好きだから笑顔でさようならいたします

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二度目

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急ぎ伯爵邸でビアンカを呼び出した

可愛らしい笑顔で挨拶してくれる愛しい人

急ぎ抱きしめると抑えられない気持ちが溢れ涙を流していた

心配させているのは重々判っているが今は・・・甘えさせてくれ

ビアンカが私の背に手を回し慰めてくれている

嬉しくて幸せで失った過去を取り戻すように彼女を抱きしめ続けた

伯爵が現われるまでどれ程時間がたったのか不明だがこの手を放したくなかった






「えっと、殿下どうされたのでしょうか?」

部屋を移動し今は伯爵と伯爵夫人の三人で部屋にて話をしている

「もう我慢できないのだ、一刻も早くビアンカと婚姻を結びたい」

「・・・・もう少しで婚約期間が終わります、待てませんか?」

「駄目だ!」

「殿下?何があったのでしょうか?」

「・・・・・聞いてもビアンカを私と婚姻させてもらえるだろうか」

「・・・・はい、娘がそれを望んでおりますので」

そうだった、伯爵はビアンカに弱い、彼女が望むものを自分の意志より先に優先していた
だから私は過去で許されていた

全てを話した、過去にて自分が魅了にかかり断裁し冤罪にて処刑した事を、ビアンカに何をしたのかを
そして伯爵が私を許し国に力を貸し続けてくれたことを

「恐ろしい夢を見られたのですね」

「・・・・夢としてならば悪質で嫌悪感しかない事柄だが、実際経験し時を過ごした、あの損失間を味わいながら死人のように過ごす日々は耐えられない」

「して、その魅了とやらに次またお会いになったらどうなさる?」

「もう手は打ってある、二度も奪われてなるものか、どうかビアンカとの婚姻を」

「殿下、手を打ってあるのであれば残りの婚約期間からやり直されよ」

「しかし!」

「二度目ができた幸福を味わいなされ」

「・・・期間が終われば婚姻を許してもらえるか?」

「あの子が望むので有れば反対致しません、なのでどうか大事にしてあげてください。他の夢と聞いても胸が苦しくなる話でした」

「悪かった、ビアンカを何よりも大切にする、この二度目の機会を素敵なものとしよう」

「それが一番だと思います。して一度目は殿下は婚姻されたのでしょうか?」

「・・・・独身で誰も愛せなかった。心にはいつもビアンカが居たから」

「それは辛い日々でしたね、今のビアンカへ甘えられるとよろしいが、婚約期間は節度ある対応よろしくお願いしますよ」

「・・・・あ、はい」

「まったく、早朝から娘との抱擁を目の前にして気絶しかけましたよ」

ハハハハハと笑いながらこの二度目を許してもらいビアンカとの幸せを手に入れることができた

あの女が来る前に城の全ての働く者たちへ魔道具を肌身離さず着ける義務を取り付け

奴が現われたならひっとらえる手はずを整える

魅了とは禁忌、王への反逆を意味する

次は即座に処罰する

ビアンカと同じ時間を生かすのが苦痛でしかないが為だ






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