌が震えていた。
「……ごめん、かわいすぎて、抑えられないかもしれない」
その言葉のとおり、動きは深く、激しくなった。
背中をなぞる指が、腰を抱く腕が、まるで所有を刻みつけるように強くて……でも、ちっとも怖くなかった。
むしろ、嬉しかった。
「もっと、して……もっと、奥まで……っ、あ……!」
恥ずかしいのに、声が勝手に溢れる。
身体の奥から熱いものがこみ上げて、息をつく暇もなくアルの律動に溺れていく。
何度も、何度も、彼が奥に注ぎ込んでくる。
そのたび、アルの名を甘く叫び、夜の静寂に溶けていった。
夜が明けても、アルの腕の中だった。
まぶたを開けると、アルがそっと髪にキスを落とす。
愛された夜の記憶は、身体に深く刻まれていた。
ふたりで迎えた初めての夜は、終わりではなく、始まりだった。
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