ハズレ職〈召喚士〉がS級万能職に化けました〜無能と蔑まれた俺、伝説の召喚獣達に懐かれ力が覚醒したので世界最強です~

ヒツキノドカ

文字の大きさ
44 / 82

解呪➁

しおりを挟む
 シルの案内に従いヒラギ草の群生地へと向かう。

『『『ギシャアアアアアアアアアッ!』』』

 情報通り、そこには大量に蜂型の魔物がいた。

『ギイイイイイイイイイイッ!』

 奥にはひときわ大きい個体がいて、周囲の蜂たちに指示を出しているように見える。
 あれが群れのリーダーか……?

「シル、剣の姿になってくれ! イオナは刺されないように気をつけながら、できるだけ群れを引き付けてくれ」
「わかった!」「了解よ!」

 シルを構えて蜂たちの中に突っ込んでいく。
 数は多いが――

「「【火炎付与】!」」
『『『ギィイイイイイイイイイイイ!?』』』

 昨日治療院の老女に聞いたとおり火に弱いようだ。視界の端では、俺と同じスキルを使ってイオナは拳に炎を宿して戦っている。

「うおっ……」

 びりっ、という感覚が腕に走る。
 パラライズビーの麻痺針が俺の腕をかすめたのだ。

 本来なら動けなくなるはずだが、問題なく俺は動けた。新しく手に入れた【状態異常耐性】のおかげだろう。

 イオナが敵の大部分を引き付けてくれている間に俺は奥へと突っ込み、群れのボス――おそらく女王へと斬りかかる。

『ギイッ……』
「逃がすか! 【飛行】!」

 上空に向かおうとする女王蜂を【飛行】スキルで追う。

「【幻惑粉】」

 新たに得たもう一つのスキルを使い、女王蜂の動きを止める。
 そして、叩き斬る。

『ギャアアアアアアアアアアアアア!』

 女王蜂は真っ二つになって落下した。

 すると途端に他の蜂たちが混乱し始める。
 どうやら女王蜂から指示を受けていたらしい。
 蜂たちはそのまま逃げ去っていった。

 戦闘終了だ。
 俺は召喚獣たちを大量に呼び出し、ヒラギ草を採集した。

「よし、帰るか」
「「はーい」」

 そんなわけで目的を果たした俺たちは『彩色の樹林』を撤収した。

 ちなみにパラライズビーの女王は一応近くの冒険者ギルドに持ち込んだら、そこそこの値段で売れた。
 どちらかというと、ヒラギ草の群生地を安全にしたことを感謝されたが。

 少し期待したが、冒険者ランクは上がらなかった。
 さすがにそこまで甘くないか。




「これが採集してきたヒラギ草です」
「ぎゃあああああ!? 何じゃこの数!?」

 治療院にヒラギ草を持ち込んだら悲鳴を上げられた。
 多めに持ってこいって言ったのはそっちだろうに。

「それより、解呪ポーションの調合をお願いします」
「わ、わかったわい。いやはや、とんでもない冒険者がおったもんじゃのう……」

 老女はそんなことを言いながらも手早く調合を行ってくれた。
 そのやり取りを聞いていたセフィラがぽつりと言う。

「ロイ様は……すごい方なのですね」
「うんうん、そうなんだよ!」
「何よあんた、話がわかるじゃない」

 なぜか俺以上にシルとイオナが嬉しそうにしている。恥ずかしいからやめてほしい。

「できたぞい」
「いくらですか?」
「タダでええわい、タダで。あれだけヒラギ草を採ってきてくれたんじゃからのう。もちろん、ヒラギ草のぶんの代金も払うぞい」

 そう言いながら、解呪ポーションと中級ポーションを渡してくる。

 別に今は金には困ってないんだが……まあ、ヒラギ草の代金は少しまけさせてもらおう。
 また世話になるかもしれないし、治療院とは良好な関係を保ちたい。

 ポーションをセフィラの足に使う。
 まず解呪ポーションで、セフィラの怪我の具合を固定している呪いを解く。
 そして中級ポーションを使い、怪我も治す。

「……! た、立てます。普通に歩けます」

 セフィラが感動したように目を見開く。
 よかった。これで移動に支障はなさそうだ。

 セフィラは俺の前までやってきて、深く頭を下げる。

「……申し訳ございません、ロイ様。私なんかのために、お手間をかけさせてしまって」
「……どっちかって言うと、俺は謝罪より感謝のほうが嬉しいんだけど」

 俺の言葉にセフィラは驚いたように顔を上げ、それからこう言った。

「ありがとう、ございます」
「どういたしまして」

 こうしてセフィラは健康な足を手に入れたのだった。
しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~

軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。 そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。 クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。 一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき
ファンタジー
 ある日乗っていた飛行機が事故にあり、死んだはずの井原は名もない世界に神によって召喚された。現代を生きていた井原は、そこで神に”ダンジョンマスター”になって欲しいと懇願された。自身も建物を建てたい思いもあり、二つ返事で頷いた…。そんなダンジョンマスターの”はじまお”本編とは全くテイストの違う”普通のダンジョンマスター物”です。タグは書いていくうちに足していきます。  なろうさんに、これの本編である”はじまりのまおう”があります。そちらも一緒にご覧ください。こちらもあちらも、一日一話を目標に書いています。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

デバフ専門の支援術師は勇者パーティを追放されたので、呪いのアイテム専門店を開きます

夏見ナイ
ファンタジー
支援術師ノアは、敵を弱体化させる【呪物錬成】スキルで勇者パーティを支えていた。しかし、その力は地味で不吉だと疎まれ、ダンジョン攻略失敗の濡れ衣を着せられ追放されてしまう。 全てを失い、辺境の街に流れ着いたノア。生きるために作った「呪いの鍋」が、なぜか異常な性能を発揮し、街で評判となっていく。彼のスキルは、呪いという枷と引き換えに、物の潜在能力を限界突破させる超レアなものだったのだ。本人はその価値に全く気づいていないが……。 才能に悩む女剣士や没落貴族の令嬢など、彼の人柄と規格外のアイテムに惹かれた仲間が次第に集まり、小さな専門店はいつしか街の希望となる。一方、ノアを追放した勇者パーティは彼の不在で没落していく。これは、優しすぎる無自覚最強な主人公が、辺境から世界を救う物語。

処理中です...