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デート①
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「おい、そろそろ婆ど…も…」
勢いよく部屋の扉を開けたアルだったが――次の瞬間、リューネの姿を目にした途端、動きを止めた。その場で顔を掌で覆い、横を向いたまま微動だにしない。
「アル?」
予想外の反応に、リューネは不安を覚え、慌てて駆け寄った。
「アル、どうしたの?具合が悪いの?医師様を呼んだ方が――」
「いやいやいやいや」
アルはそのままリューネを腕の中に抱き込み、早鐘を打つ心臓を必死に落ち着かせる。
(ヤベェ、めちゃくちゃ可愛い)
もともと中性的な顔立ちのリューネだが、女性の手が入ると印象がぐっと変わる。今回の衣装と髪型のせいで、完全に”可憐な令嬢”の雰囲気になってしまっていた。
もちろん、それを狙ったはずのアルだったが――仕上がりが予想を遥かに超えてきた。
「……よく、見せて」
アルはリューネの頬に指を滑らせ、輪郭を辿るように撫でながら顎へと指を添え、そっと上を向かせる。
瞳を際立たせる差し色が目元に施され、頬は薄く染まっている。
唇は艶を帯び、どう見ても”キスを誘っている”としか思えない。
何時もはストレートな髪も、ゆるくウェーブをかけられ、ふんわりと優しい印象に仕上がっている。
(婆共……いい仕事しやがるじゃねぇか)
アルは思わずリューネへ屈み込み、軽く唇にキスを落とす。
「行くぞ」
そう告げると、リューネの手を強く引き、店の外へと歩き出した。
アルの服装も先ほどとは異なっていた。長いエプロンのような布を背面に流し、中はロングパンツ。全体的にタイトなシルエットで、スタイルの良さが際立つ。
相変わらず墨色一色ではあるが、そのシンプルさが却って洗練された印象を与えていた。
「アル、着替えたの?すごく素敵!」
リューネは目を輝かせ、嬉しそうにアルの服装を褒める。
「お前とデートすんのに、エスコート役の俺がショボくちゃカッコつかないだろ」
「嬉しい!アルとデート!」
リューネはぴょんと軽く跳ね、まるで子どものように無邪気に喜ぶ。
「デートのために僕に服を新調してくれたの?」
「折角なら街に馴染む服装の方がいいだろ?ルブテールズは古くから同性婚が認められてた街だから、服装も男女問わず、筒形の布を腰に巻くのが一般的なんだ。俺は動きやすさ重視で、大体こんな感じだけどな」
アルの言葉を聞いて、リューネはふと婚約の顔合わせのときのアルの装いを思い出す。確かに、彼の正装も腰に布を巻くスタイルだった。
「僕、好きな人とデートができる日が来るなんて夢にも思わなかった。ありがとう、アル」
そう言って、リューネは満面の笑顔をアルに向ける。
ただデートをするだけでなく、街に馴染むように配慮してくれるアルの心遣いが何よりも嬉しかった。
一方のアルは、そんなリューネの笑顔で心臓を撃ち抜かれ、完全に撃沈しかかっている。
(ヤバい……今日のリューネの笑顔、破壊力が凄まじい)
「こんなに可愛い婚約者をエスコートできるなんて、俺も嬉しいよ」
囁くようにそう言って、アルはリューネの頬に軽くキスを落とす。そして、迷いなく手を取り恋人繋ぎのまま歩き出した。
リューネはアルの言葉が嬉しくて、ぎゅっと指を絡ませる。そして、その手の温もりに甘くとろけるような笑顔を浮かべた。その様子を見たアルは、もう一度撃沈しそうになりながら、懸命に平静を保つ。
街を行き交う人々は、アルの隣に寄り添うリューネを見て”アルステルス様と……ご一緒なのはどなたかしら?”とひそひそと声を交わしていた。リューネにもその声は届き、アルの手を引きながら小声で告げる。
「ね、アル……街の人たちに注目されてる気がするんだけど……」
アルは薄く笑いながら答えた。
「それが目的。お前のこと、みせびらかしてんの。だから今日のデートは転移は無しな」
リューネは驚いたものの、アルの隣で微笑みながら街を歩き続けた。アルとのデートは、まるで物語の一幕のように心躍るものだった。
――ちょっと長くなったので、つづく――
勢いよく部屋の扉を開けたアルだったが――次の瞬間、リューネの姿を目にした途端、動きを止めた。その場で顔を掌で覆い、横を向いたまま微動だにしない。
「アル?」
予想外の反応に、リューネは不安を覚え、慌てて駆け寄った。
「アル、どうしたの?具合が悪いの?医師様を呼んだ方が――」
「いやいやいやいや」
アルはそのままリューネを腕の中に抱き込み、早鐘を打つ心臓を必死に落ち着かせる。
(ヤベェ、めちゃくちゃ可愛い)
もともと中性的な顔立ちのリューネだが、女性の手が入ると印象がぐっと変わる。今回の衣装と髪型のせいで、完全に”可憐な令嬢”の雰囲気になってしまっていた。
もちろん、それを狙ったはずのアルだったが――仕上がりが予想を遥かに超えてきた。
「……よく、見せて」
アルはリューネの頬に指を滑らせ、輪郭を辿るように撫でながら顎へと指を添え、そっと上を向かせる。
瞳を際立たせる差し色が目元に施され、頬は薄く染まっている。
唇は艶を帯び、どう見ても”キスを誘っている”としか思えない。
何時もはストレートな髪も、ゆるくウェーブをかけられ、ふんわりと優しい印象に仕上がっている。
(婆共……いい仕事しやがるじゃねぇか)
アルは思わずリューネへ屈み込み、軽く唇にキスを落とす。
「行くぞ」
そう告げると、リューネの手を強く引き、店の外へと歩き出した。
アルの服装も先ほどとは異なっていた。長いエプロンのような布を背面に流し、中はロングパンツ。全体的にタイトなシルエットで、スタイルの良さが際立つ。
相変わらず墨色一色ではあるが、そのシンプルさが却って洗練された印象を与えていた。
「アル、着替えたの?すごく素敵!」
リューネは目を輝かせ、嬉しそうにアルの服装を褒める。
「お前とデートすんのに、エスコート役の俺がショボくちゃカッコつかないだろ」
「嬉しい!アルとデート!」
リューネはぴょんと軽く跳ね、まるで子どものように無邪気に喜ぶ。
「デートのために僕に服を新調してくれたの?」
「折角なら街に馴染む服装の方がいいだろ?ルブテールズは古くから同性婚が認められてた街だから、服装も男女問わず、筒形の布を腰に巻くのが一般的なんだ。俺は動きやすさ重視で、大体こんな感じだけどな」
アルの言葉を聞いて、リューネはふと婚約の顔合わせのときのアルの装いを思い出す。確かに、彼の正装も腰に布を巻くスタイルだった。
「僕、好きな人とデートができる日が来るなんて夢にも思わなかった。ありがとう、アル」
そう言って、リューネは満面の笑顔をアルに向ける。
ただデートをするだけでなく、街に馴染むように配慮してくれるアルの心遣いが何よりも嬉しかった。
一方のアルは、そんなリューネの笑顔で心臓を撃ち抜かれ、完全に撃沈しかかっている。
(ヤバい……今日のリューネの笑顔、破壊力が凄まじい)
「こんなに可愛い婚約者をエスコートできるなんて、俺も嬉しいよ」
囁くようにそう言って、アルはリューネの頬に軽くキスを落とす。そして、迷いなく手を取り恋人繋ぎのまま歩き出した。
リューネはアルの言葉が嬉しくて、ぎゅっと指を絡ませる。そして、その手の温もりに甘くとろけるような笑顔を浮かべた。その様子を見たアルは、もう一度撃沈しそうになりながら、懸命に平静を保つ。
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リューネは驚いたものの、アルの隣で微笑みながら街を歩き続けた。アルとのデートは、まるで物語の一幕のように心躍るものだった。
――ちょっと長くなったので、つづく――
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