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朝食の席で皆が食卓を囲うのが久々だと楽し気な雰囲気の中、先程の部屋でのやり取りで兄は厳しい顔を崩して下さらない
それが悲しく皆と一緒に笑い団欒出来ずにいた
「今日のベロニカは静かね?」
ネモフィラお姉様が気をきかせて声をかけてくれたが何が正しい受け答えなのか判らず黙り混んでしまった
「ネモ姉様、違うんだ僕が悪いんだよ。ごめんベロニカ許してくれるかい?」
声を出すと多分泣いてしまうと判っていたが、兄様が謝ってくれているのに何も言わない訳にはいかず、首を横に降り
「・・・ごめんなさい」と小さく声を出した
兄が何に気分を害したのか判らず辛く悲しく途方に暮れていたのに、意味が判らず謝られても余計気分が沈んだ
目から大粒の涙がテーブルに落ちたのが分かり慌てて席を立つ
マナー違反だが急ぎ食堂から逃げたした
「「ベロニカ!」」
兄の焦る声が聞こえるが涙が止まらない以上失態を繰り返したくない一心で部屋に駆け込み鍵をかけた
「ウッ・・フッゥッ・・・」
声を殺し泣きじゃくる
折角皆が楽しく食事をしているのに
私は何で空気が読めないのだ
私の為に帰ってきてくれた姉や兄に対して
自分の感情が押さえられずクッションへ顔を埋め泣き続けた。
◇◇◇◇◇
「「ベロニカ!」」
バタン!と扉から勢い良く出ていった妹を泣かせたのは言う迄もなく自分だ
久々に会う兄に最近あった華祭りを聞かせたかっただけなのだろうに自分が敏感になりすぎて
「ちょっと!フェンネル!あなたベロニカに何したの!あの娘泣いてたわよ」
姉が顔を赤らめ自分を叱咤する
「・・・華祭りの話を振られて」
「あらあら、過剰に反応してしまったのね、貴方はベロニカ大好きだから」
母は笑顔で自分が何をしてかしたのか判っているようだ
「でもあの娘にはまだ何も話していないの」
ベロニカは何も教えて貰えていない、思い出さなければすむ話だ
「・・・判っています、だけど」
「フェンネル、貴方が焦っても何もならないのよ!」
姉が言うのもわかる、今年の華祭りは既に終わった。だけれども
「それも判っています」
頭をかきむしり冷静になろうとするが無駄に終わる
焦る気持ちと恐怖がジリジリと蝕む
「・・・話をしてきます」
「今は辞めておけ、同じ事になる」
父は呆れた様な目で此方を見た
「可哀想なベロニカ、私が行くわ」
姉が名乗り出てくれたがこの後婚約者の王子が後を追ってきてそれどころでは無くなってしまい
気が付けはベロニカの姿は部屋になく出掛けてしまっていた
謝るタイミングを逃し、妹に嫌われたかも知れないと凹む
姉の婚約者に「余り構いすぎるともっと嫌われますよ?」と言われた
・・・お前に言われたくないわ!
まじで姉を追いかけて付いてくる王子なんて隣国終わってるわ
と1人イライラしたり凹んだりベロニカの帰りを玄関横の客間で待ち続けた
それが悲しく皆と一緒に笑い団欒出来ずにいた
「今日のベロニカは静かね?」
ネモフィラお姉様が気をきかせて声をかけてくれたが何が正しい受け答えなのか判らず黙り混んでしまった
「ネモ姉様、違うんだ僕が悪いんだよ。ごめんベロニカ許してくれるかい?」
声を出すと多分泣いてしまうと判っていたが、兄様が謝ってくれているのに何も言わない訳にはいかず、首を横に降り
「・・・ごめんなさい」と小さく声を出した
兄が何に気分を害したのか判らず辛く悲しく途方に暮れていたのに、意味が判らず謝られても余計気分が沈んだ
目から大粒の涙がテーブルに落ちたのが分かり慌てて席を立つ
マナー違反だが急ぎ食堂から逃げたした
「「ベロニカ!」」
兄の焦る声が聞こえるが涙が止まらない以上失態を繰り返したくない一心で部屋に駆け込み鍵をかけた
「ウッ・・フッゥッ・・・」
声を殺し泣きじゃくる
折角皆が楽しく食事をしているのに
私は何で空気が読めないのだ
私の為に帰ってきてくれた姉や兄に対して
自分の感情が押さえられずクッションへ顔を埋め泣き続けた。
◇◇◇◇◇
「「ベロニカ!」」
バタン!と扉から勢い良く出ていった妹を泣かせたのは言う迄もなく自分だ
久々に会う兄に最近あった華祭りを聞かせたかっただけなのだろうに自分が敏感になりすぎて
「ちょっと!フェンネル!あなたベロニカに何したの!あの娘泣いてたわよ」
姉が顔を赤らめ自分を叱咤する
「・・・華祭りの話を振られて」
「あらあら、過剰に反応してしまったのね、貴方はベロニカ大好きだから」
母は笑顔で自分が何をしてかしたのか判っているようだ
「でもあの娘にはまだ何も話していないの」
ベロニカは何も教えて貰えていない、思い出さなければすむ話だ
「・・・判っています、だけど」
「フェンネル、貴方が焦っても何もならないのよ!」
姉が言うのもわかる、今年の華祭りは既に終わった。だけれども
「それも判っています」
頭をかきむしり冷静になろうとするが無駄に終わる
焦る気持ちと恐怖がジリジリと蝕む
「・・・話をしてきます」
「今は辞めておけ、同じ事になる」
父は呆れた様な目で此方を見た
「可哀想なベロニカ、私が行くわ」
姉が名乗り出てくれたがこの後婚約者の王子が後を追ってきてそれどころでは無くなってしまい
気が付けはベロニカの姿は部屋になく出掛けてしまっていた
謝るタイミングを逃し、妹に嫌われたかも知れないと凹む
姉の婚約者に「余り構いすぎるともっと嫌われますよ?」と言われた
・・・お前に言われたくないわ!
まじで姉を追いかけて付いてくる王子なんて隣国終わってるわ
と1人イライラしたり凹んだりベロニカの帰りを玄関横の客間で待ち続けた
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