ハズレ職〈召喚士〉がS級万能職に化けました〜無能と蔑まれた俺、伝説の召喚獣達に懐かれ力が覚醒したので世界最強です~

ヒツキノドカ

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行動開始!

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 さて、金策である。

 もともとの俺の所持金は、オールドダイルの討伐報酬(死体が残らなかったので半額)、ブルークラブの討伐報酬、『鉄の山犬』から巻き上げたぶんなどでおよそ二百万ユール。

 あと半月で二億ユール貯めるためには、残り一億九八〇〇万ユール。
 普通なら無理だがシルがいれば何とかなるかもしれない。

「それで、冒険者ギルドで何をするつもりなの?」
「情報収集をしたいんだ」

 イオナの質問に応えつつ、冒険者ギルドに着いた俺は受付嬢に頼み、ギルドの資料を読ませてもらう。
 俺が知りたいのは買い取り単価の高い素材だ。
 採集で確保できるものに絞って探す。

 ギルドの資料をぺらぺらめくると、ちょうどいいものがあった。

「『月涙草』……これだ」

 月涙草。
 資料によると、これは特殊なポーションの素材になる薬草だが、夜にしか花を咲かせない。夜は視界が悪くて探しにくく、昼間では他の雑草にまぎれてしまうため入手が困難。

「シル、この近くにある月涙草の居場所をすべてサーチしてくれ」
「いいよー」

 シルの足元から青い光が大量に伸びる。

「それから、これと、これの場所も教えてくれ」
「うん!」

 さらに青い光の数が増える。

「なるほど、シルの力が必要ってこういうことね」
「ああ。シルの力ならレアな素材の場所でも一瞬でわかるからな。探す手間がないぶん効率がいい」

 イオナの質問に答える。

 採集の面倒なところは広大な地形から目当てのものを見つけ出さないといけないことだ。
 しかしシルの能力を使えばそんな時間は一切必要ない。
 最短・最速で希少素材を集め放題だ。
 これなら効率よく金を稼ぐことができる。

 資料を読み終わったところでギルドをいったん出る。

「でも、いくら探す手間がなくてもこの数を回るのは大変じゃない?」
「そこも大丈夫だ。【召喚:『水ノ幼蟹』『水ノ幼井守』『水ノ幼蝦蟇』『風ノ子蜂』――」

 大量の召喚獣をその場に出す。
 彼らにもシルの青い光が見えることは、以前カナタと出会った際の食材探しで実証済みである。

 召喚獣たちに集めてほしい素材の外見を伝える。

「戦闘は必ず回避してくれ。それじゃあ各自出発!」
『きゅうー!』『――、』『げこげこっ』

 召喚獣たちが一斉に散らばっていった。

「なるほど、こうやって一気に素材を集めるわけね。ふふん、さすが私のご主人様だわ」
「ロイってやっぱり頭いいよね~」

 ……そう褒められると悪い気はしない。

 採集のほうはこれでよし。
 次は俺たちだ。




 やってきたのはグレフ村近くの『暗闇の洞穴』。

「ロイ、なんでこの洞窟に来たの?」

 シルの質問に俺は答える。

「ギルドの資料によると、ここは昔それなりに栄えたミスリル鉱山だったらしい。けど、ミスリルが枯渇して廃坑になって、魔物が棲みついてしまったそうだ」

 視線を横に向けると、あちこちにここが昔鉱山だった名残がある。
 まあ、百年以上も前の話だが。

「ミスリル?」
「魔力のこもった金属で、貴重なうえ魔道具の材料になるから高く売れる」
「それを探せばいいの?」
「そういうことだ。やってくれ、シル」
「任せて!」

 シルが能力を使い、鉱山内のあちこちに伸びていく。
 思った通りだ。まだ掘りつくしてないミスリルが大量に残っている。

 洞窟の中を進み、青い光と壁がぶつかった地点で足を止める。

 よし、掘るか。

「【掘削】!」

 ズガガガガガガガ、とスキルの力で素手で壁を掘っていく。
 このスキルがあれば穴掘りに関しては問題ない。

 しばらく掘ると薄紫に輝く鉱石が露出した。

 周りの岩を慎重に堀り、それを取り出す。青い光はそれに伸びている。

「ミスリル、ゲットだ!」
「「おおおおーっ!」」

 希少金属のミスリルをあっという間に獲得。
 これも高く売れることだろう。

「ねえねえロイ、私偉い? すごい?」
「ああ、偉いよ」
「えへへ~♪」

 俺がすり寄ってきたシルの頭を撫でると、とろけそうなほど満足そうな笑みを浮かべる。

「むむっ」

 それを見てイオナが不満そうな顔をした。

「シルばっかり活躍するのは不公平よ。ロイ、あたしに何かできることはない?」
「それなら、魔物の討伐を任せていいか? 実は素材が高く売れる魔物のリストも持ってきてるんだ」
「ええ、任せなさい! ……それでロイ、あたしがちゃんと魔物をたくさん倒したら……」

 イオナはもの言いたげに視線をさまよわせる。

「あ、ああ。褒めるのも、頭を撫でるのも、別に構わないぞ」
「わ、わかってるならいいわ! それじゃ行ってくるわね!」

 イオナはシルが魔物の位置をサーチすると、だだだだだーっ、とその場を駆けだしていった。

「……そんなにいいのか、頭を撫でるの」
「ロイは神気が濃いから、すごく気持ちいいんだよ~……」

 また神気か。
 自覚があるわけじゃないから、そう言われると妙な気分だ。
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