ハズレ職〈召喚士〉がS級万能職に化けました〜無能と蔑まれた俺、伝説の召喚獣達に懐かれ力が覚醒したので世界最強です~

ヒツキノドカ

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二章

精霊剣士2

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「イオナ、ブレスを頼む。思いっきりだ」
「わかったわ。……スゥッ――」

 息を大きく吸い込むイオナ。

 そう、イオナのブレスは強力だが一瞬のためが必要になる。

「なにをするつもりかしらないけど、させないよ。風精召喚【シルフエッジ】」

 さっき見た風の刃が飛んでくる。
 まあ、こんなの邪魔されるのはわかりきってたことだ。
 まずはこれを防ぐ!

「ッ……おおおお!」

 渾身の一振りによって風の刃の軌道を逸らすことに成功する。目を見張るギルドマスター目がけて、十分なためを行ったイオナのブレスが放たれた。
 すべてを焼き尽くす劫火のブレス。
 その直撃ルートに立つギルドマスターは、それでも動揺しない。
 剣を優雅に薙ぎ、

「水精召喚【ウンディーネエッジ】」

 召喚した水の精霊の力によってイオナのブレスを消化する。じゅうっ! という音とともに白い水蒸気が満ち、必殺のブレスが無力化される。

 ここだ。
 俺は白く濁った視界の中を走り出す。

 視界が悪い今ならギルドマスターに近付くことができる。

「なるほど、これが狙いか。面白い。けれど剣での打ち合いなら僕も望むところだよ」

 ギルドマスターが剣を構える気配。
 おそらくこのまま突っ込んでも迎撃されて終わりだろう。だから俺は最後の小細工をする。

「【召喚:空渡ノ長靴】」
「!?」

 ギルドマスターが剣を振るのに合わせて短距離転移を行う。移動先は斜め前方二メートル。ギルドマスターは片目を眼帯で塞いでいるため、そちらに転移すれば死角に潜り込める。

 一瞬前まで俺がいた場所を正確にギルドマスターの剣が通過するのを見ながら、俺はシルを振るった。

「おおおおおおおおおおおおおおっ!」

 ぴしり。
 ガラスの割れるような音とともに砕け散ったのは――

「……俺の負け、ですか」

 俺の防護魔術が解除される。

 転移した俺の攻撃よりもさらに速く剣を引き戻したギルドマスターは、死角にいた俺を気配のみで察知して再度迎撃した。
 俺の剣はわずかにギルドマスターの防護魔術にダメージを与えたが、それを破壊するところまではいかなかった。

「いや、素晴らしい作戦だったよ。まさか瞬間移動で死角に潜り込まれるとはね」
「……どうも」
「一つ尋ねたいんだけど、君はイオナ君のブレスを目くらましとして使っていたね。けれどあれは、僕が水魔術系のスキルを持っていなければ成立しなかった。なぜそれに踏み切れたんだい?」

 不思議そうなギルドマスターに俺は言った。

「ただの賭けです。あなたほどの強者なら、イオナのブレスも防ぐだろうと思っていました」

 ギルドマスターの言う通り、俺はイオナのブレスを相手の視界を塞ぐために使った。
 どんな手段で防御されるかはわからなかったが、イオナのブレスは超強力だ。
 それを防ぐならそれなりに効果の大きな手段であるはず。
 そうなれば少しは隙ができると読んだ。

 それに加えて『空渡ノ長靴』を合わせれば、勝てるかと思ったが……
 やはりギルドマスターは化け物だ。

「ろ、ロイは頑張ったよ!」
「そうよ。落ち込む必要なんてないわ」
「ありがとな、二人とも」

 励ましてくれるシルとイオナの頭を撫でる。特に矢面に立たせてしまったイオナは念入りにだ。

 なでなでなでなで。

「……ん」
「イオナいいなあー」
「シルもちゃんとやってるだろ」
「熱の入り方が違う! 私にももっと!」
「はいはい」
「独特なコミュニケーションだね。君たちは本当に面白いな」

 ギルドマスターに感心されてしまった。
 ……さて、だ。

「ギルドマスター。また挑んでも構いませんか?」

 今回は俺たちの負けだ。
 しかもおそらくギルドマスターは全然本気じゃなかった。完敗だ。
 ギルドマスターは首を横に振る。

「いや、その必要はない。……合格だよ、ロイ君。君たちほどの実力があれば、『予知者』のことを知らせても問題ない」

 ん?

「というか、君はカナタが斬れなかった『魔喰いの悪魔』を倒したんだろう? その時点で実力は折り紙付きだし」

 んん?

「今回のはぶっちゃけ、僕が君の実力を知りたかっただけなんだよね。だから再戦の必要はないよ」
「つまり最初から俺に話をするつもりだったと?」
「そういうことだね」

 ……
 なんだったんだよ今の戦いは……ッ!
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