7 / 8
二度目
しおりを挟む
急ぎ伯爵邸でビアンカを呼び出した
可愛らしい笑顔で挨拶してくれる愛しい人
急ぎ抱きしめると抑えられない気持ちが溢れ涙を流していた
心配させているのは重々判っているが今は・・・甘えさせてくれ
ビアンカが私の背に手を回し慰めてくれている
嬉しくて幸せで失った過去を取り戻すように彼女を抱きしめ続けた
伯爵が現われるまでどれ程時間がたったのか不明だがこの手を放したくなかった
「えっと、殿下どうされたのでしょうか?」
部屋を移動し今は伯爵と伯爵夫人の三人で部屋にて話をしている
「もう我慢できないのだ、一刻も早くビアンカと婚姻を結びたい」
「・・・・もう少しで婚約期間が終わります、待てませんか?」
「駄目だ!」
「殿下?何があったのでしょうか?」
「・・・・・聞いてもビアンカを私と婚姻させてもらえるだろうか」
「・・・・はい、娘がそれを望んでおりますので」
そうだった、伯爵はビアンカに弱い、彼女が望むものを自分の意志より先に優先していた
だから私は過去で許されていた
全てを話した、過去にて自分が魅了にかかり断裁し冤罪にて処刑した事を、ビアンカに何をしたのかを
そして伯爵が私を許し国に力を貸し続けてくれたことを
「恐ろしい夢を見られたのですね」
「・・・・夢としてならば悪質で嫌悪感しかない事柄だが、実際経験し時を過ごした、あの損失間を味わいながら死人のように過ごす日々は耐えられない」
「して、その魅了とやらに次またお会いになったらどうなさる?」
「もう手は打ってある、二度も奪われてなるものか、どうかビアンカとの婚姻を」
「殿下、手を打ってあるのであれば残りの婚約期間からやり直されよ」
「しかし!」
「二度目ができた幸福を味わいなされ」
「・・・期間が終われば婚姻を許してもらえるか?」
「あの子が望むので有れば反対致しません、なのでどうか大事にしてあげてください。他の夢と聞いても胸が苦しくなる話でした」
「悪かった、ビアンカを何よりも大切にする、この二度目の機会を素敵なものとしよう」
「それが一番だと思います。して一度目は殿下は婚姻されたのでしょうか?」
「・・・・独身で誰も愛せなかった。心にはいつもビアンカが居たから」
「それは辛い日々でしたね、今のビアンカへ甘えられるとよろしいが、婚約期間は節度ある対応よろしくお願いしますよ」
「・・・・あ、はい」
「まったく、早朝から娘との抱擁を目の前にして気絶しかけましたよ」
ハハハハハと笑いながらこの二度目を許してもらいビアンカとの幸せを手に入れることができた
あの女が来る前に城の全ての働く者たちへ魔道具を肌身離さず着ける義務を取り付け
奴が現われたならひっとらえる手はずを整える
魅了とは禁忌、王への反逆を意味する
次は即座に処罰する
ビアンカと同じ時間を生かすのが苦痛でしかないが為だ
可愛らしい笑顔で挨拶してくれる愛しい人
急ぎ抱きしめると抑えられない気持ちが溢れ涙を流していた
心配させているのは重々判っているが今は・・・甘えさせてくれ
ビアンカが私の背に手を回し慰めてくれている
嬉しくて幸せで失った過去を取り戻すように彼女を抱きしめ続けた
伯爵が現われるまでどれ程時間がたったのか不明だがこの手を放したくなかった
「えっと、殿下どうされたのでしょうか?」
部屋を移動し今は伯爵と伯爵夫人の三人で部屋にて話をしている
「もう我慢できないのだ、一刻も早くビアンカと婚姻を結びたい」
「・・・・もう少しで婚約期間が終わります、待てませんか?」
「駄目だ!」
「殿下?何があったのでしょうか?」
「・・・・・聞いてもビアンカを私と婚姻させてもらえるだろうか」
「・・・・はい、娘がそれを望んでおりますので」
そうだった、伯爵はビアンカに弱い、彼女が望むものを自分の意志より先に優先していた
だから私は過去で許されていた
全てを話した、過去にて自分が魅了にかかり断裁し冤罪にて処刑した事を、ビアンカに何をしたのかを
そして伯爵が私を許し国に力を貸し続けてくれたことを
「恐ろしい夢を見られたのですね」
「・・・・夢としてならば悪質で嫌悪感しかない事柄だが、実際経験し時を過ごした、あの損失間を味わいながら死人のように過ごす日々は耐えられない」
「して、その魅了とやらに次またお会いになったらどうなさる?」
「もう手は打ってある、二度も奪われてなるものか、どうかビアンカとの婚姻を」
「殿下、手を打ってあるのであれば残りの婚約期間からやり直されよ」
「しかし!」
「二度目ができた幸福を味わいなされ」
「・・・期間が終われば婚姻を許してもらえるか?」
「あの子が望むので有れば反対致しません、なのでどうか大事にしてあげてください。他の夢と聞いても胸が苦しくなる話でした」
「悪かった、ビアンカを何よりも大切にする、この二度目の機会を素敵なものとしよう」
「それが一番だと思います。して一度目は殿下は婚姻されたのでしょうか?」
「・・・・独身で誰も愛せなかった。心にはいつもビアンカが居たから」
「それは辛い日々でしたね、今のビアンカへ甘えられるとよろしいが、婚約期間は節度ある対応よろしくお願いしますよ」
「・・・・あ、はい」
「まったく、早朝から娘との抱擁を目の前にして気絶しかけましたよ」
ハハハハハと笑いながらこの二度目を許してもらいビアンカとの幸せを手に入れることができた
あの女が来る前に城の全ての働く者たちへ魔道具を肌身離さず着ける義務を取り付け
奴が現われたならひっとらえる手はずを整える
魅了とは禁忌、王への反逆を意味する
次は即座に処罰する
ビアンカと同じ時間を生かすのが苦痛でしかないが為だ
59
あなたにおすすめの小説
恩知らずの婚約破棄とその顛末
みっちぇる。
恋愛
シェリスは婚約者であったジェスに婚約解消を告げられる。
それも、婚約披露宴の前日に。
さらに婚約披露宴はパートナーを変えてそのまま開催予定だという!
家族の支えもあり、婚約披露宴に招待客として参加するシェリスだが……
好奇にさらされる彼女を助けた人は。
前後編+おまけ、執筆済みです。
【続編開始しました】
執筆しながらの更新ですので、のんびりお待ちいただけると嬉しいです。
矛盾が出たら修正するので、その時はお知らせいたします。
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
初恋の終わり~私の大切なソフィア
あやむろ詩織
恋愛
「もう初恋の夢は見ない」「初恋の残滓」に続く、カレナ様視点です。
リクエストをいただき、書いてみました。
もしかしたら前作までのイメージを崩す可能性もありますので、ご注意ください。
*小説家になろう様にも投稿しております。
愚か者の話をしよう
鈴宮(すずみや)
恋愛
シェイマスは、婚約者であるエーファを心から愛している。けれど、控えめな性格のエーファは、聖女ミランダがシェイマスにちょっかいを掛けても、穏やかに微笑むばかり。
そんな彼女の反応に物足りなさを感じつつも、シェイマスはエーファとの幸せな未来を夢見ていた。
けれどある日、シェイマスは父親である国王から「エーファとの婚約は破棄する」と告げられて――――?
悪役令嬢の涙
拓海のり
恋愛
公爵令嬢グレイスは婚約者である王太子エドマンドに卒業パーティで婚約破棄される。王子の側には、癒しの魔法を使え聖女ではないかと噂される子爵家に引き取られたメアリ―がいた。13000字の短編です。他サイトにも投稿します。
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる