ハズレ職〈召喚士〉がS級万能職に化けました〜無能と蔑まれた俺、伝説の召喚獣達に懐かれ力が覚醒したので世界最強です~

ヒツキノドカ

文字の大きさ
3 / 82

啖呵を切る

しおりを挟む
 あー、よく寝た。

 隣を見ると、少し違和感がある。なんか『導ノ剣』の位置がずれているような……?

『起きたか、ロイよ』
「……なあ、お前俺が寝てる間に動いたりしたか?」
『……何のことかわからんな』
「何だその間は」

 まあ、さすがに気のせいか。
 さて、街に戻ろう。

 俺は拠点にしているアルムの街へと帰った。

『ロイ、これからどうするのだ』
「冒険者ギルドに行く」

 昨日までの俺とは違う。俺はもう召喚武装を手に入れたのだ。
 つまり、見習い卒業だ。
 これからは依頼だって受けられる。

『……? 『ぎるど』とは何だ?』
「俺みたいな冒険者のサポートをしてくれる組織のことだ。依頼の仲介やら素材の買い取りやらをしてくれる」

 『導ノ剣』に説明しながら歩いているうちにギルドについた。

「おやおやぁ~~~~? 無能のロイ君じゃありませんか。二日も出てこないから死んだかと思いましたよ」
「げっ……支部長」

 最悪だ。一番会いたくない人物に見つかってしまった。

「あなたが来なかったせいで雑用が溜まっているんです。さあ、キリキリ働いてもらいましょうか! まずは書類整理と建物内の掃除です! 掃除はホコリ一つでも残っていたらやり直しをしてもらいますよ!」

 いつものように雑用を押し付けようとしてくる支部長に、俺は言った。

「……いえ、俺はもう雑用はしません」
「は? 今何と言ったんですか? 契約ゼロの無能のくせに」
「俺はもう召喚契約を終えました。これが俺の召喚武装です」

 俺は『導ノ剣』を支部長の前に掲げた。

 そして【召喚】と【送還】によって出したり消したりすることで、それが召喚武装であることを証明する。

「……確かに召喚武装を得たようですね。ですが、それがどうしたというんですか? たかが剣一本で一人前ぶらないでください」
「『導ノ剣』はただの剣じゃありません。それに、以前支部長は言いましたよね? 『俺は未契約の<召喚士>だから、見習いとして扱う』って。召喚武装と契約した今の俺は、もう見習いではないはずです」
「ちっ、細かいことを……」

 支部長は苛立ったように舌打ちをした。
 自分で言ったことのくせに、今まで忘れていたらしい。
 どうせ俺は一生召喚スポットなんて見つけられないと思っていたんだろう。

 それから支部長は、何かを思いついたようにニヤリと笑った。

「わかりました。では、そこまで言うなら試験を受けてもらいましょうか」
「試験?」
「ええ。うちとしても、依頼を仲介するからには、冒険者にはある程度の実力がないと困りますからねえ」
「……冒険者になるのに試験があるなんて聞いていませんが」
「黙りなさい! この支部は私のもの! 私の発言がルールなんですよ! それとも今すぐ冒険者資格を剥奪されたいんですか!?」

 ヒステリックに喚き散らす支部長。会話が通じないが、向こうのほうが立場が上である以上、今は従うしかない。

「試験の内容は――そうですね。『オーク十体の討伐』。これでいいでしょう」
「……はぁ!?」

 俺は思わず声を上げた。
 オーク十体の討伐!?
 冗談じゃない。それを一人でなんて、ベテラン冒険者でもないと不可能だ!

「ふざけないでください!」
「ふざけてなどいませんよ。受けるんですか? 受けないんですか? 受けないなら、あなたは見習いのままです。あなたに受けられますか? どうせ無理でしょうねえ! あなたはこのギルドのお荷物でしかない、無能のゴミなのですから!」

 甲高い声で喚く支部長。
 なんて鬱陶しいやつだ……! 性悪に権力を渡すべきじゃない理由がよくわかる。

『いいではないか、ロイよ。せっかくだから受けて立ってやれ』

 『導ノ剣』がいきなり喋り出した。

「!? 召喚武装が喋った……!?」
『初めまして、支部長とやら。我の名は『導ノ剣』。鍛冶神メルギスが十七番目に造りし星詠みの神器だ』
「ロイ君、これはどういうことですか!?」
「俺にもよくわかりませんが、こいつは喋ります」
「説明になっていないでしょう、それは!」

 混乱したように叫ぶ支部長。

 というか、さっき『導ノ剣』は自己紹介で妙なことを言っていなかったか?
 後半がほとんど理解できなかった。

 困惑する俺を尻目に『導ノ剣』は話を続ける。

『ロイと契約した者として提案しよう。支部長、こちらは汝の条件を呑む。しかしロイの反応を見る限り、これは不当な対応のようだ。よってこちらからも一つ条件を出したい』
「条件?」
『簡単なことだ。仮にロイがオーク十体の討伐を成し遂げたなら――汝はロイに這いつくばって謝罪しろ』

 支部長はにんまりと笑った。

「いいでしょう。いくらでもしてあげますよ。そんなことはあり得ませんからねぇ。もちろん、そちらが試験に失敗すればロイ君にも同じことをしてもらいますよ?」
『構わん。では、条件成立だな』

 待て待て待て。

「勝手に話を進めるな! 俺はやるなんて一言も言ってないぞ!?」
『何を恐れる、ロイ。汝は我の試練を突破したのだぞ?』
「だからって……」
『それに汝は、このままでいいのか』

 その言葉に。
 俺は、反射的に首を横に振った。

「――そんなわけないだろ。嫌に決まってる」
『いい返事だ。では、行くとしよう、我が主。なに、汝なら大丈夫だ。我もついていることだしな』

 もういい、やけくそだ。
 やってやる。
 それに支部長の土下座も見てみたいしな。

「では、どうぞお気をつけて。そんな変な剣一本で何ができるのか疑問ですがね」

 支部長のニタニタ笑いに見送られ、俺は冒険者ギルドを後にするのだった。
しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~

軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。 そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。 クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。 一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき
ファンタジー
 ある日乗っていた飛行機が事故にあり、死んだはずの井原は名もない世界に神によって召喚された。現代を生きていた井原は、そこで神に”ダンジョンマスター”になって欲しいと懇願された。自身も建物を建てたい思いもあり、二つ返事で頷いた…。そんなダンジョンマスターの”はじまお”本編とは全くテイストの違う”普通のダンジョンマスター物”です。タグは書いていくうちに足していきます。  なろうさんに、これの本編である”はじまりのまおう”があります。そちらも一緒にご覧ください。こちらもあちらも、一日一話を目標に書いています。

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

処理中です...